- 車検を忘れていた
- お金が無くてしていない
- 最近乗らないから切らしてた
このような理由で、車検を切らしてしまう場合もあると思います。
しかし、車検が切れているだけでは、大きな問題はなりません。
問題なのは、車検が切れている車を公道で運転する場合です。
この記事では、車検が切れた車を運転した場合に、どのようなリスクがあるのかについて、元ディーラーの一級整備士が解説します。
最大のリスク・人身事故時の賠償金の支払い

車検切れの車を運転して人身事故を起こした場合、高額な賠償金を支払うことになります
車検が切れている車は、大抵の場合、自賠責保険が切れています。
自賠責保険は、どの車も車検時に次回の車検まで加入しているはずですので、車検が切れていない車は全て自賠責保険に加入していることになるのですが、車検が切れている車の場合は、長くても車検期限後の一ヶ月程度で保険期間が終了します。
自賠責保険が切れている車を運転し、人身事故の加害者になった場合、被害者に対する賠償を全て自分でしなければならず、その賠償額は場合によっては数千万〜数億円になることがあります。
「自賠責保険切れ」が、車検切れの車を運転する最も深刻なリスクです。
自賠責保険とは、事故被害者救済を目的に、車の所有者に義務付けられた保険で、事故被害者に対して次の補償が適用されます。
- 傷害(治療費/休業補償/慰謝料):限度額120万
- 死亡時(逸失利益/治療費/慰謝料/葬儀費用):限度額3,000万円
- 後遺症障害時(逸失利益/治療費):限度額4,000万円
任意保険に入っていれば大丈夫?
自賠責保険切れの場合、任意保険が適用にならない可能性があるので、大丈夫ではありません。
任意保険は、自賠責保険に入っていることが前提となっている保険ですので、そもそも自賠責保険に入っていない車の場合は、任意保険の適用にならない可能性があります。
任意保険に加入している場合は、事故の状況、運転者の悪意、被害者救済など、様々な点から考慮され補償額が決定されますが、基本的には「任意保険に加入していても、自賠責保険に加入していなければ1円も出ない」と考えていたほうが良いと思います。
車検切れで公道を走行した場合の罰則・罰金

- 違反点126点
- 免許停止90日間
- 1年6カ月以下の懲役または80万円以下の罰金
車検切れ、なおかつ自賠責保険切れの車で公道を走行すると、このような罰則・罰金があります。
違反に前歴があれば、さらに罰則・罰金が重くなっていきます。
逮捕される可能性

悪質性・常態化・悪意(故意)・違反歴などの状況によっては、最悪の場合逮捕されます
一般的に善意であった(気づいていなかった)場合は、逮捕までは至らないようですが、罰則・罰金については逃れることはできません。
車検切れがバレる理由
- Nシステム(ナンバー読取装置)による取締り
- 事故・故障
- 交通違反
- 通報
車検切れはこのような理由で発覚します。
特に近年は、Nシステムによる検挙が増えているようです。
詳しくはこちらの記事で確認してください。
車検を受ける時の注意

走行しないこと
上述したとおり、車検が切れている車は1mであっても公道を走らせると違法になります。それなりのリスクも伴います。
車検を受ける場合には、決して走行して持っていくことをせず、始めから整備工場に相談し、仮ナンバーや積載車(キャリヤカー)による移動を依頼しなければなりません。
また、その分の料金が余計に掛かってしまう場合がありますので注意が必要です。
車検のトレンド
車検を安く便利に済ませ、ポイントを貯める方法として、下記のようなサービスが人気を集めています。
乗らないなら廃車するのがいい
車検が切れていても、廃車の手続きを取らなければ、毎年自動車税が徴収されます。
廃車の手続きをして、ナンバーを外せば自動車税を収める必要が無くなります。
また、現在は車の買取りが盛んで、新しい車はもちろん、だいぶ古い車でも買取、または廃車を無料で行ってくれる業者がたくさんあります。車検切れでも当然買取してくれます。
普段乗っていない車であれば買取や廃車を検討してみてはどうでしょうか。
まとめ
車検切れの車を公道で走行することは、とても大きなリスクがあります。
故意でなかったとしても、重い罰則や罰金があるので、切れていること気づいたら絶対に運転しないようにしましょう。
以上、車検切れの車を運転するとどうなるかについてでした。