KINTOの月額料金が高すぎるといたるところで口コミを見つけます。確かに月額料金をパッと見た時に、他のカーリースより金額が高く見えるのは事実のようです。
この記事では、トヨタの車のサブスク「KINTO」の高すぎる月額料金について、その真相について整備士ねっとチームが解説します。
KINTOの仕組みや申込み方法詳細はこちら
>>>トヨタのサブスク「KINTO」/仕組みや特徴、よくある疑問を整備士ねっとが総まとめ
KINTOの高すぎる月額料金
- ヤリス月額 35,310円
- ヴォクシー月額 55,220円
※5年契約・頭金なし・ボーナス払い無し
乗用車の中では最も低価格帯のヤリス(ガソリン)と、人気のミニバン、ヴォクシーについて、KINTOの料金シミュレーションで見積もりすると上記の月額料金になりました。
また、月額料金を5年間(60ヶ月)に単純計算すると、ヤリスは支払い総額約212万円、ヴォクシーは約331万円です。
参考までに、このヤリスの車両価格は約160万円、ヴォクシーは約320万円です。
どちらのカーリースも契約満了後に自分のものになるわけではなく、返却が必要なので、パッと見て、これはKINTOが高過ぎると感じる人がいるのもうなずけます。
他のカーリースとの料金比較
- ヤリス月額 35,310円→KINTO
- ヤリス月額 26,400円→リースナブル
※5年契約・頭金なし・ボーナス払い無し
乗用車の中では最も低価格帯のヤリス(ガソリン)について、KINTOとリースナブル(カーリース)で比較してみると、月額で約9,000円の差があります。
細かく同条件にして見積もりをしたわけではなく、webサイト上での簡単なシミュレーションなので、正確な数字ではないですが概ねこのくらいの差があるようです。
月額9,000円の差は年間で約11万円の差になりますので、5年間では50万円の差になります。
これもやはりKINTOが高過ぎると感じる人がいるのもうなずけます。
新車を購入した場合との比較
5年の維持では新車購入と同じような維持費になる。ただしあなたの任意保険の等級(料金)による。
ヤリス維持費(5年)(X GAS 1.0L 2WD) | KINTO | 新車現金購入 |
---|---|---|
車両代 | 月額料金に含む | 1,547,000円 |
諸費用(登録費用、自賠責保険・リサイクル料金) | 月額料金に含む | 約160,000 |
自動車税 | 月額料金に含む | 約125,000円 |
車検・メンテナンス | 月額料金に含む | 約100,000円 |
任意保険 | 月額料金に含む | 500,000円に仮定(10万円×5年) |
5年後の価値 | 0円(返却) | 査定額を-400,000円に仮定し売却したとする |
月々の支払い額 | 3,5310円※ | 33,866円 |
5年支払い総額 | 2,118,600円※ | 2,032,000円 |
※5年契約・頭金なし・ボーナス払い無し
おおまかに計算したものですが、5年間の維持費ではKINTOと現金購入は同じような維持費になりました。
ここで注目すべきは、任意保険です。KINTOでは任意保険の料金が月額料金に含まれますが、任意保険料は本来、人によって年間3~30万円程度の大きな幅があります。一般的には平均は6~12万円程度と言われていますので、10万円×5年で50万円としました。
例えば年間3万円しか保険料を支払っていない人は、5年でも15万円にしかならないので、この比較表とは大きく数字がずれ、新車購入のほうが有利になっていきます。また、新車購入の場合は、そのまま長く乗り続けることで、月々にかかるコストはどんどん下がっていきますので、長く乗るなら新車購入が有利になっていきます。
なぜKINTOの月額料金は高いのか
KINTOには任意保険料が含まれているから高い
他のカーリースと違って、KINTOの月額料金には自動車保険の任意保険料が含まれているので、月額料金は高いです。
- 一般的:車の維持費=カーリース代+任意保険料金
- KINTO:車の維持費=カーリース代
任意保険が含まれない一般的なカーリースでは「頭金不要、毎月定額料金」というサービスの場合でも、任意保険は個別に自動車保険会社と契約して、別途支払う必要があります。
つまり、他のカーリースでは「実際はその月額料金では車に乗れない」ということになります。
KINTOでは任意保険が月額料金に含まれているので、月額料金は実際の維持費にかなり近くなります。
もちろんその分、KINTOの月額料金は一見して高いですが、単純比較することはできません。一般的なカーリースでは、車検時に支払う「自賠責保険」が含まれることが多いですが、「任意保険」も月額料金に含まれるのは、KINTO最大の特徴と言えるかもしれません。
KINTOは、東京海上日動とKINTOユーザー全員が契約しているという仕組みでこのシステムを実現しています。
KINTOの月額料金が実際に高いかどうかは、自分の任意保険料を考慮する必要があります。
月額料金に含まれるもの・含まれないもの
含まれる | 含まれない |
---|---|
登録費用・諸経費自動車税・重量税自賠責保険・任意保険・車検代・メンテナンス代 | ガソリン代(電気代)駐車場代 |
車のサブスクであるKINTOは、任意保険を含んで、月額料金としているのが大きな特徴です。
高いかどうかはあなたにマッチするか次第
- 「等級の低い人・近年保険事故歴がある人・若い人」にとっては安くて得
- 「等級の高い人・保険事故歴のない人・35歳以上割引が適用される人」は高くて損
KINTOを利用するかどうかの最大のポイントは、「現在のあなたの等級や保険事故歴・年齢」です。このことをよく考えなければなりません。
任意保険の料金は、自動車の維持費の中でも大きな負担になることが多く、特に若い世代の任意保険料は非常に高額で、人によっては年間数十万円の負担になっている場合があります。そのような若い人にはマッチし、かなり得をします。
逆に、保険の等級の進んだ人は年間数万円の保険料で済んでいるケースが多くあり、メリットはありません。優良ベテランドライバーにはマッチせず、損します。
両者の保険料の差は、年間数十万円にもなりますが、その差分をすべて水に流して全員を同じ料金にするというのがKINTOのサービスです。
KINTOは安すぎる!?
例えば、等級が低く、年間20万円以上もの任意保険料がかかる若い方にとって、KINTOは安すぎる計算になります。このことから、KINTOは若い世代にこそマッチしていると言えます。また、TOYOTAでも若い世代を中心にKINTOをすすめています。
>>>【KINTO】公式ページ
KINTOのデメリットとメリットを再確認
KINTOが高すぎると言われる理由は、任意保険料が月額料金に含まれるからと説明しましたが、それを踏まえてKINTOが高いかどうかは、その他のメリットやデメリットを考慮する必要があります。
KINTOのメリット
- 任意保険が月額料金にセット
- 頭金が不要で初月から毎月一定額
- Web上で手続き可能
- 納車が早い
- ライフスタイルに柔軟に対応・乗り換え
- 正規のメンテナンスを受けられる
- トヨタグループの安心感
- お得なポイントやキャンペーン
特に「納車の早さ」と「ディーラーでのメンテナンス」が他のカーリースには無い特徴です。
KINTOのデメリット
- 保険の等級を引き継げない
- 中途解約時は解約金が必要
- 走行距離に制限がある
- 契約期間に縛りがある
- 車を自由にカスタマイズできない
- ペットと乗車できない
- 車内喫煙ができない
これらのデメリットの多くは、他のカーリースでも同じです。
KINTOは利用すべきか
- 初めて車を乗り始めるタイミングならベストマッチ
- 基本的に20~30代の若い世代は利用価値高い
- 金銭的余裕があり、面倒が嫌いな人もベストマッチ
KINTOは基本的に若い世代にマッチします。
特に、免許を取得し初めて車を乗り始めるタイミングでは、KINTOはかなり安く、お得です。KINTO以外の方法ではいずれも、高額な任意保険料を支払う必要があるからです。
また、KINTOは車に関する手続きを全て実施してくれるので、非常に楽です。
車を所持していると、税金の支払いや、保険の更新など意外と面倒な手続きも多く、これらを全て実施してくれるというのは、忙しい人にとってはとてもありがたいサービスです。
また、解約金フリープランを選ぶことで、「いつでも解約して別の車に乗ることができる」ので、飽きっぽく、新しいもの好きの人にもとても向いていると言えます。
KINTOの仕組みや申込み方法詳細はこちら
>>>トヨタのサブスク「KINTO」/仕組みや特徴、よくある疑問を整備士ねっとが総まとめ
KINTOの料金に関するよくある質問
- KINTOの月額料金に含まれるものはなんですか?
-
登録手続き関係、税金関係、保険関係が含まれます。含まれないものはガソリン代と駐車場代です。
- 事故を起こすと月額料金が上がりますか?
-
いいえ、何度事故を起こしても月額料金は変わりません。ただし一回の事故につき、最大5万円の自己負担がある場合があります。
- KINTOはなぜ高いのですか?
-
自動車保険の任意保険料も含んでいるので、他のカーリースと単純比較できません。月額料金が高いかどうかは、保険の要素も考慮しましょう。
>>>【KINTO】公式ページ
まとめ
KINTOの月額料金は他のカーリースに比べて料金が高く見えます。しかし、KINTOの月額料金には任意保険の料金が含まれているため、他と単純に比較することができません。
また、任意保険の料金は等級や年齢によって大きく異なるので、KINTOの料金が高いかどうかは、今現在あなたが保険料をどのくらい払っているかによります。
例えば、年間20万円保険料を支払っている場合は、KINTOはかなり安いですが、年間3万円しか支払っていない場合は、KINTOは高いです。
このように、KINTOが高すぎるかどうかは任意保険によってわかりやすく判断できますが、少なくとも「他に比べて明らかに高すぎる」ということはないので、あなたにマッチすれば、KINTOの選択肢はあっても良いかもしれません。
以上、KINTOの月額料金についてでした。
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