スタッドレスタイヤは決して安くないので、様々な場面で中古のスタッドレスタイヤを検討する人も多いですね。
しかし、しっかりとした性能のある中古スタッドレスタイヤを、お得に購入することは非常に難しく、失敗する人も多いので注意が必要です。
この記事では、積雪地のディーラーで、長年スタッドレスタイヤを取り扱っていた整備士が、中古スタッドレスタイヤの特徴を良いも悪いも解説します。中古スタッドレスタイヤのことが全てわかります。
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
中古スタッドレスタイヤは買うべきか
- 良いものなら買うべき
- 実際には良いものを探すのがとても難しい
良い中古スタッドレスタイヤとは
- 自分の車にピッタリ合って、
- しっかりとしたスタッドレス性能があり、
- 長く使えそうで、
- 価格が安いタイヤです
こんな良い中古スタッドレスタイヤを探すことができれば、買うべきです。場合によっては新品タイヤの5分の1以下で購入できることもあります。
問題は、探せるかどうかと、良いものかどうかを判断できるかどうかで、ここが重要なポイントになります。
詳しくはこのまま読み進めてください。
中古スタッドレスタイヤのメリット
- 値段が極端に安い
- ホイール付きでさらにお得
値段が極端に安い
中古のスタッドレスタイヤの値段は、新品に比べてかなり格安です
店頭に並ぶ中古タイヤは、販売・買い取り業者がユーザーから買い取ったタイヤ、自動車販売店の車の買い取りや下取りによって出てくるタイヤ、出どころ不明なものも多くあります。
いずれにしても、手放す方からすれば全く必要なくなったタイヤであるため、その取引はタダ同然のものも多く、販売する方からすると原価がかなり安いので、安く販売することができます。
また、スタッドレスタイヤは3~5年程度で新品に交換するユーザーが多いため、1年売れ残ると大幅に価値が下がるので、安くしても早く売りたいという力が働きます。
以下、ブリジストンの17インチのスタッドレスタイヤの一例です。
- 店頭相場:4本で14万円程度
- 中古 :4本で3万5千円程度
こんなに安いこともめずらしくありません。
ホイール付きでさらにお得

中古のタイヤはホイール付きで売られていることが多いです。
理由はホイールごと要らなくなって手放す人が多いからです。
車のホイールは、単体で買うと結構値段が高いので、ホイールとタイヤの両方が欲しい人はかなり安く購入することができます。
また、ホイールセットで購入することで、タイヤの組み付けに関わる手間やコストが発生しないので、中古スタッドレスタイヤのメリットを最大に生かせるのは、ホイール付きで購入した場合です。
中古スタッドレスタイヤのデメリット
- 性能・質に不安
- 市場が小さくあまり売っていない
性能、質に不安

中古スタッドレスタイヤの性能は新品に比べて劣ることは言うまでもありません。
その中でも、新品に限りなく近いものや、もう寿命が近づいているようなタイヤも売られています。また、スタッドレスタイヤの性能は普通タイヤ(サマータイヤ)に比べて、性能の要素が多く、溝の深さや年式だけで判断しにくい部分があります。
中古スタッドレスタイヤを購入する場合には、そのタイヤの価値を判断することが最も重要です。どんなに安くとも、ピッタリ合うとしても、スタッドレスタイヤとしての性能が低ければ意味が無いからです。
雪道での安全のためにスタッドレスを買うわけで、安全じゃないタイヤは、誰もが必要無いはずです。本末転倒です。
そして中古スタッドレスタイヤの性能的な価値は、一般の人が判断するのは少し難しいです。私達プロの整備士でも写真や説明だけでは、判断できないかもしれません。そうなると、お店の人の説明などで判断することになりますね。そこに失敗のリスクが生まれます。
一方で、「1シーズン履ければいい」「代替えが近い」等の場合は、ある程度リスクを許容できるかもしれません。いずれも、良いタイヤを選んだほうが良いことには変わりありません。
スタッドレスタイヤの寿命や性能について詳しく知りたい場合はこちらの記事に書いています。中古タイヤを購入する場合は一度目を通すことをおすすめします。
>>>スタッドレスタイヤの寿命・交換時期は○シーズンの使用が目安
価格は本当に適正?
中古スタッドレスタイヤの価格が適正なのかどうかの判断は非常に難しいです。
一つの指標として、購入しようとしている新品タイヤの価格を把握しておくことは重要です。
スタッドレスタイヤはメーカーや銘柄(ブランド)によって、性能や新品時の価格が違うので、同じサイズでも、元々高いタイヤと、安いタイヤがあります。「安いと思って買ったら、元々新品でも安いタイヤだった」とならないために必要です。
市場が小さくあまり売っていない
中古のスタッドレスタイヤ市場はそれほど大きくないので、どこで販売しているのか、そこに自分の車に合うサイズのタイヤがあるのかを探すのが難しいです。ネット上では自分の車に合うタイヤがどこにも売ってないこともあるかもしれません。
まずは楽天やAmazonの中古スタッドレスタイヤを検索してみると良いですね。その他販売店についてはページ下部でいくつか紹介します。
中古スタッドレスタイヤの価格相場
ネット検索で確認できた中古スタッドレスタイヤで、最低限の性能をクリアしてそうなものの価格相場
サイズ | 料金目安(4本セット) |
12インチ13インチ | 5,000円~ |
14インチ | 8,000円~ |
15インチ | 10,000円~ |
16インチ | 15,000円~ |
17インチ18インチ | 20,000円~ |
ネット購入の場合は、送料が別途必要になることが多いです。
ホイールセットの場合は価格が上がりますが、12.13.14.15インチの小さなホイールは、ホイールが付いても、付かなくても料金がそれほど変わらないです。また、ホイール付きの中古スタッドレスタイヤのほうが数多く市場に出回っています。
当然、明らかに質の高そうなものは値段がかなり上がります。かなりお得なものと、そうでないものがあり、また、何度も言いますが、お得かどうかの判断も難しいです。
中古スタッドレスタイヤの価格は、有って、無いようなものなので、参考程度にしてください。
中古スタッドレスタイヤの購入方法
中古スタッドレスタイヤが購入できるサイトや店舗を紹介します。
Amazonカータイヤ・ホイール専用ページアマゾンでは比較的多くの中古タイヤを扱っています。
【楽天市場】車 タイヤ・ホイールページ楽天市場も中古タイヤは豊富です。
アップガレージは国内に200店舗以上を構える自動車アフターパーツ専門店です。中古部品は店舗にある他、ネットでも購入が可能です。
太平タイヤは中古タイヤのネット販売店です。
取付方法や送料に注意
特にネットでタイヤを購入する場合は、取付方法を考えてから購入することが大事です。せっかく安く購入したタイヤも、取り付けに多くのお金がかかってしまうと、せっかくの苦労がむくわれません。コツや注意点はこちらの記事で説明しています。
>>>タイヤのネット購入で失敗しないコツと方法【プロの整備士が伝授します】
新品タイヤを格安で購入する方法
近年のネット販売で、新品のスタッドレスタイヤが結構安く買えます
もし、新品のスタッドレスタイヤが格安で買えるのであれば、それに越したことは無いのではないでしょうか。
但し、ネット販売には落とし穴が多く、失敗する人も多いです。あらためて、新品のスタッドレスタイヤを検討するのであれば、こちらの記事からご確認ください。
>>>タイヤのネット購入で失敗しないコツと方法【プロの整備士が伝授します】
まとめ
中古スタッドレスタイヤは、価格が圧倒的に安く、良いものが見つかればとてもお得です。但し、実際には探すのが難しいことと、一定の失敗するリスクが伴います。
例えば性能の低い中古タイヤを使用して、一度事故を起こしてしまえば様々な損害が出てしまい、タイヤの値段どころでは無くなることが多いです。また、中古のスタッドレスタイヤを購入する人は世の中にそう多くはありません。
一方で、一定の性能が保たれる新品スタッドレスタイヤの装着はリスクが少なく、安全性が保たれます。そのため、新品タイヤを購入する人が圧倒的に多い現状があります。
ここまで読んで不安に感じた人は、最初から中古の選択肢を捨てても良いかもしれません。もし、私の友人だったならば、なかなか勧めづらいのは確かです。そんな場合は、新品を安く購入することを検討してみてはどうでしょうか。
以上、中古スタッドレスタイヤのメリット・デメリット解説でした。