- タイヤを一本(二本・三本)だけ交換すると不具合があるのか
- パンクなどでタイヤを一本だけ交換すると値段はいくら位になるのか
パンクトラブルなど他にも様々な理由で、四本のタイヤを全てではなく、一本、または2本、三本だけ交換するシーンが出てきます。
この記事では、タイヤを一部だけ交換することについて様々な疑問を、一級整備士の管理人が回答します。
タイヤを一本だけ交換するシチュエーション
- パンク、バースト(破裂)
- 一本だけ摩耗・損傷・ひび割れ
このような場合、一本だけ交換するという選択肢が出てきます。
整備士はすべて交換するか、一本だけ交換するかについて、見積もりなどと併せてお客様に提案するのが通常です。実際に一本だけ交換するユーザーは結構います。
タイヤは四本すべて交換するのがベスト
- 安全性の利点
- コストや効率の利点
一本だけパンクした場合でも、タイヤを一本ではなく、四本全てを交換することには、2つの利点があります。
1.安全性の利点
四本のタイヤを同時に交換することにより、安定した制動力、安定した走行性能、そして良好な排水性能(雨天性能)、スタッドレスタイヤの場合は氷上性能を維持することができます。
車両の四つのタイヤが同じ状態であることが重要であり、これにより、運転中のトラブルリスクが低下します。
ドイツ自動車クラブ(ADAC)による調査では、四本のタイヤを同時に交換することにより、ブレーキ性能が向上し、アクセルを踏んだときの安定性が向上することも確認され、一部のタイヤだけを交換すると、既存のタイヤの深い溝と新しいタイヤの浅い溝との差が原因で安定性を失うと報告されています。
また、同じ調査では、スタッドレスタイヤの場合、前後のタイヤのタイヤパターンが異なる車両は、雪道で制御を失う可能性があることを証明しています。
タイヤを交換する際は、車両の四本のタイヤすべてを交換することが理想で、最善策です。
二本だけ交換するという選択肢も有効
自動車のタイヤは前輪と後輪で役割が違い、摩耗の進行度にも違いがあります。二本を新しいものに交換し、前輪、または後輪にセットで装着することで、一本だけの交換によるリスクを大きく低減することができます。
2.コストや効率の利点
一度に四本のタイヤを交換することは、時間とコストの両面で効率的です。
たとえば、一本だけ交換した場合、残りのタイヤがすでに摩耗している場合、数ヶ月後に再度交換する必要があり、結果としてより高いコスト(手間)がかかる可能性があります。
日本の自動車メーカーのトヨタも同様に、車両の安全性とコスト効率を考慮し、四本のタイヤを交換することを推奨しています。
タイヤを一本だけ交換しても大丈夫か
タイヤを一本だけ交換することは可能です。ただし、いくつかの注意点があります。
タイヤを一本だけ交換する場合、同じ種類・サイズのタイヤであれば、前述の通り走行性能は低下するものの、タイヤの性能の限界を使わない日常的な走行では、それほど大きな問題はありません。
しかし、異なる種類やサイズのタイヤを混在させると、
- 音や振動が大きくなる
- 制動距離が長くなる
- ハンドリング性能が低下する
- タイヤの摩耗が不均等になる
- 最悪の場合、車の足回りやトランスミッションなどに故障が発生する
などの問題が発生する可能性があります。
特に四輪駆動の車では要注意です。
タイヤを一本だけ交換する場合は、同じ種類・サイズのタイヤを選ぶことが重要です。また、できるだけ早めに残りのタイヤも交換することが望ましいです。タイヤは車の安全性に関して非常に重要な部品です。
タイヤを一本だけ交換するメリットとデメリット
- メリット :一時的なコストが安い
- デメリット:安全性、コスト効率が悪い
車のタイヤは、通常4本、または2本ずつ交換することが推奨されていますが、一本だけ交換することで、一時的にコストを抑えることができます。新しいタイヤを4本同時に交換することが財政的に困難な場合は有効です。
また、パンクなどによる交換では、他のタイヤが新品の状態に近く、新しく交換するまでもないことも経験上多くあり、その場合はわざわざ高いコストをかけて、すべてのタイヤを交換する必要はありません。
一方で、他のタイヤの状態も悪く、すぐに交換時期が来てしまうような場合には、すべてまたは2本を同時に新品に交換した方が、タイヤのセット価格や交換作業・購入の手間などを考えても、コスト的に有利になることが多いので、必ずしも一本だけ交換することが、コストを抑える方法ではありません。
タイヤを一本だけ交換する時の注意点
- 必ず同じサイズのタイヤを選ぶこと
- なるべく同じ銘柄(パターン)のタイヤを選ぶこと
- 他のタイヤの状態をよく確認すること
- 他のタイヤの状態が悪ければ、すべてまたは二本のタイヤも同時に交換する方が、トータルではコスト(手間)を抑えられること
自分で判断できない場合は、整備士やタイヤショップのスタッフのアドバイスを良く聞きましょう。
タイヤ1本だけ交換の値段
パンクなどで一本だけタイヤを交換する場合の値段は、車種、タイヤサイズ、タイヤメーカーや銘柄によって大きく変わります。また、工賃も変わります。
この表では、タイプの違う6つの車種について、ディーラーなどに交換を依頼した場合の参考価格を出しますので、車のサイズやタイプが似ている車種を参考にしてください。また、タイヤの銘柄は一般的な国産サマータイヤです。
参考車種 | タイヤ価格 | 工賃 | 合計 |
---|---|---|---|
ヤリス | 14,000円 | 3,000円 | 17,000円 |
プリウス | 17,000円 | 3,000円 | 20,000円 |
セレナ | 17,000円 | 3,000円 | 20,000円 |
ハリアー | 23,000円 | 5,000円 | 28,000円 |
アルファード | 23,000円 | 5,000円 | 28,000円 |
クラウン | 23,000円 | 5,000円 | 28,000円 |
この表の価格ははあくまでも目安にしてください。また、ネット通販を利用することで大幅に安く済ませることができます。詳しくはこちらの記事に書きました。
タイヤを一本だけ購入する方法
どこでも一本単位で購入できます。
Amazonや楽天などのECサイトや、ディーラーなどの整備工場、タイヤショップでも一本、二本ずつの購入が可能です。
ただし、4本セットで購入するよりも割高になる可能性があるので、比較検討することも必要です。
タイヤを購入・交換する7つの方法
- インターネット通販サイト
- ディーラー
- カー用品店
- タイヤ専門店
- ガソリンスタンド
- 民間整備工場
タイヤを購入・交換する方法は上記のようにたくさんあります。この中でもっとも安く、コストを抑えて交換する方法は「1.インターネット通販サイト」を利用する方法です。
しかし、インターネット通販サイトでタイヤを購入する場合には、いろいろと注意点があります。こちらの記事で詳しく書きました。
その他の疑問
整備工場で一本だけでも交換作業をしてくれるか
問題なく作業してくれます。
実際に、整備工場では時々そのような依頼があり、作業を実施しています。
一本だけでもホイールを一緒に買うことができるか
問題なく購入可能です。
Amazonや楽天などのECサイトや、ディーラーなどの整備工場、タイヤショップでもタイヤ一本、ホイール一本の購入が可能です。
一本だけでもタイヤのバランス(ホイールバランス)調整は必要か
調整必要です。
タイヤのバランス調整は、一本ずつ個別に行うため、一本だけタイヤを交換した場合でも調整を行うことが重要です。
タイヤのホイールバランス調整とは
タイヤのホイールバランス調整とは、タイヤとホイールの重量を均等に分散させる作業です。タイヤの回転時に発生する振動や不快な騒音、偏摩耗を軽減することが目的とされます。
一本だけタイヤのサイズが違うとどうなるか
- 操作性の低下
- 偏摩耗(寿命の低下)
- ブレーキの性能低下
- 燃費の悪化
- 車の故障
一般的な乗用車の場合、上記のような不具合があり、最悪の場合事故につながるため、サイズの違うタイヤを装着することは絶対に避けましょう。
一本だけでも新品のタイヤを選ぶべきか
新品のタイヤの性能が高いので新品タイヤを選ぶべきです。
一本だけであっても、すべてのタイヤであっても、新品タイヤの性能が優れることは間違いありません。なるべく新品のタイヤを装着しましょう。
他のタイヤと同じメーカー・銘柄のタイヤを選ぶべきか
同じメーカー・銘柄のタイヤを選んだほうが良いです。
メーカー・銘柄を揃えることで、そのタイヤの性能を最大限に引き出すことが可能です。
ただし、車の日常的な用途では、メーカー銘柄が違ったとしてもそれほど影響はないため、それほどこだわらなくとも良いといえます。実際には既に販売が終了している銘柄だったりすることがあり、メーカーや整備工場でも違ったメーカー・銘柄のタイヤを装着することも珍しくありません。
難しい場合は、前後の二本を揃える、メーカーは揃える、などの対策が有効です。
なお、スタッドレスタイヤの場合は、通常の夏タイヤよりも性能差や不具合が出やすいので注意が必要です。
タイヤ一本だけの値段は4本セットに比べて高いか
割高になります。
購入するサイトや整備工場、タイヤショップなどによって変わりますが、4本セットで購入することで1本あたりの価格が安くなることが多いです。ただし、まったく変わらないところもあるので、気になる場合は比較検討が必要です。
まとめ
タイヤを一本だけ購入、交換することは可能ですが、安全面やトータルコストでデメリットがあるため注意が必要です。
安全面のデメリットが気にならなければ、下記のことに注意して一本だけの交換をしましょう。
- 必ず同じサイズのタイヤを選ぶこと
- なるべく同じ銘柄(パターン)のタイヤを選ぶこと
- 他のタイヤの状態をよく確認すること
- 他のタイヤの状態が悪ければ、すべてまたは二本のタイヤも同時に交換する方が、トータルではコスト(手間)を抑えられること
必要であれば整備士やタイヤショップのスタッフにアドバイスをもらい、慎重に検討しましょう。
以上、タイヤを一本だけ買って交換することについての解説でした。
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