整備資格の種類を無くす事が検討されているらしい
自動車整備士の資格制度見直しが検討されているらしい。
具体的には、これまでの「ガソリン」「ジーゼル」などの枠を外し、単に「1級」「2級」「3級」とするような制度変更のようだ。
なるほど。それは名案だ。
この資格制度が出来た太古の昔、自動車整備士にとって、自動車の大きな違いは「ガソリンエンジン」か「ジーゼルエンジン」かであった。
そのため現在も尚、「2級ガソリン」や「3級ジーゼル」などと、エンジンの種類によって資格が分かれている。
エンジンは実に不安定な要素のかたまりであり、ちょっとしたことで不具合を起こす。
人類は良くここまでエンジンを開発してきたものだと思う。
また、エンジンオイルや冷却装置などのメンテナンスがどうしても必要だ。それは今も昔も変わらない。
しかし、だからこそ整備士の知識や技術が必要であったわけだ。
ICE(内燃機関)のメンテナンスには、プロの整備士の技術が必要なのは、疑いの無い事実だろう。
それが今はどうだろう。
みなさんもお分かりのとおり、現在の自動車は「ガソリンエンジンがどう」とかとういう問題でなくなっている。
自動車のエンジン自体がなくなってきているのだ。
電気自動車を整備している整備士が「ガソリン整備士」ではおかしい。
これからの時代、あえて分けるとすれば「EV(電気自動車)整備士」と「ICE(内燃機関)整備士」とでも分けられるだろう。
「EV整備士」とは言ってみたものの、EVに搭載されるモーターを整備士が整備することは、あまり現実的ではない。
モーターというものは、エンジンから比べると圧倒的に信頼性が高い。
量産すれば、コストパフォーマンスもエンジンより優れるだろう。
家電のモーターを考えればわかる。そもそもメンテナンスフリーだ。
モーターの前では、整備士の技術はそれほど役に立ちそうもない。
この話はまた別の機会にするとしよう。
とにかく、細かい枠組みを取り外し、シンプルに「1級自動車整備士」「2級自動車整備士」「3級整備士」とする案にはとりあえず賛成だ。
教科書では、「ガソリンエンジン」「ジーゼルエンジン」「モーター」「インバーター」「FCスタック」など、現在の自動車に搭載する原動機や充電システムについても、それぞれのカテゴリーに合わせて、トータル的に学ばせるカリキュラムにすればいい。
この多様化した自動車の社会で、エンジンの種類で資格を分ける時代じゃ無い事くらい、整備業界にいない一般の人でも容易に察しがつくだろう。
整備士にとって大事なのは、自動車を確実に安全に整備できるかどうであり、その自動車はモーターが主流になってきているのは明らかなのだ。
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