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リアワイパーは無くても、切れてても車検に通る!?/車検時のワイパーの基準を検査員が解説

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車のリヤワイパーを外している車を時々見かけます。見た目などの問題で、外したいと思う方もいると思います。

この記事では、「リヤワイパーが無くても車検に合格できるか」「車検時のワイパーの基準」など、ワイパーに関する基準について、元自動車検査員の管理人が解説します。

実際の車検については、検査を実施する整備工場や検査員・検査官の見解等により、取り扱いに若干の違いがある場合があり、必ずしもここに記載するものが全てではないことをご理解の上ご覧下さい。

この記事を書いた人:きりん

元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net

目次

車検時のリアワイパーの保安基準

リヤガラスに装着されるワイパーについては、装着義務がないので、取り外しても基本的に車検に合格します。同様に、ワイパーゴムが切れていて、拭き取りが悪い状態だとしても車検に合格します。

ただし、 リヤのワイパーアームやブレードを取り外してしまったことにより、車両外側にするどい突起がある場合は、車検に合格しない可能性があります。

日本における車のリアワイパーについては、付けなければならないという決まりがない ので、最初から付いてない車両もたくさんあります。

従って、次のような場合でも車検には影響がなく、合格します。

  • リヤワイパーを取り外した
  • リイヤワイパーゴムが切れてボロボロになっている

但し、リヤワイパーを取り外すと、車両によっては取付部に鋭い突起が残ります。このような場合には、検査員が細かくチェックし、「するどい」「鋭利な突起」と判断されると、車検に合格できなくなります。

リヤワイパーを取り外した場合には、鋭い突起にならないように加工処理を行えば、車検に合格するということです。

車検時のフロントワイパーの保安基準

さらに、車検時のワイパーに関する細かい基準を説明します。ただし、上述のとおり、リヤワイパーには装着義務がありませんので、全てフロントガラスに装着するワイパーの基準になります。

  • フロントガラスには必ずワイパーがなければいけません。
  • ワイパーブレード(写真)の損傷やワイパーゴムが切れているなど、機能が低下しているものはこの基準を満たしません。
  • フロントガラスにはウォッシャ機能とデフロスタ機能(ガラスに室内からエアコン又はヒータの風を当てる機能)がなければなりません。
  • ウォッシャ機能は十分なウォッシャ液をワイパーが作動する範囲に噴射しなければなりません。
  • デフロスタは、フロントガラスが曇ってしまった場合に、速やかに曇りを取るものでなければなりません。
  • ワイパーやデフロスタ以外でも、同じ性能を持ち、同一の場所にあり、損傷がないものは適合するものとする。

フロントワイパーは、自動車にとって、安全上とても大事な部品です。雨の日にワイパーが動かなければ、重大事故に直結するので、昔からフロントワイパーには上記のような基準が設けられています。

関連記事>>>自分で車のワイパーゴム/ブレードを交換する方法/費用や時期について整備士の解説

車検に合格しないケース

  • ワイパーが全く動かない
  • ウォッシャ液が全く出ない
  • ウォッシャ液がガラスの視界部分に全くあたらない
  • ワイパーブレードの全部が折れている
  • ワイパーゴムの全部が切れている

上記の合格しないケースとは、どの検査場や整備工場でも車検に合格できないと思われるケースです。(全てフロントワイパーの基準です)

車検に合格しない可能性があるケース

ワイパー
  • ワイパーがLOしか動かないなど、一部動かない
  • ウォッシャ液の吹き出す勢いが弱い
  • ウォッシャ液がガラスの視界部分にうまく当たらない
  • ワイパーブレードの一部が折れている
  • ワイパーゴムの一部が切れている
  • ワイパーブレードやゴムの長さがフィットしておらず、視界部分全体をきれいにできない

合格しない場合があるケースとは、本来適合しないものでも、検査の方法等により見逃されてしまうケースや、検査員の解釈等により判断が変わってしまうようなケースです。(全てフロントワイパーの基準です)

関連記事>>>車検に合格・不合格 工場によって違うのはなぜ!?不服・納得できない方へ

リヤワイパーに関するよくある質問

自動車の後ろについているワイパーはどのような役割を果たしているのですか?

自動車の後ろについているワイパーは、リヤガラスに付着した、雨や雪などの降水物を取り除くために設置されていますが、フロントほど重要な部品ではなく、最初からついていない車もかなり多くなっています。

後ろのワイパーのブレードの交換時期はいつですか?

フロントワイパーと同じように、一般的に1年から2年ごとに交換することが推奨されます。

後ろのワイパーを交換する方法は?

フロントワイパーと同様に交換します。詳しくは下記の記事を参考にしてください。

>>>自分で車のワイパーゴム/ブレードを交換する方法/費用や時期について整備士の解説

ワイパーが動かない原因はなんですか?

電気系統の問題や、ワイパーモーターの故障などが原因で、ワイパーが動作しないことがあります。

後ろのワイパーが音を立てて動く場合、何が原因でしょうか?

ワイパーゴムや、ブレードが劣化している場合、摩擦により音を立てることがあります。ガラスの清掃、ワイパーゴムやブレードを交換することで解決できます。

後ろのワイパーの交換時に、どのような種類のゴムやブレードを選べばよいですか?

ブレードのサイズや形状が車種ごとに異なるため、取扱説明書や車両メーカの公式ウェブサイトなどで推奨されるゴムやブレードを確認することが重要です。

後ろのワイパーを使用すると、燃費に影響があるのでしょうか?

後ろのワイパーを使用すると、空気抵抗が増加し、燃費に影響がある場合があります。ただし、その影響はわずかであり、車両の速度や天候条件によって異なります。

後ろのワイパーは常に必要なのでしょうか?

後ろのワイパーは、降雨時や雪が積もった場合など、視界を確保するために必要だと感じる人が多いです。従って、寒冷地、積雪地仕様の車や、4WDの車についていることが多いです。

参考:ワイパーに関する装備上の基準

法律書

さらにワイパーの装備上の基準は次のようになっています。

保安基準第45条 窓拭き器等

【窓拭き器】

①自動車の前面ガラスには、自動式の窓拭き器を備えなければならない。
窓拭き器は自動式(左右に窓拭き器を備える場合は、同時に作動すること)でなければならない。

②この場合において、窓拭き器のブレードであって、老化または損傷により著しく機能が低下しているものは、
この基準に適合しないものとする。

【洗浄液噴射装置及びデフロスタ】

③自動車は、窓拭き器の他に洗浄液噴射装置及びデフロスタを備えなければならない。

④洗浄液噴射装置は、前面ガラスの直前の視界を確保するのに十分な洗浄液を噴射するものであること。
この場合において、洗浄液を噴射させた場合に洗浄液が窓拭き器の
払しょく範囲内にあたるものは、この基準に適合するものとする。

⑤乗車定員10人以下の乗用自動車に備えるデフロスタは、前面ガラスに水滴等により著しい曇りが生じた場合において、
前面ガラスの直前の視野を速やかに確保する性能を有するものであること。

【損傷】

⑥指定自動車等に備えられた窓拭き器、デフロスタとそれぞれ同一の構造を有し、かつ、同一位置に備えられたもので、
その機能を損なうおそれのある損傷がないものは、各々の性能に関する要件に適合するものとする。

まとめ

  • リヤワイパーを取り外しても車検合格
  • リヤワイパーゴムが切れて拭き取りが悪くても車検合格
  • リヤワイパーのウォッシャ液が出なくても車検合格
  • 但し、リヤワイパー部分に鋭い突起があると車検不合格
  • フロントワイパーは切れていると車検不合格
  • フロントウォッシャー液が出ないと車検不合格

以上、車検時のワイパー、リヤワイパーの基準についてでした。

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