メーカー直営ディーラーと直営じゃないディーラーの違い【就職希望者は要確認】

自動車ディーラーには、資本で分類すると、２種類の形態があります

この違いは、一般の人にはさほど影響がないですが、ディーラーで働く人にとっては、形態によって従業員の給与や待遇などに無視できない違いがあります。

この記事では、国産自動車メーカーのディーラーにおける、２つの形態とその違いについて、元ディーラー整備士の管理人が解説します。特に、ディーラーに就職を考える自動車整備士は知っておいたほうがいいので必ず確認してください。

この記事を書いた人：きりん

元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。（seibisi_net）

メーカー直営ディーラーと地場系ディーラー

「1.メーカー直営デイーラー」とは、その名の通り、自動車メーカーが資本を持ち、直接経営しているディーラーです。例えば、トヨタグループが直接経営するトヨタモビリティ東京株式会社が直営ディーラーにあたります。

「2.地場系ディーラー」とは、地元の有力者が経営しているディーラーです。

このように日本には、経営体系が違う２種類の自動車ディーラーが存在し、混在しています。

メーカー直営ディーラーの特徴

「自動車ディーラーは全てメーカー直営」と思っている人が多いですが、実はこの形態はそれほど多くはありません。例えばトヨタの直営ディーラーは「トヨタモビリティ東京㈱」の一社のみです。

また、直営といってもグループ子会社です。メーカーの社員というわけではありません。

地場系ディーラーの特徴

日本のディーラーは大部分が「地場系ディーラー」で、自動者メーカーとは全く別に独立している、ローカル企業です。私が１０年働いていたのも、この、地場系のディーラーです。

地場系ディーラーは中小企業

地場系ディーラーは、地方の中小企業であることが多いです。その中には、ワンマン社長が経営する会社もあれば、ブラック企業も存在します。

SNSなどで、ディーラー整備士の過酷な労働環境や、待遇の悪さを訴える人がいますが、地場系ディーラーのスタッフによるものが多いです。

内容はこのようなもので、もちろん全てが真実とは思いませんが、全てがウソとも思えません。

これらの書き込みに衝撃を受けた一般の方が多かったため、数年前にネット上で炎上しました。

• 「自動車ディーラーとは優良企業ではないのか」
• 「ディーラーでも、こんなブラック企業があるのか」

という驚きだと思います。

自動車ディーラーは、自動車メーカーとは完全に独立した中小企業が多く、その中には、ブラック企業も存在します。

ディーラーに就職を考えている人や、その親御さんは、ディーラーだからと安心せず、しっかりとその会社がどんな会社であるのかを確認する必要があります。

「全ての地場系ディーラーが良くない」ということではなく、良い企業もたくさんあります。どちらかといえば、やはりメーカー資本の直営ディーラーのほうが「安心できる」ということは言えるかもしれません。

確かめる方法

「メーカー直営ディーラー」なのか「地場系ディーラー」なのかは、ホームページの「会社概要」などで確認できます。

例えば、とある直営ディーラーの会社概要には次のような記載がありました。

資本金 4,300 万円（ダイハツ工業（株）100％出資）

明らかに直営ディーラーであることがわかります。このような記載がなければ、地場系ディーラーということになります。

複数ディーラーを経営する企業

地場系ディーラーの経営者は、他にも複数の企業を経営している場合が多いです。例えば、トヨタ・カローラの経営者が、ネッツトヨタも経営し、スタンドも経営しているなどというパターンです。

グループ内の移動や、出向、合同研修などがある可能性があるため、どんなグループ企業があるのかもチェックしましょう。

まとめ

ディーラーには直営と地場系があります。特に地場系ディーラーには、ネットに書かれているようなブラック企業も存在します。「ディーラーは大企業だから、大丈夫」と安心しないで、しっかりと下調べをして、就職を考えましょう。

以上、メーカー直営ディーラーと直営じゃないディーラーの違いでした。