この記事は、動画でもご紹介させていただいた、ダイハツのKF-VEエンジン分解に必要な工具を紹介します。紹介するのは、一般的な工具ではなく特別に必要な工具(特殊工具・SST)です。
動画を公開したあとに、「どんな工具が必要ですか?」や「あの工具はどこで売っていますか?」などの問い合わせが多いので、今回の記事にしました。ぜひ参考にしてください。
エンジン分解動画はこちら
タイミングチェーン交換作業で必要な工具
必ず必要な工具が2つ
1.オイルパンカッター(オイルシールカッター)

この工具はフロントカバー(チェーンカバー)やオイルパンを外すのに必要です。
液体ガスケットを使っているカバー類は、これが無いと外すことは難しいので必ず準備しましょう。
また、液体ガスケットは、現在たくさんのエンジンに使用されているので、工場に2つくらいは常備していても良いと思います。もちろん他のエンジンでも使用できます。
しかし、この工具はなかなか売っていません。もちろん、ホームセンターなどに売っている品物ではないので、あらかじめ準備が必要です。それでは、インターネットで販売しているところを紹介します。
これが純正扱いの工具です(KTC)。ちゃんとしたものを使いたい人はこちらですね。(KTCなのでどこもほぼ同じ値段)
そしてこれが安いもの。なんでもいいならこれがいいと思います。実際に私が動画で使用しているのはこれです。正直使いにくく、上のKTCの方が2倍くらい使い易いです。
2.液体ガスケット(パッキン)2種類

これは工具ではないのですが、必ず使うので書いておきます。
- 一つは「スリーボンド1280E」
- 一つは「スリーボンド1282B」
上記2つの部品は純正扱いなので、ダイハツの純正品番で購入するしかないようです。ダイハツの販売店に問い合わせてください。
また、市販品であるスリーボンド「TB1215」と「TB1207B」で代用できます。
但し、液体ガスケットは、使用する個所に合わせて最適なものを選ばなければなりません。
耐油性、耐熱性など様々な性能がありますので、あまりこだわりが無く、無難なものを選びたい人は、純正品の二つを準備したほうがよさそうです。
ちなみに、1280Eはオイル漏れ防止の個所に塗り、1282Bは水周り(ウォーターポンプ周り)に塗ります。1280Eは1本の半分ほど使用しますが、1282Bは少ししか使用しません。
あったら便利な工具が2つ
1.エンジンスタンド
これは言うまでも無く、あれば便利な工具です。
動画を見ていただけるとわかるのですが、このエンジンはオイルパンを外さなければ、フロントカバーが外れません。エンジンを立てた状態でオイルパンを外すのがとても大変です。
ボルトを外せばパンが外れる昔のエンジンと違って、液体ガスケットを「はがす」作業があります。さらに、組みつけの時には「きれいにする」「塗る」の作業があるため、エンジンを簡単にひっくり返すことができる、スタンドはとても便利です
動画で私が使っているのは、こちらアストロプロダクツの激安エンジンスタンド。
最近なんでもアストロ製品を使用するようになってきました。品質は値段相応です。
正直けっこう文句あります。でもコスパが良すぎる。使ってみるとよくわかります。
いろんな意味で値段相応ですね。
ネットで検索してみると、アストロよりさらに安い、6000円程度の爆安エンジンスタンドがあるようです。使ったこと無いので、レポートできませんが、アストロの半額以下なんてなんか恐ろしいです・・・。
2.エアーラチェット
みなさんご存知のとおり、ボルトやナットを高速で取り外すことができるエアツールです。
エンジン分解で外すボルトやナットとても多いものです。このエンジンの場合、10mmのボルトを30本以上取り外すと思います。(オイルパン・フロントカバーにとても多い)
さらに、これらのボルトは液体ガスケットが付着しているため、「けっこうしつこい」ので、私にとっては必需品です。エンジンの整備に、エアーラチェットを一度使うとやめられないですね。
さてこのエアーラチェットですが、非常に安いものが出回っています。
わたしも安いものを使っていましたが、はっきり言ってすぐ壊れます。なので、あまり極端に安いものはおすすめしません。
ということで、KTCのこのエアラチェ、かなりおすすめです。なにがいいかっていうと、単純に「壊れない」からです
ヘッドガスケット交換作業で必要な工具
シリンダーヘッドを外す作業になると、上記「タイミングチェーン交換作業に必要な工具」の他に、一つだけどうしても必要な工具があります。
ダブルヘキサゴンレンチ

これはまさにヘッドボルトを取り外す時に使用するSSTです。これがないと、ヘッドを外すことができません。もちろん組むこともできません。
このレンチは近年トヨタやダイハツが使用しているもので、サイズ違いで2種類あります。おそらくKTCでのみ製造されています。
- ダイハツの軽エンジン→HBD35-8
- トヨタのエンジン→HBD35-10
※間違えないでください。定価は2,560円です。
動画に写っているその他の工具
それでは最後に、動画に写っているその他の工具を紹介します。
ピストンリングコンプレッサー
激安ですが普通に使えました。
バルブスプリングコンプレッサー
これも悪く無かったです。使い慣れれば、作業が早くできそうです。
「ってか、ほとんどアストロプロダクツなのね・・・」と、思った方もいると思いますが、そのとおりです。なんか恥ずかしいですが、嘘はつけません。
以上、ダイハツのKF-VEエンジン整備に使う工具でした。参考になれば幸いです。
