自動車整備士の一日の仕事の流れが知りたい
この記事は、実際に私が10年間ディーラーで過ごした経験と、周りの自動車整備士仲間からの情報を元に、ディーラー整備士の一日の流れを書きました。自動車整備士がどんな1日を過ごしているのかがわかります。
これから自動車整備士の仕事に就く人や、目指す人は一つの例として、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
ディーラー整備士1日の流れ(実体験)
時間 | 仕事内容 |
---|---|
9時~ | 出勤/仕事の準備/ミーティング |
9~10時 | 整備受付/車の引取 |
10~12時 | 午前中の作業 |
12~13時 | 休憩 |
13~17時 | 午後の作業 |
17~18時 | 車の引き渡し、納車 |
18時~ | 営業時間終了/残業/帰宅 |
9時~:出勤/仕事の準備/ミーティング
出勤/仕事の準備
出勤したらまず、工場内の清掃を始めます。それぞれ担当場所が決められていて、担当場所は一ヶ月ごとにローテーションで変わります。
ほぼ毎日やっていたのは、整備工場の床を洗浄することで、専用の洗剤を床にまき、デッキブラシで泡を立てて汚れをこすり落とし、最後に水をまいて流します。
さらには、トイレ掃除や手を洗う流し台の掃除、各工具のメンテナンスなどを行います。
ラジオ体操
わたしがいたディーラーでは、掃除などの準備が終わるとラジオ体操をしていました。どこからか音楽が流れて来るんですね。最近では、いろんな企業でもラジオ体操している様子を見かけることが少なくなりました。
ミーティング
ラジオ体操が終わると、全体ミーティング(朝礼)です。全体と言うのは、営業マンと整備士を含めた、店舗全員のミーティングです。
営業マンが前日の成果を発表したり、目標の確認などが行われ、時には本社から偉い人が来て、叱咤激励があります。
全体の朝礼が終わると、今度は部門ごとのミーティングを行います。整備士はサービス部門のミーティングですね。
サービスのミーティングでは、サービスマネージャー(工場長)が中心となり、売り上げ状況や目標の確認、その日の仕事の段取りを確認します。
このときに、その日に自分がする仕事を確認しますが、前日に次の日の仕事がだいたいわかっているので、再確認する程度です。
※ディーラーでは、整備部門を「サービス」と言い、営業部門を「セールス」または「営業」と呼んでいます。
出勤時の服装
制服(つなぎ服)で通勤していいディーラーと、制服での通勤が許されないディーラーあります。マイカーでの通勤が当たり前の地方部では、制服のままの通勤が許されることが多いですが、都会などの電車通勤者が多いところでは、制服での通勤は許されず、スーツなどで出勤し、会社のロッカールームで着替えるところが多いようです。
9~10時:整備受付/車の引き取り
ひととおりミーティングが終わると、整備予約のお客様の受付や、車の引き取りが始まります。
整備予約のお客様の受付は「サービス・フロント係」が中心に行いますが、ディーラーによっては整備士が行うところも少なくありません。
「車の引き取り」とは、自宅や職場に車を取りに来て欲しい人がいる場合に取りに行くサービスです。それぞれ引き取り場所を確認しながら、複数人、または積載車(カーキャリヤ)で引き取りに行きます。
近年はどのディーラーでも、お客様に来店してもらうように活動しているので、引き取りに行く件数は減ってきています。
受付や引取が終わると、それぞれの午前中の仕事に着手します。前日からすでに入庫しているクルマもあるので、お客様が来店するのをただ待つようなことほとんどありません。
10~12時:午前の作業
それぞれ整備士一人ひとりに割り振られた仕事をこなしていく
整備士の仕事は大きく数種類に分けることができ、車検整備、点検整備、一般修理、新車・中古車整備、保証整備などがあります。
整備士の能力等によって、担当する仕事が決められますが、新人の整備士はしばらくの間は車検整備や点検整備がメインになります。
私は、新人時代の4年間をほとんど車検・点検作業で過ごしました。結構しんどい時期です。
12~13時:昼休み
基本的には、決められた時間でお昼の休憩に入ることができます。
ただし、来店したお客さまが店内で待っている場合などは、その仕事が終わらなければ当然休憩に入ることはできません。
また、お昼の時間にオイル交換などのお客様が来店する場合もあるので、私がいたディーラーでは、基本的に外食を控えなければなりませんでした。このあたりは各ディーラーによって違いがあるかもしれません。
それぞれ、お弁当などを事務所(お客様の見えない場所)で食べます。TVが置いてある和室などがある場合もありますね。
ディーラー整備士には昼休みが無い!?
「ディーラーでは昼休みがほとんどなく、状況によっては昼ごはんも食べずに15時頃に食べることもある」というディーラー整備士さんの書き込みをSNSで見ました。
他にも「ディーラーでは昼休みがあまり取れない」と思っている人もいるようですが、決してそれが全てではありません。可能性が無いとは言えませんが、私は一度も経験がありません。あるとすれば、ひどい会社と言わざるを得ません。
13~17時:午後の作業
昼休みがおわれば、またそれぞれ自分の仕事をこなしていきます。
整備士の休憩
整備士の仕事は、わりと自由に休憩を取ることができる仕事です。
整備士はそれぞれ違う仕事をしているので、それぞれがキリの良いところで自由に休憩を取る事が多いです。みんなで一斉に休憩を取ることは少ないです。
但し、自分の仕事をそれぞれがコントロールしなければなりません。
例えば、「必ず5時までお客様の職場に届けなければならない」など、完成時間が決まっていることが多いので、仕事の進み具合が遅ければ、休憩を取れないことも出てきます。
「ゆっくりやっていたら、終わらなかった」というのは、通用しません。
整備士の仕事は、一人一人に対して与えられるので、自分の仕事が予定通り進んでいなければ、「ゆっくり休んでいられない」気持ちになってくるものです。時には、自主的に昼休みを削って作業する場合などもありました。
労働環境として本来良くないことなので、最近はどんな状況でもしっかり休憩できるような環境になっているでしょうか。
17~18時:車の引き渡し/納車
完成した車を、お客様に引き渡す時間です。また、納車の依頼がある場合は、車をお客様のもとに届けに行きます。特に指定がない場合、引き渡しや納車の時間は、このあたりの時間になりますね。
ちょうど小腹がすく時間で、帰りにコンビニなどでちょっとだけお腹を満たしたりする整備士も多いです。
18時:営業時間終了/残業/帰宅
残業
何もなければ帰宅する事ができますが、自分以外の人が仕事を抱えている場合もあるので、早く終わるように手伝うことも多いです。残業があればここからさらに与えられた仕事をこなしていきます。
また、整備士が車検や点検の誘致活動を行うディーラーでは、この時間帯からお客様に対して、車検や点検などの誘致の電話をする場合があります。
帰宅
帰宅時は、次の日の全体の仕事や、自分の仕事を簡単に確認し帰宅します。
はじめのうちは特に疲れて、遊びに行く体力が無いかもしれないです。
まとめ
時間 | 仕事内容 |
---|---|
9時~ | 出勤/仕事の準備/ミーティング |
9~10時 | 整備受付/車の引取 |
10~12時 | 午前中の作業 |
12~13時 | 休憩 |
13~17時 | 午後の作業 |
17~18時 | 車の引き渡し、納車 |
18時~ | 営業時間終了/帰宅 |
以上、ディーラー整備士の一日の流れでした。一つの例として参考としてください。