- 最も安い学費で整備士の資格が取れる学校について知りたい
- 職業能力開発校(旧職業訓練校)について知りたい
整備士の資格を取るための学校に行きたくとも、学費について気になる人も多いと思います。
実は、世間にはあまり知られていませんが、専門学校より極端に安い学費で2級整備士の資格を取得できる「職業能力開発校」という法に基づいた施設が全国各地に存在します。
この記事では、職業能力開発校について整備士ねっとチームがが詳細解説します。
職業能力開発校は以前、“職業訓練校”と呼ばれていた時代があり、現役整備士の中でも今もそう呼ぶ人がいます。現在は職業能力開発校と呼びます。
安い学費で2級整備士の資格が取れる学校
職業能力開発校は、専門学校より極端に安い学費で2級整備士の資格が取れます
自動車業界にいる人でも、案外知られていないかもしれないです。
職業能力開発校とは
主に、求職者が就職できるように技術を身に付けさせることを目的に設置された施設です
全都道府県に設置が義務付けされている施設で、市町村や民間企業が運営している場合があります。名称が「専門校」や「高等技術専門校」など、都道府県によって違うのでわかりにくいので、詳しくは職業能力開発校(ウィキペディア)をご覧ください。
具体的には大工や美容師、自動車整備士など、様々な職業の技術を身に付けることができる施設です。また、専門学校や大学とは違い「学校」ではありません。
自動車整備士の資格が取れる職業能力開発校

自動車整備士の資格を取ることができる開発校は全国にたくさんある
職業能力開発校ではいろんな職業についての訓練ができるのですが、その中でも自動車整備士の資格を取ることができる開発校は全国にたくさんあります。主に2年過程で2級整備士の資格を取ることができるところです。
全国の自動車整備士の資格が取れる開発校は自動車関係の認定職業訓練施設一覧(ウィキペディア)を参考にしてください。
職業能力開発校は学費が安い
学費は年間10~15万円程度
職業能力開発校の最大のメリットは学費の安さです。
2級整備士の資格を取れる専門学校では、年間100万円程度かかる学校が多いため、2年間の就学を考えると、5分の1程度で済むくらい破格の安さです。さらに寮がある開発校も多いようです。
但し、教科書や作業着、工具セットなど必要なものについては別に費用が掛かります。
職業能力開発校の特徴
- 生徒数が少ない
- 設備は専門学校に劣る
- 学歴にならない
- 年齢に関係なくいつでも入学できる
- 失業保険をもらいながら就学できる
学費の安さ以外の特徴は上記のとおりです。
1.生徒数が少ない

一般的に開発校は定員が少なく、専門学校のようにクラスがたくさんある訳ではないようです。したがって、入学希望者が多い場合、定員によっては高い倍率の受験となります。
しかし、現在整備士を目指す若者が減っており、開発校によっては定員割れしているところもあるようです。
生徒数が少ない事は、楽しさなどではデメリットに感じるかもしれませんが、指導者の指導が行き渡ることが多いため、純粋に整備士を目指す上では大きなメリットになりえます。
2.設備は専門学校に劣る
教材・実習場などの設備は、専門学校に比べれば充実していないところが多い
特に都道府県が設置している開発校に関してはその傾向が強く、古い建物の中で古い車などの教材を使用して実習などを行うケースがあります。
3.学歴にならない
職業能力開発校は学校ではないので、「学歴」になりません。
仮に高校を卒業してから開発校に入学し卒業しても、学歴は「高校卒」となります。
将来自動車整備士として働いた場合にはさほど影響がないと思いますが、違う業界で働くこととなった場合、学歴で初任給が決定される場合は、「給与が低い」「求人の募集要件を満たさない」などの問題が出てくる可能性があります。
2年間就学するという点では専門学校と全く同じなのですが、開発校は「就職するために訓練する場所」ですので、そのような扱いになってしまいます。これはとても残念ですが仕方ありません。
4.年齢に関係なくいつでも入学できる

開発校は求職者のための施設なので、いつでも入学できます。
例えば、大学を卒業して就職してから仕事をやめて入学することも可能で、実際に就学する生徒の年齢もまちまちです。
専門学校でも、そういったケースはありますが、開発校は比較的この傾向が強く、18歳から20代後半くらいまでの幅広い年齢の生徒が在籍します。
但し、最も多いのはやはり高校を卒業してすぐ入学するケースですので、一度社会に出てから入学すると、基本的に同級生がみんな年下になります。
5.失業保険をもらいながら就学できる
開発校は「求職者のための施設」という趣旨の施設であることから、仕事を辞めて入学する場合、失業保険をもらいながら就学できます。これは専門学校にはないメリットです。
開発校卒業生の合格率
2級整備士合格率 95%以上
開発校を修了(卒業)すると、2級整備士の資格がそのままもらえるわけではなく、最後に2級整備士の国家試験(筆記試験)に合格しなければなりません。(このことは通常の専門学校を修了しても同じ)
しかし、開発校を修了した大部分の生徒が、卒業と同時に2級整備士の試験に合格できるため、資格が取れないという心配はそれほどいりません。また、合格率95%という数字は、通常の専門学生の合格率とそれほどかわりません。

資格がなくても整備士になることは可能です
整備士になるには必ずしも専門学校や開発校に通う必要はない
自動車整備士になるためには、資格が必ずいると思う人も多いですが、そんなことはありません。実際に無資格で整備士になるひとも多い職業です。詳しくはこちらの記事に書きました。


まとめ
職業能力開発校という場所で、2級自動車整備士の資格を取れることは、あまり世間にしられていません。しかし、学費が他の学校に比べて破格に安いという大きなメリットがあるため、ぜひ選択肢に加えてください。
なお、全国の開発校は「ハローワーク」と大きな繋がりを持っていますので、詳しくはそちらに問い合わせるか、開発校に直接問い合わせください。入学の条件などを詳しく聞きましょう。
以上、2級自動車整備士の資格がとれる、職業能力開発校についての解説でした。


