「腹が立つ!」無茶な要望をする営業マンについて考える

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「営業サイドが無料(タダ)の仕事を持ってくる」「営業サイドから無理難題を押し付けられる」等の、ディーラー整備士によるネガティヴコメントがSNSにおいて多数見受けられる。

私も元ディーラー整備士なのでよくわかる。

「我慢ならない、整備士をなんだと思っているのか」

よくそれが原因で営業マンと口論になることがあった。

ディーラー整備士であれば、多かれ少なかれそういう経験をしているだろう。

この記事は現在そういう状況にある整備士、特にディーラー整備士の人に読んでもらいたい。

きっと何らかの刺激が得られるだろう。

 

但し、内容はあくまでも小型車ディーラーの話として欲しい。

ディーラーは販売会社である

 

これはディーラーに入社すると上司からよく言われることだが、あらためて解説させて欲しい。

ディーラー整備士は絶対忘れてはならない事だ。

 

ディーラーは、整備工場であると同時に新車の販売店である一面を持つ。

あえて逆に説明したが、本当は逆である。

「ディーラーは自動車販売会社であり、整備工場である一面を持っている」が正しい。

ディーラーにとって、自動車の販売部門が会社の主体であり、整備部門はディーラーの一部でしかない。

ディーラーは自動車販売事業を主体としているが、アフターサービスを実施する整備工場が無ければ、自動車が売れない為アフターサービスである整備部門を持っている。

実際に、日本に整備工場を持たない輸入車を購入する人は少ないことからも、ディーラーに整備工場があることはとても大事なことであることがわかる。

ディーラーのサービス部門とは、そもそも自動車の販売を助けるためにある。

 

次に売上の観点からも考えてみる。

以前私が勤めていた小型車ディーラーの数年前の売上状況を紹介する。

営業部門である「新車・中古車販売」「割賦手数料」「保険手数料」「その他手数料等」の合計が、会社全体の売上の7~8割で、整備部門である「整備売上」「部用品売上」はわずか2~3割程度であった。

営業部門の売上が、ディーラーの売上高の大部分である。

 

これはおそらくどこの小型車ディーラーでも同じではないだろうか。

ディーラーとは、紛れも無く自動車販売を主体とした会社であり、整備部門は販売を助ける手法に過ぎない。

整備部門は赤字でも、営業部門で大きな黒字を出せれば良いのであって、逆であってはならない。

私たちディーラー整備士は、このことをまず認識しなければならない。

 

サービス部門は自動車販売をどう助けるべきか

 

「忙しい日に無理やり仕事を受入れさせる」「整備の仕事を無料で強制させる」というような営業マンについてはどう考えるべきか。

これは、このような要望が本当に自動車販売を助けるかを考える必要がある。

サービス部門が自動車販売に貢献する正しい方法がある。

ここを営業マンは理解しなければならない。

 

サービス部門が自動車販売に貢献する方法は、第一にお客様の信頼を得ることだ。

 

自動車の購入後にも良いメンテナンスを続け、お客様の信頼を得ることで、次の代替に繋がる。

つまり、購入から購入までの期間をしっかりと繋ぐことが、サービス部門の大きな役割だ。

 

忙しい日に無理やり仕事を受入れさせれば、予約をしていた他のお客様に迷惑をかけることになりかねない。

そんなことになれば、会社は大きく信頼を失ってしまうことを営業マンに認識して欲しい。

 

サービス部門の大事な役割の2つ目は、売上を増やすことだ。

まず、営業部門というものは売上げが全く安定しない部門であり、経済情勢や、ヒット商品が出る・出ないなどで、売上が大きく変動する。

私がいたディーラーでは、1年のうち4月~12月まで全て赤字で、1月~3月までにそれを大きく黒字に転換する。

売上がない時期は、営業活動も少ないかというとそうではなく、同じ人数の営業マンがいて同じように広告活動をする。

ディーラーの自動車販売はとてつもない額のコストがかかることは容易に想像がつくだろう。

 

一方で、サービス部門の売上は比較的安定している。

営業部門で売上が少ない時期にも縁の下の力となって会社を支えている。

つまり、サービス部門の売上が上がることで、営業部門はセールス活動をすることができるのだ。

 

営業マンはサービス部門の売上が、自分たち営業部門を助けることを認識しなければならなず、勝手に料金を安くしたり無料の仕事を持ってくるなど「もってのほか」だ。

 

まとめ

 

サービス部門は自動車販売を助ける手法だと説明したが、決して営業サイドの要望にすべて応えろとういうことではない。

無論、無料で仕事を引き受けることが自動車販売に繋がるわけではない。

値段を安くすることだけが信頼を勝ち取る方法ではなく、そのあたりのことは整備士は良く知っているだろう。

 

無理難題を押し付ける営業マンは勉強するべきだ。

「お客様の要望に応えるだけが営業なのか」

「何かをサービスしてあげなければ、自動車を販売する事ができないのか」

「お客様によってサービス内容に不公平があれば、会社の信頼を無くすことになる事をわかっているのか」

「プロの整備士の技術をなんだと思っているのか」

 

最後になるが、会社はこのあたりの認識を社員全体に浸透させなければならない。

ルールを徹底させなければ良い会社はできない。

特に、サービス部門に無料で行う仕事など無い。

何も、社内整備として営業部門の利益からサービス部門に支払えばいいだけの話だ。

そうすれば、無茶なサービスを引き受けてきた営業マンは上司から叱責されるだろう。

そしてサービス部門はこのような不当要求に対して徹底抗戦しなければならない。

 

現役ディーラー整備士の方々には、SNSで嘆くばかりでなく、このような論理的な方法でぜひ会社と戦って欲しい。

整備士の地位を守るためにもだ。

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