この記事は、これからディーラーの自動車整備士になろうとする人に向けて、整備士がどんな1日を過ごしているのかご紹介します。
実際に私が10年間ディーラーで過ごした経験と、周りのディーラー整備士仲間からの情報を元に書きました。
ディーラー以外の整備工場でも、同じような流れで仕事をしている工場が少なくないので、参考にしてください。
出勤
出勤したらまず、工場内の清掃を始めます。それぞれ担当場所が決められており、担当場所は一月ごとにローテーションで変わります。
ほぼ毎日やっていたのは、整備工場の床を洗浄することで、専用の洗剤を床にまき、デッキブラシで泡を立てて汚れをこすり落とし、最後に水をまいて流します。
さらには、トイレ掃除や手を洗う流し台の掃除、各工具のメンテナンスなどを行います。
作業着(つなぎ服)で通勤していいディーラーと、会社で着替えなければならないディーラーがあります。
自動車での通勤が当たり前の地方ではつなぎのままの通勤が許されますが、そうでないディーラーは会社のロッカールームで着替えることになります。
9時を過ぎるとラジオ体操の時間です。
最近では、いろんな工場でもラジオ体操している様子を見かけることが少なくなりましたね。ラジオ体操が終わると、全体朝礼です。
全体朝礼と言うのは、営業マンと整備士を含めた、店舗全員のミーティングです。
全体朝礼では、営業マンが前日の成果を発表したり、目標の確認などが行われ、時には本社から偉い人が来て、叱咤激励があります。
全体の朝礼が終わると、今度は部門ごとのミーティングを行います。
ディーラーでは、整備部門を「サービス」と言い、営業部門を「セールス」または「営業」と呼んでいます。
つまり、全体のミーティングが終わると、整備士たちはサービスのミーティングを実施します。
サービスのミーティングでは、サービスマネージャー(かつての工場長)が中心となり、売り上げ状況や目標の確認、その日の仕事の段取りを確認します。
このときに、その日に自分がする仕事を確認しますが、前日に次の日の仕事がだいたいわかっているので、再確認する程度です。
仕事初め、車の引き取り
ひととおりミーティングが終わると、お客様の車を引き取りに行きます。
お客様によっては、自宅に来て欲しい人や、職場に来て欲しい人もいます。それぞれ引き取り場所を確認しながら、一斉に外に飛び出します。
近年はどのディーラーでも、お客様に来店してもらうように活動しているので、引き取りに行く件数は減って、一台も引き取りに行かない日もあると思います。
その場合は、それぞれの仕事に着手し始めます。(もちろんすでに入庫しているクルマがあるので、お客様が来店するのをただ待つケースはありません)
午前中の作業
お客様のクルマの引き取りも終わり、それぞれが本格的に自分の仕事をこなしていきます。
整備士の仕事は大きく数種類に分けることができ、車検整備、点検整備、一般修理、新車・中古車整備、保証整備などがあります。
整備士の能力等によって、担当する仕事が決められますが、新人の整備士はしばらくの間は車検整備や点検整備がメインになるでしょう。
この辺りの仕事の内容は、またあらためて別記事でご紹介します。
昼休み
それぞれお弁当などを事務所(お客様の見えない場所)で食べます。
但し、来店したお客さまが店内で待っている場合などは、その仕事が終わらなければ当然休憩に入ることはできません。
また、お昼の時間にオイル交換などのお客様が来店する場合もありますので、基本的に外食は控えなければなりません。
13時までの休憩ですが、人によっては、しっかり休む人もいれば、13時を待たずに仕事を始める人もいます。
基本的に、整備士の仕事は一人に対して与えられるので、自分の仕事が予定通り進んでいなければ、「ゆっくり休んでいられない」気持ちになってくるものです。
ちなみに私はしっかり休む派でした。
「ディーラーでは昼休みがほとんどなく、状況によっては昼ごはんも食べずに15時頃に食べることもある」というディーラー整備士さんの書き込みをSNSで見ました。
他にも「ディーラーでは昼休みがあまり取れない」と思っている人もいるようですが、決してそんなことはありません。
確かに可能性はないとは言えませんが、私は一度も経験がありません。あるとすれば、ひどい会社と言わざるを得ません。
午後の作業
昼休みがおわれば、またそれぞれ自分の仕事をこなしていきます。途中休憩などはそれぞれが自由に取ることができます。
やっている仕事がみんな違うので、休憩に入れるタイミングが違うのも当然で、整備士の仕事は、わりと自由に休憩を取ることができる仕事です。
但し、必ず5時までクルマをお客様の職場に届けなければならない等の、事情がある場合も多いので、自分の仕事をそれぞれがコントロールしなければなりません。
「ゆっくりやっていたら、終わらなかった」なんて、当然通用しませんね。
納車
整備が完成した車をお客様のもとに届けに行きます。
納車の時間は、特に指定がない場合このあたりの時間になります。
ちょうど小腹がすく時間で、帰りにコンビニなどでちょっとだけお腹を満たしたりする整備士も多いです。
営業時間修了
残業があればここからさらに与えられた仕事をこなしていきます。
何もなければ帰宅する事ができますが、自分以外の人が仕事を抱えている場合もあるので、早く終わるように手伝うことも多いです。
また、整備士が車検や点検の誘致活動を行うディーラーでは、この時間帯からお客様に誘致の電話をする場合があります。
帰宅
帰宅時は、次の日の全体の仕事や、自分の仕事を簡単に確認し帰宅します。
はじめのうちは特に疲れて、遊びに行く体力が無いかもしれないです。
以上ディーラー整備士の一日の流れでした。参考にしてください。
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