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自分で車のワイパーゴム/ブレードを交換する方法/費用や時期について整備士の解説

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車のワイパーゴムやブレードの交換は、整備経験のない人でも比較的簡単に行うことができます。ただし、やり方によっては、ガラスに傷を付けてしまったり、最悪の場合ガラスを割ってしまうこともあります。

この記事では、ワイパーゴムやワイパーブレードの交換方法、注意点や交換時期などについて一級整備士の管理人が解説します。

ワイパー交換を初めて行う人は、トラブルを避けるためにぜひ確認してください。

目次

1.ワイパーの交換は2パターン

  1. ワイパーゴムを交換する方法
  2. ワイパーブレードごと交換する方法

ワイパーが切れてしまったり、掃けなくなってしまった場合の対応は、上記2つの方法があります。

基本は、ワイパーゴムの交換で対応します。ブレードがガタガタしている、サビが発生している、塗装が剥がれ、見た目が悪いなどの場合はブレードごと交換することをおすすめします。

どちらも比較的簡単に実施できますので、以下を確認してから判断しましょう。

1.ワイパーゴムを交換する方法

ワイパーゴムだけ

上記写真のゴム部分だけ交換する方法です。

メリットブレード交換より安価な場合が多い。
デメリット交換作業がブレード交換より面倒。不具合がブレードに起因するものであれば、不具合が直らないことがある。

2.ワイパーブレードごと交換する方法

ワイパーブレードごと

上記写真のワイパーブレードごと交換する方法です。

メリット交換作業がゴム交換より簡単。
デメリットワイパーゴム交換よりも高価。

ブレードごと交換する場合は純正品がおすすめ

ワイパーブレードごと交換する場合は、自動車メーカー純正品(ディーラーで販売している製品)に交換することをおすすめします。

理由は、社外品を使うことで、機能や見た目が悪くなる可能性があるからです。特に、最近の新しい車、高級車、輸入車のワイパーについては、見た目の機能も高いので注意が必要です。

ただし、純正品のワイパーブレードは社外品に比べて、とても高価ですので、どちらを使うかについては、整備士さんやカー用品店のスタッフなど、専門知識を持つ人に聞くことをおすすめします。

2.自分で出来るワイパーの交換方法

ワイパー交換
  1. 車からワイパーブレードを外す
  2. (ワイパーブレードからゴムを外す)
  3. (ワイパーブレードに新しいゴムを取り付ける)
  4. ワイパーブレードを取り付ける
  5. 動作確認を行う

ワイパーの交換は比較的簡単に行えます。基本的には、古いワイパーを外して新しいワイパーに取り替えるだけです。ポイントは、ワイパーの種類によっては、特定の方法で外す必要があることです。

なお、( )内の作業は、ワイパーゴムを交換する際に必要な作業で、ブレードごと交換する場合には必要の内作業です。

1.車からワイパーブレードを外す

ワイパーアームを持ち上げ、ブレードが外せる状態にします。

ワイパーアームを立てる

ワイパーアーム先端にある、ブレード接続部分の爪(ストッパー)を押したりつまんだりして、ブレードを取り外します。

一部の車種やワイパーの種類によっては、特定の方法で外す必要があるので、わからない場合は、車の取り扱い説明書を確認してください。

爪(ストッパー)部分の取り外し方は、メーカーや車種により数パターンあるため、下記サイトを参考にしてください。

参考>>>NWB ワイパーの交換方法

ワイパーブレードが持ち上がらない!?

そのままの状態ではワイパーブレードが持ち上がらず、ワイパーブレードが取り外せない車が存在します。

ワイパーを作動させていない通常時に、ワイパーがボンネット(エンジンフード)の内側に深く入り込んでる車(通常時にワイパーが隠れて見えなくなっているような、かっこいい車)で、クラウンなどで確認しています。

クラウン
ワイパーが隠れている車

そのような車には、ワイパー交換モードが存在し、専用のコンピュータを使うか、ある一定の操作(コマンド入力)をすることで、ブレードを取り外せる状態にするのですが、整備マニュアルや専門知識が必要なので、プロに確認する必要があります。

2.(ワイパーブレードからゴムを外す)

ワイパーゴムを外す

ワイパーブレードを取り外したら、ブレードからゴムを取り外します。

※ブレードごと交換する場合は、この作業は必要ありません。

ブレードを片手で抑えて、利き手でどちらかの方向にゴムを強く引っ張り、スライドさせて外します。

ゴムをスライド

この時、位置決めの溝(ストッパー部分)がある場合は、外れやすい方向が決まっています。よく見ることで誰でもわかるので、どっちに引っ張るのが正解か、よく見て判断してください。

もし、引っ張る方向がわからなければ、どっちでもいいので強く引っ張ることで確認できます。また、取り外すゴムは交換する部品ですので、ダメになってしまっても問題ありません。

3.(ワイパーブレードに新しいゴムを取り付ける)

ワイパーブレードから古いゴムを取り外したら、新しいゴムを取り付けます。

※ブレードごと交換する場合は、この作業は必要ありません。

この際、古いゴムに両サイドからセットされている2本の「鉄の芯」を取り外し、新しいゴムに同じようにセットします。

鉄の芯が、ただのまっすぐの板状のプレートであれば、取り付ける向きなどに指定はありませんが、複雑な形状になっている場合は、形状をよく見て、向きや方向が合うように取り付けます。よく見れば誰でもわかるので安心してください。

4.ワイパーブレードを取り付ける

爪(ストッパー)

ワイパーを外した時の要領で、ワイパーアームの接続部にブレードの接続部を差し込むだけです。

取り外すときには爪(ストッパー)を押したりつまんだりしましたが、取り付ける際には必要ありません。ただし、接続部をよく見て、爪(ストッパー)の位置が、溝などに合うように取り付けてください。

5.動作確認を行う

ワイパーブレードをしっかり取り付けしたことを確認し、ワイパーアームを元に戻します。

ワイパーを作動させ、正常に拭き取れるか確認してください。適切に装着されていない場合は、動作不良や不十分な拭き取りが発生することがあります。

ガラスが割れる!?

ワイパーアームから、ワイパーブレードが外れている状態(作業中)で、車両が揺れる、体の一部がアームに引っかかるなどして、アームが倒れてしまうと、ガラスにアームの鉄の部分が直接当たってしまい、衝撃の強さによってはガラスが割れたり、傷がつく可能性があります。

ワイパーアーム

上記写真の状態で、アームが倒れると、ガラスが割れる可能性があります。

詳しくは、4.ワイパー交換時に起こるトラブルと解決方法を確認してください。

3.ワイパー交換の際に必要な工具

多くの場合で工具は何も要りません。全て素手で作業できます。

ただし、ワイパーアームからワイパーブレードを取り外すために、爪を押したりつまんだりする場面(上記1.車からワイパーブレードを取り外す参照)で、「爪(ストッパー)の部分が小さくて・固くて素手で押せない」などの状況の場合は、細いドライバーなどの工具で、爪を押すことがあります。

その場合には、特に特殊な工具は必要ありませんが、細いドライバーなどを使用してうまく爪(ストッパー)を解除してください。

接続部に錆(サビ)が生じていたり、ゴミが詰まっていたりすると固くて外せないことがあります。

なお、輸入車や特殊な車では、何らかの工具が必要になることがあります。

4.ワイパー交換時に起こるトラブルと解決方法

  • ガラスが割れる・傷がつく
  • ワイパーブレードが外れる
  • うまく掃けない

ワイパー交換時に起こるトラブルは上記のようなものです。

ガラスが割れる・傷がつく

ガラス割れ

作業中にアームを倒す

ワイパーアームを持ち上げて、ワイパーブレードが外れている状態(作業中)で、車両が揺れる、体の一部がアームに引っかかるなどして、アームが倒れてしまうと、ガラスにアームの鉄の部分が直接当たってしまい、衝撃の強さによってはガラスが割れたり、傷がつく可能性があります。

あまりないことですが可能性としてはあります。また、筆者の整備経験上、割ってしまった(ひび割れた)トラブルを見たことがあります。

これを防ぐために、プロの整備士は作業中はアーム先端の金属部分にタオルなどの布を巻き、アームをはじめから倒して作業をします。こうすることで、作業中に何が起きてもガラスにダメージを与えないようにしています。ぜひ参考にしてください。

ガラスが割れてしまい、交換することになってしまえば、10万円以上の修理費用がかかるので、十分気をつけてください。

なお、ガラスが割れた、ヒビが入った、傷がついたなどのダメージがある場合は、整備工場に相談してください。ヒビが入ったガラスは、ヒビがどんどん広がっていく可能性があり、早急に交換もしくは修理の対応が必要です。

ワイパーブレードが外れる

ワイパーブレードが正しく取り付けられていない

ワイパーブレードがワイパーアームに正しく取り付けられていない場合、走行中や操作中にワイパーブレードが外れて、最悪の場合、飛んでいくことがあります。

ワイパーブレードは、ワイパーアームの爪(ストッパー)にしっかりと引っかかることで、外れないようにセットされ、取り付けられています。

爪の向きが違う、爪が溝にしっかりと引っかかっていないなどの取り付け不良があると、外れる可能性がありますので、十分注意し取り付けを行ってください。

うまく拭き取りできない

  • ワイパーゴムが正しく取り付けられていない
  • 製品が車に合っていない
  • ガラスに汚れ・油分・油膜がついている

ワイパーを交換したのにも関わらず、うまく拭き取りできない原因は、主に上記の2つです。

まずは、ワイパーゴムがブレードに正しくセットされているかをもう一度確認してください。ゴムの向き、ウラオモテなどよく確認してください。

正しく取り付けられているのにも関わらず、うまく掃けない場合は、製品が車に合っていない可能性があります。

特に、フロントガラスが強く湾曲している車では、長さが一致していても、ガラスの湾曲(カーブ・曲がり)に対し、ゴムがうまく密着せずに、端のほうがうまく掃けないことがあります。筆者はダイハツ・タントのフロントワイパーでそのような経験があります。

そのような場合は、純正品(正規品・ディーラーで売っているもの)を購入するか、整備工場で確認してもらうことをおすすめします。

ガラスに汚れ・油分・油膜がついていることが原因である場合は、ワイパーの交換だけでは対応できません。

汚れを落としたり、油膜除去剤で油膜を除去することが必要です。

5.ワイパー交換の費用

方法費用
自分でワイパーゴム交換1本500~2,000円程度
自分でワイパーブレード交換1本1,000~5,000円程度
整備工場でワイパーゴム交換1本500~2,000円程度
整備工場でワイパーブレード交換1本1,000~5,000円程度

ワイパーゴムやブレード交換の費用は、車種やワイパーの種類によって大きく異なります。

ヤリス、アクア、フィット、軽自動車など、一般的な大衆車のワイパーの場合は、ゴムだけでも、ブレードごとでも、1本あたり千円程度で販売されていることが多いです。主にゴムの長さで価格が異なります。

しかし、高級車や輸入車に搭載される高性能で高品質のワイパーになると、ゴムだけでも数千円、ブレードは一本1万円以上になることがあります。

また、ブレードを交換する場合、正規品(純正品)と社外品(カー用品店などで売っているもの)で大きく異なります。

社外品のブレードは、正規品に比べてかなり安いですが、輸入車や高級車に取り付けた場合に、見た目や性能が大きく変わってしまうというデメリットがあります。

自分の車のワイパーが、大衆車のワイパーに比べて、見た目が違うかを最初に確認し、「少し変わっている」「かっこいい」など、大衆車と違う場合には、社外品には注意が必要です。

わかりやすく言うと、メルセデスやポルシェに社外品のワイパーブレードを取り付けると「かっこ悪い」ようなイメージになります。そのような場合は正規品を取り付けることをおすすめします。

整備工場の交換工賃

ワイパー交換

無料~1,000円(全部で)

整備工場にワイパーゴムの交換、またはブレードごとの交換を依頼した場合の工賃は、全部交換したとしても1,000円以下であることが多いです。

インターネット通販等で自分で購入して、整備工場に持ち込んだ場合には、1本1,000円程度の請求があると思いましょう。

一般的に、作業は5分程度で終わります。また、車検や点検などの作業と同時に依頼した場合には、無料でしてくれることも多いので、現状無理して自分で作業する必要は無いかもしれません。

ただし、一般的な整備工場ではワイパーゴムやブレードの在庫がない場合もありますので、予約などが必要です。

6.ワイパーの選び方と注意点

  • 車種ごとに適したサイズや種類のワイパーを選ぶ
  • 高級車や輸入車は正規品(純正品)を選ぶ

車種ごとにワイパーのサイズや形状が異なるため、車に合ったものを正しく取り付けることが重要です。

適したサイズや種類を選ばないと、性能が落ちるばかりか、取り付け自体ができない可能性が高いです。プロのアドバイスを受けず、インターネット通販サイトなどで自分で購入する場合には、自分の車に適合するか十分注意してください。

また、高級車や輸入車の場合は、ワイパー自体の性能が高く、見た目もかっこいいデザインのワイパーブレードが採用されていることが多いです。

そのような場合は、なるべく正規品を選ぶことをおすすめします。

定番はNWB、PIAA

NWB(日本ワイパーブレード)やPIAA(ピア)は国内のワイパーブレード(変えゴム)市場では、シェアが高く、おすすめできます。こだわりがなければどちらかを選ぶと良いでしょう。

7.交換したワイパーの処分方法

ゴムは可燃ゴミ、ブレードは不燃ごみ

一般的にはこのような取り扱いになります。

例えば、東京都千代田区のwebサイトでは、「ゴムホースは50cm以下に切って可燃ゴミ」と記載があるため、ワイパーゴムに関しても同様の取り扱いになると思われます。

ただし、自治体によってことなるので、まずは自分の住む自治体のwebサイトなどを確認してください。

整備工場に交換を依頼した場合には、整備工場で処分(産業廃棄物として処分)してくれることが一般的です。

8.ワイパー交換の時期

1年~3年位で交換するのが一般的です

自動車のワイバーはゴム製品ですので、年数が経つに連れて硬化し、変形するなど、劣化していきます。劣化したワイパーゴムは、きれいに拭き取りにくくなってきたり、ビビリ音などが発生します。

さらに劣化が進むと、ワイパーゴムの端の方から切れていきます。切れてしまえば、全く掃けないことになるので、明らかな交換時期となります。また、フロントワイパーゴムが切れている状態では、車検に通らなくなります。

関連記事>>>ワイパーの車検基準/リアワイパーは無くても車検に通るのか

なお、各自動車メーカーでは1年に1度程度の交換を推奨しています。

このようなことから、筆者の経験上、1年~3年程度で交換する人が最も多いです。

ワイパーブレードの劣化

ブレード

ワイパーブレードは、ガラスに密着するように、金属が骨や関節のように複雑な形状をしており、使用するにつれてガタつき、サビ、塗装剥がれが出てきます。

ワイパーブレードにガタつきがでると、ガラスにうまく密着しないことにより、きれいに拭き取りできなくなる場合や、作動中にビビリ音など、いやな異音がすることがあります。また、見た目にも大きな劣化が起こる場合があります。

車種や使用環境によって異なりますが、一般的に、5~10年程度でワイパーブレードを交換することをおすすめします。

9.ワイパーの拭き取りを改善する方法

ガラス 油膜除去
  • ワイパーやガラスの清掃
  • ワイパーやガラスの油膜除去
  • ガラスのコーティング

雨天時にワイパーの拭き取りが不十分だったり、ビビリ音が発生した場合、ワイパーを交換する方法以外には上記の方法があります。

特に、付着した油分・油膜が拭き取り不良の原因になっている場合は、ワイパーゴムなどを新品に交換しても、改善しない場合があります。

この場合、専用の油膜除去剤を使って油分・油膜を取り除きます。油膜除去と同時に、ガラスにコーティングすることで、驚くほど拭き取りや視界を改善することができます。

油膜の除去やガラスコーティングは、自分でも比較的簡単にできます。

なお、油膜除去をする場合には、油膜除去→ガラスコーティングの順番で実施してください。

まとめ

車のワイパーゴムやブレードの交換は、整備経験のない人でも比較的簡単に行うことができます。ただし、やり方によっては、ガラスに傷を付けてしまったり、最悪の場合ガラスを割ってしまうこともあります。

自分でワイパーを交換する場合は、慎重な作業を心がけましょう。また、整備工場に依頼した場合でも、それほど工賃が高いわけではありませんので、選択肢の一つにしてください。

以上、自分で車のワイパーゴム/ブレードを交換する方法でした。

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