3級自動車整備士試験の合格率が知りたい。
3級って簡単なの?
これから3級自動車整備士の資格取得を目指す人にとって、筆記試験の難易度や、合格率が気になるのは、受験するみなさん同じはずです。
この記事では、3級自動車ガソリン・エンジン整備士、3級自動車ジーゼル・エンジン整備士、3級自動車シャシ整備士の3つの試験(筆記試験)の合格率と難易度、合格のコツについて1級整備士のわたしが詳しく説明します。
3級整備士取得を目指す人はぜひ参考にしてください。
この記事の内容
・3級整備士試験の合格率
・3級整備士試験の合格基準
・3級整備士試験の難易度
・3級整備士試験の合格のコツ
チェック
3級自動車整備士(ガソリン・ジーゼル・シャシ)の試験は、学科試験と実技試験があります。この記事はその中の学科試験(筆記試験)についての説明記事です。
また、3級整備士の種類には「3級二輪自動車整備士」もありますが、ここでは説明しません。
近年の合格率
それでは早速、日本自動車整備振興会連合会(日整連)が公表している、近年の3級ガソリン・ジーゼル・シャシ整備士の3種類の試験(筆記)の合格率を紹介します。
1種目ずつ詳しく見ていきましょう。
【3級自動車ガソリン・エンジン整備士】
試験年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
H29年10月 | 4,217人 | 2,553人 | 60.5% |
H29年3月 | 4,542人 | 2,598人 | 57.2% |
H28年10月 | 4,212人 | 2,717人 | 64.5% |
H28年3月 | 4,612人 | 2,314人 | 50.2% |
H27年10月 | 4,072人 | 2,500人 | 61.4% |
H27年3月 | 4,698人 | 2,567人 | 54.6% |
H26年10月 | 3,581人 | 1,792人 | 50.0% |
H26年3月 | 4,196人 | 2,413人 | 57.5% |
H25年10月 | 3,527人 | 1,881人 | 53.3% |
H25年3月 | 4,199人 | 2,231人 | 53.1% |
平均 | 56.3% |
【3級自動車ジーゼル・エンジン整備士】
試験年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
H29年10月 | 431人 | 236人 | 54.8% |
H29年3月 | 1,049人 | 627人 | 59.8% |
H28年10月 | 381人 | 216人 | 56.7% |
H28年3月 | 1,005人 | 558人 | 55.5% |
H27年10月 | 420人 | 263人 | 62.6% |
H27年3月 | 994人 | 618人 | 62.2% |
H26年10月 | 355人 | 185人 | 52.1% |
H26年3月 | 863人 | 578人 | 67.0% |
H25年10月 | 230人 | 149人 | 64.8% |
H25年3月 | 849人 | 476人 | 56.1% |
平均 | 59.4% |
【3級自動車シャシ整備士】
試験年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
H29年10月 | 1,519人 | 885人 | 58.3% |
H29年3月 | 2,593人 | 1,486人 | 57.3% |
H28年10月 | 1,476人 | 843人 | 57.1% |
H28年3月 | 2,624人 | 1,715人 | 65.4% |
H27年10月 | 1,625人 | 996人 | 61.3% |
H27年3月 | 2,602人 | 1,475人 | 56.7% |
H26年10月 | 1,391人 | 788人 | 56.6% |
H26年3月 | 2,601人 | 1,657人 | 63.7% |
H25年10月 | 1,457人 | 765人 | 52.5% |
H25年3月 | 2,598人 | 1,433人 | 55.2% |
平均 | 58.9% |
※3級ガソリン・ジーゼル・シャシ整備士の筆記試験は、いずれも例年3月と10月の毎年2回実施されています。
受験者の種別(属性)による合格率の違い
日本自動車整備振興会が公開している合格率のデータには見えてこないものがあります。
それは、受験者の種別(属性)による合格率の違いです。
受験者の3つの種別
・働きながら各都道府県の自動車整備振興会の講習を受けた人
・高等学校自動車科等で3級整備士課程を卒業した人
・どこの講習所にも通わず、自分で勉強した人
この中で、合格率が最も高いのは「働きながら各都道府県の自動車整備振興会の講習を受けた人」です。
それ以外の受験者は合格率がもっと低くなりますので、次に説明します。
働きながら整備振興会の講習を受けた人の合格率
3級の筆記試験を受ける受験者の約半数の受験者が、働きながら整備振興会の講習を受けた受験者です。
全体の合格率は60 %前後ですので、振興会の講習を受けた人が合格率を引き上げています。
逆に言うと、振興会の講習を受けていない受験者の合格率は、60 %よりも低いことになります。
整備振興会の講習は、働きながら、半年程度、週1回程度の講習を実施しますが、筆記試験合格のノウハウをかなり持っていますので、まじめに通っている人はたいがい合格します。
しかし、整備振興会では受講希望者数によって、その年に講習を実施しないこともありますので、必ず受講できるとは限りません。(各都道府県の振興会によって異なる)
特に、「3級ジーゼル」については近年受講希望者が少ないため、ほとんどの整備振興会で講習を実施でしていない状況にあります。
試験の出題形式と合格基準
出題形式:四肢択一、マークシート記入式
試験時間:60分
試験問題数:30問で、1問1点の30点満点
合格基準:70%以上の正解(21問正解)
3級整備士試験の難易度や合格へのコツ
合格率については、今まで書いた通りですが、難易度合格のコツについてはどうでしょうか。
合格率だけを見てみると、3級整備士は2級整備士の下級の資格であるのにも関らず、2級整備士の合格率と同等か、むしろ2級整備士の合格率よりも低くなっています。(2級ガソリン・ジーゼルともに65%)
と思う方もいると思いますが、そうではありません。教科書の内容や過去の問題を見ても3級の方がやさしい問題であるのは歴然としています。
3級の合格率が低い理由は、3級を受ける受験者は学生の割合が少ないからです。
2級の受験者には専門学校等の整備士課程を卒業した人が数多くいて、彼らはみんな合格します。
つまり学生が合格率を大きく引き上げているのに対して、3級はその多くが働きながら勉強して受験している人であり、学生ほど合格率が上がりません。
そのため、3級の方が合格率が低くなっています。(3級にも高等学校の整備士科を卒業した学生がいますが、割合はそれほど多くはなく、また、なぜか合格率もそれほど高くありません。)
そういった理由から、合格率から難易度はなかなか見えてきません。
難易度というのはなかなか難しい指標で、もちろん個人によって違います。ここからはあくまでも私個人の見解で、説明させてもらいます。参考にしてください。
3級整備士試験の難易度とコツ
・整備士の経験が5年以上有る人でも、全く勉強しなければ、大半の人は合格できません。
・整備振興会の講習をまじめに受講すれば誰でも合格できます。(教科書の内容(活字)だけでは理解できないことが多いため、講習を受けることで、圧倒的に理解度が高まり合格に近づきます)
・振興会の講習に通わずとも、整備士の経験が5年以上有る人であれば、1週間程度本気で勉強すると、大半の人が合格できます。ただし、教科書や練習問題(過去問題集)などの資料は絶対に必要です。
・【究極】過去問が多く存在するため、教科書を見なくても、過去10年分くらいの過去問だけを完璧に暗記することができれば誰でも簡単に合格できます。
・教科書をベースに全て覚えようとするよりも、過去の問題をベースに教科書を開いた方が効率がいいです。
・毎回のように出題される定番のラッキー問題が数多くあります。それらを覚えることから始めると効率がいいです。難しい問題は、全体の中の一部であり、それを落としても、定番の問題を全て解くことが出来れば、十分合格できます。
・整備経験がそれほど無くても、勉強次第では十分合格できます。(学生が受かります)
・試験時間の60分は十分足りる時間です。実際に大半の人が試験時間修了前に退席するようですので、時間が足りなくなる心配はまずいりません。
まとめ
・3級筆記試験の近年の全体の合格率は60%程度
・整備振興会の講習を受けた人の合格率は70~85%程度
・整備経験者であれば、本気で1週間勉強すれば合格できる程度の難易度
・合格するには、必ず教科書や練習問題が必要
以上、3級整備士資格の難易度や合格率でした。参考にしてください。
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