整備技術

O2・A/F(空燃比)センサー【B1S1/B1S2/B2S1/B2S2】はどこにある?

b1s1
  • P0031 O2(A/F)センサヒータ性能低下B1S1
  • P2256 A/Fセンサ B2S1 電圧(High)

自動車の整備で、スキャンツールにこのような内容のDTC(故障コード)が出力される事がよくありますね。

この記事は、O2センサーやA/Fセンサーの不具合でよく登場する「B1S1/B1S2/B2S1/B2S2」が、それぞれ「どこ・どれ」を指しているのかがわからない整備士さんのために、元ディーラーの一級整備士が解説します。

この機会にしっかり覚えましょう。

B1S1の意味

o2_sensor

O2センサーやA/F(空燃比)センサーは、1つの触媒に対して、前後に2つ付きます。(フロントO2・リヤO2とも言う)

最近の車は1つのエキゾースト・マニホールドに対して、1つの触媒が付くことが多いので、マニホールド数✕2のO2センサーが装着されています。

つまり、V型エンジンのように、エキゾースト・マニホールドが多いエンジンはO2センサーの個数が多いです。

O2センサーの数

  • 直列エンジン = 2個、又は4個
  • V型、水平対向エンジン = 4個

このように、同じようなセンサーが4個も装着されている車両があるので、明確に分けるために、それぞれに名前を付けています。

  • B1S1
  • B1S2
  • B2S1
  • B2S2

これを覚えるためには、少し意味を知る必要があります。

  • B1S1=バンク1のセンサー1
  • B2S1=バンク2のセンサー1
  • B1S2=バンク1のセンサー2
  • B2S2=バンク2のセンサー2

B1/B2(バンク1・2)とは

  • B1=1番シリンダが繋がっている方
  • B2=1番シリンダが繋がっていない方

これでは「難しい」「わからない」という人もいると思います。また、結局エンジンによって違うことになるので、国産メーカーの一般的なエンジンについて、具体的に説明します。

補足

全てのエンジンにおいてB1/B2を理解するためには、この知識が大前提です。

V4/V6/水平対向エンジンのB1/B2

V型エンジン

国産車のV6エンジンや水平対向エンジンにおいて、B1/B2とは次の通りです。

  • B1(バンク1)
    =運転席側に倒れているバンクの方
    =右バンクの方
    =エンジンをフロント側※から見て左側のバンクの方
  • B2(バンク2)
    =助手席側に倒れているバンクの方
    =左バンクの方
    =エンジンをフロント側※から見て右側のバンクの方
    ※エンジンのフロント側とは、クランクプーリやベルト側
B1B2

運転席側・助手席側、右バンク・左バンクで覚えると、アルファードやエスティマのように、エンジンが横に置かれると混乱するので、次の覚え方をおすすめします。

エンジンを前から見て左側がB1(バンク1)

これなら間違えません。

補足

アルファードなど、V型エンジンを横においている車両の場合、バルクヘッド/室内側がB1で、フロントバンパー/ラジエータ側がB2です。

V8エンジンは違う!?

V8エンジンについては、メーカーによって1番シリンダの場所が異なる(B1/B2が異なる)ので、必ずメーカー発行のマニュアルを確認してください。

直列エンジンのB1/B2

直列エンジン

基本的に、直列エンジンの場合はB1/B2は無視(B2は検出しない・存在しない)

直列エンジンで「B1S1」とスキャンツールに出力したとしても、B1の部分は気にしないで、後述するS1/S2で判断してください。

近年の国産直列エンジンは、4気筒か3気筒がほとんどです。

その場合は、エキゾースト・マニホールドも触媒も1個しかないので、O2センサーも触媒前後に2個です。

つまり、フロントO2センサーとリヤO2センサーが識別できればいいので、後述するS1/S2 を理解すれば大概の直列エンジンで通用します。

しかし、直列6気筒エンジンなど、エキゾースト・マニホールドや触媒が2個装着されていて、O2センサーが4つ装着されているエンジンについては、次のとおり判断してください。

  • B1(バンク1)
    =1番シリンダが繋がっている方
  • B2(バンク2)
    =1番シリンダが繋がっていない方
補足:直列エンジンの1番シリンダ

エンジンをフロント側から1番、2番、3番シリンダーと数えます。フロント側とは、ベルトやチェーンが付いている側です。

エキゾースト・マニホールドが2分割されて付いている直列エンジンを想像できない人は、とりあえず今は必要ない知識かもしれません。

S1/S2

  • S1(センサー1)
    =前から1番目
    =触媒の前側に付く02センサー
    =フロントO2センサー
  • S2(センサー2)
    =前から2番目
    =触媒の後側に付く02センサー
    =リヤO2センサー
S1S2

まとめ

V4/V6/水平対向エンジンの場合

  • B1S1=
    エンジンを前から見て、左側のフロントO2センサー
  • B2S1=
    エンジンを前から見て、右側のフロントO2センサー
  • B1S2=
    エンジンを前から見て、左側のリヤO2センサー
  • B2S2=
    エンジンを前から見て、右側のリヤO2センサー

V8エンジンの場合

整備することがあれば、必ず整備マニュアルを確認。(メーカーで違う)

直列エンジンの場合

  • B1S1=
    フロントO2センサー
  • B1S2=
    リヤO2センサー
  • B2S1/B2S2=
    ほとんど存在しない(出力したらマニュアルで確認)

以上、O2・A/F(空燃比)センサー【B1S1/B1S2/B2S1/B2S2】はどこにあるのかについてでした。

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