損保アジャスターへの転職を考えているんだけど、自動車整備士の資格や経験は役に立つかな、アジャスターの給与はどうかな、求人はあるだろうか。
この記事は、長く整備業界に携わり、一度はアジャスターへの転職を考えた運営者がそんな疑問に答えます。
整備士の資格や経験が役に立つか
はい。かなり役に立ちます。
例えば日新火災海上保険株式会社のHPでは、アジャスターに求められることとして、次のような記載があります。
自動車の構造機能を熟知・修理技術に精通
自動車の修理見積に精通
自動車保険・法律に精通
アジャスターになるためには、自動車整備士の資格が必ず必要という訳ではありませんが、損保会社によっては、採用条件に「2級自動車整備士以上」と資格要件があるところも数多くあります。
いずれにしても、その資格と経験は、就職する際に有利に働き、さらに就職後の仕事に大きく役に立つことは間違いありません。
だからこそ、元自動車整備士のアジャスターが世の中に数多く存在しているのです。
また、技術アジャスターには次のような資格制度があります。
アジャスターに転職した場合、誰もがこのように資格を取って行かなければなりません。
(資格制度については当記事下部でさらに詳しく説明しています)
例えば初級技術アジャスターの試験内容(筆記試験)は次の通りです。
アジャスター規則の知識
自動車工学に関する初歩的知識
自動車の構造および機能に関する初歩的知識
自動車の損害の適正評価に関する初歩的知識
※三井住友海上火災保険HPから引用
おわかりのとおり、自動車整備士の資格や経験は、転職後の資格を取って行く場合においても、とても役に立つのです。
逆に言うと、アジャスターという職業は、整備士のような自動車の構造等に対する知識がない人にとっては、とてもハードルが高い職業と言えるでしょう。
アジャスターの給与や待遇
給与については様々なサイトで、400~600万円と書いてありますが、信憑性はわかりません。
2020年1月21日現在、三井住友海上の技術アジャスター募集ページには、例として
と書いてあります。
アジャスターの給与は、
・転勤可能かどうか
・資格を取っているか
・上司に信頼されているか
・クライアントに信頼されているか
で大きく変わるようです。
頑張り次第ではかなり高給与が望めるということです。
その他の待遇については、保険会社は大手企業ですので充実していると言えます。
一般的に週休2日制ですが、個人のお客様との仕事がありますので、どうしても夜に説明しにいかなかればならないなどの事情があるため、残業は多くなりがちです。
しかし、最大の注意点は
ことです。
転勤しなくても済む契約があるようですが、それなりの収入になってしまいます。
家庭がある方は十分考えましょう。
アジャスターの求人
転職しようにも、当然求人が出ていなければなりません。
さて、アジャスターの求人はどこからどのくらいあるのでしょうか。
2020年1月、大手転職サイトのリクナビネクストで検索してみると、ヒットしたのはわずか1件でした。(ちなみに”自動車整備経験のある人”との条件付き)
損保アジャスターの求人情報は、全国的にも決して多くないようです。
しかし、毎年春に採用しているような保険会社もあるので、直接保険会社のHPを探してみてもいいでしょう。
このような、それほど求人の多くない業種においては、
となりやすいです。
そうならないためには、複数の求人サイトに登録しておくことが大事です。
とりあえず、求人情報をチェックしておいて、応募するかどうかはその時に改めて考える方が効率が良い方法と言えます。
こちらの記事に自動車整備士の転職サイトランキングがあります。

ポイント
転職サイトを利用する場合は、まずは業界最大手のリクナビネクストに会員登録することをおすすめします。(会員登録しなくとも簡易使用できますが、情報少ないです)
日本で最も多くの求職者が会員登録しているサイトです。
こうしている間にも、ライバルが良い求人を見つけている可能性があります。
アジャスターの仕事内容
さて、最後になりましたが、損保アジャスターの仕事内容を簡単に説明します。
アジャスターとは、事故を調査し、保険金支払い金額(修理費用)を算出する職種です。
一言でいうと”事故調査のプロフェッショナル”です。
損害保険会社に雇用される専属のアジャスターと、保険会社以外の会社に雇用されるアジャスター、又は個人で業務を請け負う乗り合いアジャスター(フリーランス)があります。
フリーランスの場合は、損害保険会社で長く経験を積んだ人が多いようですので、整備士が転職する場合、まずは保険会社に雇用される専属アジャスターを目指すのがいいでしょう。
アジャスターは事故の状況から被害者と加害者の費用の負担割合を算出するとともに、修理金額の見積もりを実施しますので、自動車に対する高い知識や技術が必要です。
大きな金額を動かす仕事になりますので、大きな責任のある仕事です。
この辺りは、自動車整備の経験があればどのようなことなのか良くお分かりと思います。
また、損害保険会社専属の技術アジャスターは、被害者との示談交渉までも行います。
さらに、示談が成立せず、裁判になった場合においても、裁判所に対して事故の報告書の作成・提出などの仕事もあります。
アジャスターは”日本損害保険協会“に登録されていなければなならず、日本損害保険協会が定めているアジャスターの資格試験に合格しなければならない職業です。
今現在、”2級技術アジャスター”が最上級の資格であり、順調に資格を取得しても約7年程度かかるため、転職してしばらくは勉強していく必要があります。
日本損害保険協会が定めているアジャスターの資格
・見習技術アジャスター
・技術アジャスター初級
・技術アジャスター3級
・技術アジャスター2級
・技術アジャスター1級
※1級は現在停止中
難易度については3級が合格率20~30%程度、2級は10~15%程度であり、比較的難易度の高い試験に合格していかなければなりません。
また、さらに仕事内容についてYahoo 知恵袋にたくさんのリアルな情報がありますので、こちらも参考にしてください。
これを読むと、決して楽な仕事ではないと感じると思います。
まとめ
損保アジャスターという仕事は、自動車整備士の資格や経験が生かせる仕事であり、高収入も望める仕事です。
自動車整備士の転職先として、一度考えてみても良い仕事だと思います。
しかし、残業が多い、転勤がある、難易度の高い資格を取って行かなければならない、などのデメリットがあるためこれらをよく理解し、検討しましょう。
また、それほど求人が多くない職業のため、転職のハードルは高めです。
良い求人を見逃さないように、転職サイトや転職エージェントを利用することをおすすめします。
整備士が転職を考える場合には、いろんな職業を幅広く検討することが大事です。
ディーラーの場合は、おそらくもう一度ディーラーに就職することはできませんし、他業種に転職したけど、結局整備士として別のところで働いているような人も多いです。
くれぐれも慎重に検討しましょう。
チェック
整備士の転職や、整備士おすすめの転職サイトについてはこちらをご覧ください。
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