- ディーラーは無料で代車を貸してくれるのか
- 貸してくれない場合の対応方法
- 貸してくれる場合どんな車なのか
ディーラーや整備工場に車検や修理を依頼する場合、代車を借りたいシーンが出てきます。
特に最近増えているのが、新車が納車される前に車検が切れてしまい、乗る車が無くなってしまうというトラブルで、こんな時は、新車を購入したディーラーから代車を借りたいと思うことも多いでしょう。
この記事では、ディーラーの代車事情について、元ディーラー整備士の管理人が解説します。
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
代車は無料で借りられるか
無料代車はあるが、借りられるかどうかは状況次第
多くのディーラーでは、無料で代車を貸すシステムがあります。
但し、代車の貸し出し状況によって、即日借りられる時もあれば、長い間待たされたり、断られたりする場合もあるので、確実に借りられるかというと、そうとは言えません。
また、貸し出し状況に関係なく貸してくれない場合もあります。これはディーラーに限らず、全ての整備工場で同じことが言えます。
無料代車を確実に借りられない理由
- 台数に限りがある
- 修理期間が長いものが優先
- 車検や一日で終わる仕事には貸さないところも多い
整備工場が持つ無料代車は、整備工場が自ら経費をかけて所有・維持管理している車です。代車が多ければ多いほど経費がかかるので、当然ですが数に限りがあります。
基本的に、代車は修理にかかる期間が長い依頼から優先されるので、一日で完成する車検や修理の場合、断られる可能性も高いです。期間の長い修理とは、具体的に言うと事故修理(鈑金・塗装)やエンジンの分解修理などですね。
他にも、「売上の少ない仕事に無料で代車を貸していたら割に合わない」という考えもあり、最初から車検や点検には貸さないというルールがある整備工場も多いです。
都会のディーラーで無料代車は厳しい
東京など、都会のディーラーには無料代車がそもそもない場合も多いです。地方と比べて1台の維持費が違うことや、有料の代車(レンタカー)でも納得してくれるお客さんが多いからかもしれません。
無料で代車を借りたい場合
事前に相談する
これにつきます。車検や修理の当日にお願いしても、借りられない可能性が高いです。
事前に相談しても代車が空くまでかなり長い期間待たされる場合もあるので、車検など、実施することが決まっている整備であれば、1か月以上前から予約した方が確実です。
また、「お貸しできない」と言われることもあるかもしれませんが、その場合には、車を取りに来てもらう(引取・納車サービス)など、他の対応を考えてくれますし、この時点でこちらから依頼を断り、無料代車を貸してくれる別の整備工場に依頼することが可能です。
いずれにしても、代車を借りたい場合には、早めに相談することが大事で、トラブルにならない需要なポイントです。
ディーラーの代車はどんな車か
ディーラーの代車は新しい車が多い
ディーラーの性質上、代車は新しい車の場合が多いですね。
ディーラーには試乗車や展示車がたくさんあり、その役目を終えた後に、そのような車をお客様用の代車として運用している場合が多いです。
そのようなディーラーでは、しばらく経つと、また役目を終えた試乗車や展示車が次々と出てくるので、”これまで代車としていた車を中古車として展示場に並べて、新しい車を代車にする”というように、ところてん方式で代車を入れ替えています。
修理のお客さんに新しい車に乗ってもらって、購買意欲をくすぐるといった意味合いもあります。
そんな理由で、ディーラーの代車はとにかく新しい車の場合が多く、その傾向は、大きな自動車メーカーの規模が大きいディーラーほど強くなります。
私が働いていたディーラーでも、代車が目まぐるしく変わるので、どれが代車でどれが中古車なのかわからなくなることが頻繁にありました。
一般的なディーラー代車ってどんな車?
- 新しい車
- AT(オートマ)
- 禁煙車
- 軽自動車も多い
無料代車への要望はしていいか
ディーラーの無料代車はサービスの一環なので、基本的に選べませんが、特に気になることがあれば、事前に要望されると良いと思います。
待つ時間が長くなるかもしれませんし、要望通りにいくかはわかりませんが、言ってみる価値はあります。
私の経験では次のような要望が多かったです。
- 軽自動車は嫌
- タバコ臭いのは嫌
- 4WDにして欲しい(冬季)
現在は、ディーラーの代車にタバコ臭い車は、あり得ないように思えます。
古い代車を使うディーラー
私の経験上、あまり多くはないですが、古い車を代車にしているディーラーもあるようです。
「古い・汚い」は人の感覚にもよるので難しいところですが、特に若い女性にとっては気になるところですね。
しかし、整備工場が貸す代車は無料サービスなので、強くも言えませんし、「代えて」と言っても「これしかない」と言われることも多いと思います。
代車をあきらめるか、別の整備工場に依頼するか、自費で有料の代車を借りる方法があります。
有料の代車
レンタカーが借りられます
自分が希望する代車に乗りたい場合は、レンタカーを借りることも選択肢の一つです。
自分で借りるよりも、ディーラーにレンタカーを借りたいといった方が安く借りられる可能性があるのでお得です。
レンタカーは車種により一日6,000~10,000円程度ですね。正規のレンタカーであれば、しっかり保険もかけられるので安心です。
ただし、料金は自腹なので、有料代車を借りるお客さんはそう多くはありません。
新車購入時の納車遅れトラブル
- 車検のタイミングで新車を購入した。
- 新車が納車される前に、今乗っている車の車検が切れた。
- 新車を購入した所から、無料代車を貸せないと言われた。
近年、このケースのトラブルが増えています。このケースはディーラーや整備工場側にとっても非常に悩ましい問題です。
以前は、国産の新車の納期は非常に安定しており、発注とともに納期がわかり、それほど大きく遅れることは無かったのですが、近年新型コロナや半導体不足などの問題により、新車の納期が大幅に遅れることが常態化しています。
新車の購入者から見れば、納車が遅れたのだから、販売店がその期間の代車を用意すべきと思うのは当然かもしれませんが、販売店はそのような保証契約を結んではいないのが普通です。
しかし、担当者がそういった場合の話をしていないことが多く、そこには販売店側の説明不足もあり、これまでは新車の購入者に対して、なんとか代車を貸すなどの対応をする販売店が多かったと思います。
しかし近年の場合は、納期遅れはその購入者の車だけではなく、その販売店の複数の購入者同時に起きることや、遅れる期間が半年以上になることもあり、全てのお客さんが満足する無料代車を用意することは、販売店には難しい現実があります。
そこで販売店側も購入者も困ってしまうというのが、近年多いトラブルです。
納車遅れで代車を貸してくれない場合の対応
とにかく販売店と相談を
販売店から無料代車を借りれない場合、他の解決策を考えるしかないですね。
- 販売店から有料代車(レンタカー)を借りる
- 販売店に今乗っている車の車検をしてもらう
- 新車をキャンセルして、間に合う別の新車や中古車を買う
いずれにしても、販売店側から何らかの提案をしてくれると思いますので、とにかく相談して解決の道を探ってください。
個人的に、最も現実的だと思うのは、レンタカーを借りるか車検をすることだと思います。あとは金額交渉です。販売店側も、積極的に応じてくれるのではないでしょうか。
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まとめ
ディーラーに無料代車はありますが、その店舗の貸し出し状況などで、だいぶ待たされたり、車検のように一日で終わるような仕事には貸してくれない場合があります。
とにかく早めに相談することが重要です。
以上、ディーラーの代車費用は無料かどうかについてでした。