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ディーラー整備士の工具や工具箱、キャディはどういうもの?

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ディーラーや整備工場の整備士が使う工具はどんなもの?買わなきゃダメ?

新人整備士さんにはとても気になるところですね。

この記事では、一級整備士の筆者が国産車ディーラーで10年間働いた経験から、自動車整備士の工具や工具箱について解説します。

この記事を書いた人:きりん

元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net

目次

プロの整備士が使う工具や工具箱、キャディ

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自動車整備士にとって工具というものは、ただの便利な道具ではありません。

  • サッカー選手がシューズにこだわること
  • 美容師がハサミにこだわること
  • 料理人が包丁にこだわること

これと同じで、プロの整備士が工具にこだわるのは当然と言えます。

そして、もちろん工具・工具箱の種類は数多く、値段はピンからキリまであり、整備士は自分に合っている工具をチョイスしていきます。整備士になれば、きっとあなたも同じ気持ちになるでしょう。

それではまず、整備工場内での工具・工具箱の取り扱いについて説明します。

ツールワゴン・カート(キャディ)

自動車整備という仕事は、いろんな場所でいろんな工具を使用します。

いちいち手に持ってウロウロすると無駄が多いので、写真のようなローラー付きのツールワゴンを使用して、工具ごと移動するのが主流です。(ツールキャビネット、カート、台車などと呼ばれています)

ツールワゴンは、就職先の整備工場で貸してくれることが多いため、自分で購入する必要がない場合が多いです。

もし、会社で貸してくれるものが無ければ、ローラー付きのワゴンを諦め、持ちやすい箱に入ったツールセットを購入し使用するしかありません。

もちろん自分で購入しても良いのですが、この写真にあるもっともシンプルタイプでも、8万円前後の価格であり、非常に高価です。

また、工場のスペースなどの問題により、使用できない場合もあるので、突然このようなワゴンを購入して持っていくことは避けたほうが良く、そのあたりは先輩に相談してみてください。

ちなみに、下の写真のツールキャビネットは、定価が54万円ほどですが、実はこのような高価なキャビネットを使用している自動車整備士がゴロゴロいます。(工具なしの値段です)

もちろん、整備士として経験を積み、本当に自分に必要な工具を知ってから検討するべきです。

高価なキャビネットのことはさておき、

新人整備士にとって本当に必要なのは、基本の工具セットです。

会社のワゴンや基本の工具が使えたとしても、やっぱり一番最初に欲しくなるのは、間違いなく自分の工具セット。

多くのディーラーや整備工場では、支給されることが多いですが、自分の工具が欲しくなるのは間違いありません。

ワゴンに載せて使う場合や、単独で持ち運びして使う場合もあり、整備士が最初に必要になるものです。

そこで、次の記事で1級整備士の私の整備士経験から、おすすめの工具セットを5つに絞って紹介します。

新人整備士が選びたい工具セット5選

ご紹介するのは、大型車や特殊な車両の整備に使用する工具ではなく、通常の小型自動車整備に使用する工具セットです。

KTC SK3650E

定番メーカーの、定番工具セット

日本を代表する工具メーカー「KTC(ケーティーシー)」の、チェストタイプ定番工具セット(66点入り)です。

KTCは日本の自動車整備士の誰もが使用する工具メーカーで、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーもKTCを標準の工具として推奨しています。その他、整備士の専門学校などでも数多く使われ、信頼性に優れた定番中の定番メーカーです。

海外の高級工具に比べればかなり低価格であり、なおかつジャパン・クオリティが光る、まさに、日本の自動車整備士をささえる工具メーカーです。

この工具セットはチェストタイプの工具セットとして、絶対に購入して損はない工具セットと言えます。

これが新人整備士に最もおすすめする工具セットです。きっとあなたが一生付き合える工具セットとなります。

KTC SK3561WZR

定番メーカーの持ち運びに向いている工具セット

日本を代表する工具メーカー「KTC」の、両開きタイプ定番工具セット(52点入り)です。

両開きタイプ工具セットの最大の長所は、持ち運びの容易さです。特に、ワゴンが使えない環境や出張で整備を行う場合などにその威力を発揮します。

「家に持って変える」「車に積んでおく」などさまざまな場面で重宝します。

私が学生の時に使っていたのは、まさにKTCのこのタイプでした。

工具数はそれほど多くはありませんが、自動車整備士にとって最も使用頻度が高いものを厳選して選んでいる感じがあります。これもまた定番の工具セットです。

TONE TSXT950

コスト、内容量、品質、バランスがとれた満足の工具セット

こちらも日本の工具メーカーTONE(トネ)の87点セット。

TONEもまた自動車整備士では知らない人がいない有名メーカーです。

シンプルで使いやすく、KTCよりもさらにコストパフォーマンスの優れた定番工具セットです。

しかし、あなどるなかれ、品質も決して悪いものではなく、特にソケットレンチにはかなり定評があります。内容も充実したこの工具セットはまさに新人自動車整備士にぴったりです。

SIGNET 800S-59RE

デザイン、コストに優れ、個性を出したい人向けの工具セット

カナダの比較的新しい工具メーカーSIGNET(シグネット)の59点セット。

新人整備士向けの海外工具メーカーとしては、私のイチオシです。

なんと言ってもコストパフォーマンスが良すぎます。

もちろん価格が安いだけでは私のイチオシにはなりません。品質は日本製の工具には叶わないところがあるものの、実際に私が使ってみても、「この価格でこの品質なら」と、十分満足できるものでした。

また、見た目もそれほど安い工具にはみえませんし、むしろデザインは日本のものにないもスタイリッシュな感じがします。

AP ツール TS179

プロが使う最低限の工具セット

AP(アストロプロダクツ)の格安83点セット

今回紹介する中で、最もコスパに優れた工具セット。プロの整備士が使用するものとして、ギリギリのラインだと思います。

しかし、最近アストロプロダクツの工具を使用する自動車整備士が増えているのにはわけがあります。あくまで私の意見ですが、「プロがいちおうちゃんと使える」のがアストロです。

価格だけなら、アストロよりももっと安いものがたくさんあります。しかし、中には「すぐ壊れる」「精度が足りなくて、使えない」ような粗悪品が少なくありません。

アストロプロダクツは、コストをギリギリまで抑えながらも、実際の整備士の意見などを反映し「最低限の工具」を追求しているのではないでしょうか。私も実際にアストロの工具を何個も持っています。

自分の工具を買わなければならないのか

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必ずしも買う必要はありません

多くの整備工場では、基本的な工具を支給、または貸してくれるはずです。しかし、その支給された工具でずっと続けていけるかというと、おそらく難しいと思います。

  • 自分の工具が欲しくなる
  • 基本的な工具では対応できない整備の仕事が増えてくる
  • 便利で時間短縮できる工具が欲しくなる

必ずこうなります。

実際に、自分の工具を全く持たずに整備の仕事を長年している人を、私は見たことも聞いたこともありません。あなたもいずれは自分の工具を購入することになると思います。

購入は基本的な工具から

  1. 基本的な工具
  2. 便利で時間短縮ができる工具

工具を上記の通り大きく2つに分けて説明します。

「1.基本的な工具」とは、使用頻度がもっとも高い工具で、整備士の誰もが持っていなければならない工具です。

基本的な工具は会社が支給、または貸してくれる場合が多いです。

「2.便利で時間短縮ができる工具」とは、使用頻度は低いですが、整備士の作業を楽にしてくれたりする工具で、必ず無ければならない工具ではなく、あれば便利な工具です。これは会社で支給、または貸してくれることはあまり期待できません。

新人整備士は、まず基本的な工具を購入します。そして、便利で時間短縮ができる工具を少しづつ購入していきます。

新人整備士は、まず、基本的な工具を購入すしてください。そして、基本的な工具は、工具箱が付いてくる、工具セットで購入するのがコスパが高いです。

最後に

プロの整備士は一般の人と違って、工具を毎日使います。

ここでご紹介した工具セットは、「プロの整備士として」という観点から、評価させてもらいました。いずれも、一般の人が自動車整備に使用するものとしては、高価です。

しかし、毎日使う整備士は、あなたも一瞬で使いにくい工具と使いやすい工具がわかるようになります。まして、一か月くらいで壊れるような工具はもはや工具ともいえません。

新人整備士に極端に高価な工具は必要ありませんが、ある程度の品質を持った工具を選ぶべきです。

ぜひこの記事を参考にし、気に入った工具を手に入れて欲しいと思います。以上、新人整備士に必要な工具セットでした。

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