自動車整備士の仕事をしている人なら、必ず配線やコネクタの修理をする機会が出てきます。
しかし、ちゃんとした修理方法を聞く機会もなく、教えてくれる先輩もいないことが多いのではないでしょうか。
この記事では自動車用配線、ハーネス、コネクタの正しい修理方法を一級整備士が紹介します。この機会に、しっかりと修理方法をマスターしましょう。
自動車用配線のハーネスやコネクタの正しい修理方法
※この記事はハーネス・コネクタの修理方法のページです。単純に「切れた配線の修理方法」についてはこちらをご覧ください。
>>>切れた配線のつなぎ方/自動車整備士の修理方法を動画説明
コネクタから端子を引き抜く

↑修理したいハーネスです。
黄/赤の配線が根本から切れかかっています。

↓↓コネクタの端子ロック(白い部分)を細いドライバーで持ち上げて外します。

このロックを外さないと絶対に端子が抜けません。
コネクタの種類には、ロックが無い物もありますが、最近の自動車用コネクタにはほとんど付いています。コネクタを良く見て判断してください。
次に端子を引き抜いていきます

↑写真のように細いドライバー(100円の精密ドライバーで可)でコネクタの中にあるツメを起こします(左手)
同時に配線(端子)を引っ張り、引き抜きます(右手)
この作業にはかなり慣れが必要です。慣れないとなかなか難しいかもしれませんが、いろんなコネクタから配線を引き抜くことで、だんだんとうまくなっていくはずです。

↑端子が抜けました
配線の端子を修理する

↑切れそうになっていた引き抜いた配線を、端子ごとニッパでカットしちゃいます。

↑次に、ワイヤーストリッパーで被覆を剥いて、導線をむき出しにします。
このワイヤーストリッパー は、オート式で非常に便利です。絶対あったほうが良いです。
中の導線を傷めずに被覆だけをきれいに剥くことができます。また、中の導線や配線の太さに関係なく使用する事ができます。
アストロプロダクツ製の大人気ワイヤー式オートストリッパー。絶対買いです。自信を持っておすすめできます。

↑そして 新品のメス端子を準備します。
こういった自動車専用のコネクタや端子などは、楽天の配線コム 楽天市場店さんで購入できます。
この配線コムさんについては私がよく利用している通販サイトで、かなりおすすめです。プロの整備士の人なら、一度のぞいて見てください。この配線コムさんについては、この記事の最後に紹介します。
※この端子は、メーカーやサイズの種類がかなり多いので、購入する場合は十分確認してください。
ちなみにこれは、矢崎コネクタの090シリーズで、自動車業界では最も使われている端子の一つです。他には住電装製などがあります。

↑電工ペンチで端子を配線にかしめます。
(切ってる訳ではありません)
少し見にくいですが、私が写真で使っている電工ペンチは、実は普通の安いものではありません。
ホームセンターなどで販売されている電工ペンチでは、自動車用端子はきれいにかしめることができません。しっかり圧着できなかったり、形がおかしくなったりします。
自動車用の端子をきれいにかしめたいときは、これがオススメです。
この商品は、私のまわりのたくさんの自動車整備士に、おすすすめして買ってもらいました。ほんとに使えます。

↑これで完成。もともとの新品同様にきれいに修理できます。
あとは、さっきのコネクタにこの端子を挿入し、白いロックをつければ完成です。
自動車専用コネクタ、端子の通販サイト「配線コム」
「自動車で使われているハーネスや端子、コネクタはどこで買うの?」
これ、聞かれることがほんとに多いです。わたしはずっと前から配線コム 楽天市場店さんで購入しています。
通販ながら、「いつもありがとうございます」などと、納品書に手書きのメッセージなどがあったり、良心的で対応が良いことが伺えます。ぜひ一度このサイトをのぞいて見てください。
せっかくなので、このサイトで販売している、おすすめの商品を紹介します。
防水2極コネクタ

●矢崎総業製090シリーズ2極非防水Fコネクタのみ(端子別/2P090-YZ-1028-F-tr
2極のコネクタが腐ってしまった場合など、コネクタごと交換する場合に最適です。もちろん4極6極8極12極など、なんでも揃います。
防水なのでエンジンルームなどにも使用できます。端子も付いてきますので、驚く程きれいに確実に修理できます。しかも安い。板金工場や整備工場で、在庫していて損はありません。
端子
オスもメスも多数手に入ります。

090型TS【防水】メス端子/F090WP-TS

090型91【防水】シリーズオス端子/M090WP-91RS
1個から購入できますが、非常に安いので私はいつも送料が無料になるまで買っています。
またこの矢崎コネクタの端子は、たくさんの自動車メーカーの自動車用ハーネスに数多く使用されており、品質は純正品同等です。
先ほど紹介した圧着ペンチは、この端子をかしめるために使用します。
この端子やコネクタについては、端子メーカー(矢崎、住友など)で形状が違います。また、「025型」「090型」「防水」「非防水」など大きさ等についても種類がとても多く、適当に購入しても、「合わなかった」となります。購入する前によく確かめて購入してください。
コルゲートチューブや自動車用電線

配線コルゲートチューブ<内径15mm>(長さ1m)/TU-15

AVSSC0.3F 住友電装 緑/AVSSC03f-GRE
配線コム 楽天市場店をぜひ一度覗いてみてください。整備士の方であれば、きっと欲しいものがみつかります。
以上、自動車用ハーネス(配線・コネクタ)の修理方法でした。
この記事に書いた修理内容は、ほんの一例であり、自動車メーカーや装置によって、修理方法がかなり異なります。ワイヤーtoワイヤーの場合は、コネクタごと自作する場合もあります。簡単な説明であれば、トヨタの整備マニュアルにも掲載があります。