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車のABSランプの点灯原因と修理費用/つきっぱなし・ついたり消えたり?プロの整備士が徹底解説

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車やバイクのメーター内でABSランプが点灯している

この記事では、車やバイクのABSランプが点灯する原因・修理費用・解除・消灯方法などについて、一級整備士の管理人が詳しく解説します。

この記事を書いた人:きりん

元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net

目次

ABSランプ点灯・点きっぱなしの意味

ABS2

車のブレーキシステムに異常(故障)がある場合に、メーター内のABSマークが点灯または点滅します

ABSはアンチロックブレーキシステムの略で、ブレーキの安定性を高めるための非常に重要な装置です。

昭和の時代にはほとんど無かった装備ですが、トラックや乗用車を含め、現在日本を走行している多くの車やバイクに装着されているシステムです。

このブレーキシステムに異常(故障)が起こると、上記写真のようにメーター内の「ABS」のマークのランプが点灯して、ドライバーに異常(故障)を伝え、整備工場での修理をうながします。

ABSのランプが点灯・点滅する場合には「ブレーキの装置に何らかの異常が起きた」と考え、整備工場で点検してください。

ABSランプが点いたり消えたりする

車のブレーキシステムに一時的に異常(故障)が起きたり、一時的に直ってしまったりする場合に点いたり消えたりします。

基本的には、つきっぱなしと同様にブレーキに異常があると考えてください。

ABSランプは異常がない場合には点灯することはないので、一時的にでも点いたということは異常であり、仮にその後一時的に直ってランプが消えたとしても、そのうちまた点灯します。一度壊れた装置が、勝手に完全に直ることは通常ありえないので、やはり、整備工場で点検してください。

ABSランプが点灯した場合、その後の走行が可能か

基本的に可能だが、ブレーキに違和感がある場合は走行しないで整備工場に連絡

ブレーキペダルのフィーリングやブレーキの効き方、効き具合を確かめ、異常が無いように感じたら、安全運転で自宅や整備工場まで走行できます。

ABSは通常のブレーキの補助装置なので、ABSに異常があるとしても、ブレーキそのものには異常が無いことが多いため、それほど心配は要りません。

但し、少しでも不安がある場合は、整備工場に連絡し、その後の対応を相談してください。ブレーキは命に関わる部品なので、明らかな異常を感じたら、直ちに走行をやめて安全場所に停車させてください。

異常(故障)の原因は複数パターン

整備士

原因は複数あるため、整備工場で異常・故障箇所の特定が必要

メーター内のABSのマークが点灯したことで、ABSに異常が起きたということは瞬時にわかりますが、ABSの「どこに」異常が起きたかまではわかりません。

整備工場では、ABSの「どこに」異常が起きたのか原因を特定するために、車と通信するコンピュータ(スキャンツール・故障診断機)を使用します。

原因の特定方法は、ABSランプが点灯した車とコンピュータで通信し、ABSのどこに異常が起きたかをある程度特定し、その情報をもとに、整備士がさらに細部まで点検することで、原因や故障箇所を特定していきます。

同じABSランプ点灯の不具合でも、原因や故障箇所によって、整備内容や修理費用が大きく異なるため、ABSランプが点灯したら何が悪いのか、どのくらい修理費用がかかるかについては、車を点検しない限り、誰にも答えようがありません。

まずは整備工場に車を持ち込んで、ABSの「どこに」不具合があるのか原因を特定してもらうことが先決です。

ABS故障原因と修理費用例

スピードセンサー
故障箇所修理費用
ABSスピードセンサー20,000円~
ABSシグナルローター20,000円~
ABSコンピューター50,000円~
関連ヒューズ・配線10,000円~
メーター50,000円~
ABS装置以外ピンキリ

上記は、一般的な大衆車のコンパクトカーや軽自動車の最低価格だと考えて、参考程度にしてください。

修理費用は、車種により大きく異なり、大型車、輸入車、高級車はこのような最低金額では収まらず、それぞれ20万円を超えてもなんら不思議ではありません。

また、中古部品やリビルト品を利用するなど、費用を抑える方法もありますので、まずは整備工場で故障箇所の特定と、見積もり額を提示してもらいましょう。

ABSのランプが点灯したら必ず修理が必要か

必ず修理してください

理由は3つあります。

  • ブレーキに関する部品は、自分や同乗者、歩行者の命に関わる何よりも重要な装置であること
  • 整備不良で切符を切られること(整備命令・罰金)
  • 車検に合格しないこと

公道を走行する車のブレーキの整備を行うことは、自動車を使用する人の最低限の義務で、これをおこたり、万が一事故が起きた場合の社会的責任は大きいです。

ABSのランプ点灯はエンジン始動不良の原因にならない

ABS1

ABSはブレーキの安全装置なので、ABSが壊れてしまったとしても、ブレーキに不具合が出ることはありますが、エンジンには基本的に関係ありません。

例えば、走行中にABSランプが点灯していて、その後エンジンがかからなくなった場合でも、ABSが原因でエンジンがかからなくなる可能性は低いです。原因は他にあります。

ABSランプが点灯して、エンジンがかからない

これは大抵の場合で「誤認」「勘違い」

「ABSランプ点灯_エンジン掛からない」このワードがネットでよく検索されていますが、大抵は誤認、勘違いです。

しかし、多くの人が誤認、勘違いしてしまうのには理由があります。

なぜ、そのような認識をしてしまうのかというと、鍵を回したり、プッシュボタンを押してもエンジンが掛からないときは、メーターのランプがいろいろ点灯するからです。(することが多いから)

meter
エンジンがかからなかった時のメーターの一例

上記写真はエンジンがかからなかった場合のメーターの様子で、このようにABS以外のランプも数多く点灯します。そしてこれは車の正常な反応です。

つまり、ABSのランプが点灯しているからエンジンが始動しないのではなく、エンジンが始動しなかったから、ABSのランプが点灯しているということです。

  • エンジンが始動していない時にランプ点灯→正常
  • エンジン始動中(走行中)にランプ点灯→異常

鍵を回したり、プッシュボタンを押しても、エンジンが始動しなかった場合、ABSランプは必ず点灯します。ABSにかかわらず、他のランプもたくさん点灯しますが正常です。

エンジンが掛かっている状態で、ABSのランプが点灯・点滅する場合は異常です。

エンジンがかからない原因と解決法

自動車のエンジンがかからない原因を大きく分けると、下記のようになります。

  • ペダルやボタンの操作が不適切
  • 鍵関係の不具合(鍵がない・電池がない)
  • バッテリー上がり
  • エンジン本体、システムや部品の不具合

「1.~3.」までは整備知識の無い人でも、比較的簡単に確認する事が可能です。自分で確認することで、早期解決につながり、修理費用も節約できるので確実に実施したい事です。

「4.エンジン本体やシステムや部品の不具合」については、整備知識の無い方が判断することは不可能に近いので、1~3までをチェックして、それでもわからなければ整備工場に修理依頼するようにしましょう。

エンジンがかからない原因と解決方法については、こちらの記事で詳しく書いています。

>>>電気やライトは付くけど、エンジンがかからない原因と解決法

以上、ABSランプ点灯の原因、修理費用について整備士の解説でした。

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