花粉症の人は、既にいろんな花粉対策をしていますが、車の中でも効果のある花粉対策を実施している人はそう多くはありません。
車内に風を取り込みながら走行している自動車は、花粉が集まる場所であり、花粉対策が必要です。
この記事では、長らくディーラーで整備士をしていた経験と、自らも花粉症で悩み、様々な車内用花粉対策グッズを試した経験から、本当に効果がある車室内の花粉対策方法やグッズについて解説します。
この記事を読んで、あなたも車内での花粉対策をしっかりと実施しましょう。
- 車の中の花粉対策方法
- 車の中で使用する、効果的な花粉対策グッズ
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
車内で重要な2つの花粉対策
- 車内に花粉を入れない
- 車内の花粉を除去する
自動車内の花粉対策は、大きく分けて上記の2つです。それぞれ説明します。
1.車内に花粉を入れない
車内での花粉対策の最大のポイントは、車内に花粉を入れないこと
なるべく車内に花粉を入れないための方法について、重要度が高い方から説明します。
- 内気循環で花粉を車内に入れない
- クリーンエア(エアコン)フィルタを交換する
- 衣類についた花粉を落としてから乗車する
- こまめに洗車する
1.内気循環で花粉を車内に入れない
花粉対策のためには、外気導入ではなくて、必ず内気循環にして使用してください。
エアコン使用時、車内の空気の取り入れ方法には2パターンあります。
- 外気導入:外の空気を車内に取り入れる
- 内気循環:外の空気を車内に取り入れない
自動車メーカーでは、エアコン使用は基本的に外気導入で使用し、状況に応じて内気循環にすることを推奨しているため、オートで使用している時にはほとんどの場合で外気導入が選択されていると思います。
「状況に応じて」の状況とは、次の時を指します。
外の空気を取り入れたくない場合
外気導入では、当然花粉やほこりも一緒に取り入れます。花粉対策のためには、「内気循環」で使用してください。
補足:内気循環と外気導入
どちらにも特徴、メリットがあるため状況に応じて切り替えて使用することが重要です。
- 花粉や排気ガス、臭いが社内に入りにくくなる
- 冷暖房が早く聞く
- 若干燃費が良くなる(エアコン使用時)
- 酸素が少なくなるため、眠気やボーッとしやすい(長期間使用時)
- 曇りが取れ易い
- 換気ができる
- 中の臭いが外に出る
内気循環への設定方法
それでは、外気導入・内気循環の切り替え方法を説明します。
エアコンスイッチ部分に、下記のようなアイコンがある場合、ここを押してランプを点灯させると、内気循環モードになります。
モードを「オート」で使用している場合、設定が勝手に外気導入に戻っていることがありますので、時々チェックしてください。
花粉を社内に入れない対策として最も重要なことは「内気循環」でエアコンを使用することです。
2.クリーンエア(エアコン)フィルタを交換する
クリーンエア(エアコン)フィルタをこまめに交換する
クリーンエアフィルタは、車内で流れている空気の途中についているフィルタで、花粉、ホコリなどをキャッチし、社内の空気を浄化するための装置です。主に、外から入ってくる空気中の細かいゴミをキャッチします。
これも、車内に花粉を侵入させない対策で重要な一つです。
エアクリーンフィルタは、現在の車には、ほとんどの場合新車時から装着されています。そして、自動車メーカーでは1年程度で交換するのが良いと言われています。
値段は車種によりますが、3000円程度です。
エアクリーンフィルタは空気中に浮遊しているものを、キャッチするフィルタですので、花粉対策にとても有効です。ご家庭の空気洗浄機のフィルターをイメージするとわかり易いです。同じです。
汚いフィルターをいつまでも装着していると、フィルタ自体が臭くなって、車内が臭くなってしまったりしてとても不衛生です。
自動車内の花粉対策の第一歩はクリーンエアフィルタを交換することです。花粉症の人でなくとも1年に一度程度交換したいものです。
自動車整備士の仕事をしていると、長い間、交換したことのない汚いクリーンエアフィルタを見ることがありますが、「色は真っ黒、カビ、葉っぱやなんだかわからないモノの付着」など、とても気持ち悪い状態になります。多くの人がその状態で車に乗る気にはなれないと思います。
クリーンエア(エアコン)フィルタの種類
クリーンエアフィルタにはいろんな会社で商品がありますが、デンソーのクリーンエアフィルタがあまりにも有名です。整備士の多くがすすめるものであり、最も多くの整備工場で販売しているのがデンソー製です。
せっかく交換したのに、性能が悪かったり、花粉には効かないものだったりしたら意味がないですので、値段で選ぶのは良くありません。クリーンエアフィルタはデンソー製が良いです。
デンソーのクリーンエアフィルタの特徴
- 花粉、ウィルス、PM2.5をしっかりキャッチ
- 菌、カビからしっかりガード
- 排ガス臭をカット
クリーンエアフィルタの選び方
クリーンエアフィルタは、メーカー、車種、年式によってサイズなども違います。車にあったモノでなければ装着できません。
自分の車に適合するものを知りたい場合は、デンソーのHP中の「適合品番データベース」で検索してください。検索方法は比較的簡単で、車の名前と年式がわかれば大丈夫です。
また、このページで検索すると、取付方法や難易度についても書かれていて、車種ごとに写真入りで説明があります。
購入する場合は、この検索ページで品番を調べて、アマゾン、楽天やヤフーで購入するのが最も安い方法です。
エアクリーンフィルタの交換方法
交換方法は車によって違うので少し面倒です。メーカー、車種、年式によって取付場所や交換方法が違います。
しかし、近年の新しい車の場合は、誰でも簡単に交換できるようになっているのがほとんどです。工具も必要なく、場所はグローブボックスを外した場所に装着されています。
上記イメージ図のとおり、このあたりの場所にあることが多いです。しかし、車についてあまり詳しくない人にとっては交換のハードルが高いかもしれません。
その場合は整備工場に依頼してください。おそらく一瞬で交換してくれるので、料金もそれほど高くはなりません。
整備工場でクリーンエアフィルタの取り付け
整備工場に整備依頼すると、部品代含めて3000円〜6000円程度の交換料金になると思います。(車種による)
アマゾンなどで購入したものを取り付けるなら、持込可能な整備工場検索のグーピットが便利です。
3.衣類についた花粉を落としてから乗車する
衣類には花粉が付着しています
この対策は、家に入るときと全く同じように実施しましょう。
花粉は人間の目には見えにくいですが、花粉が舞っているときの外出は、衣類に相当の花粉が付着しているものです。しっかりと払ってから乗車することはとても効果的です。
4.こまめに洗車する
車のボディーに花粉が大量についています
特に露天駐車の場合、白い車が黄色くなるほど付いている車を時々見かけます。このような車に乗り込む場合、ドアを開け締めするときに大量に花粉が車内に入り込むことがあります。
洗車をこまめにすることは花粉対策にとても有効です。
2.車内の花粉を除去する
これまで説明した「車内に花粉を入れない」ことが最も大事な花粉対策ですが、ドアの開け締め、他の人の乗車、髪の毛への付着、バッグへの付着など、完全に花粉を車内に入れないようにするのは不可能です。
ここでは、車内に入ってしまった花粉を除去する対策を説明します。
- クリーンエア(エアコン)フィルタをこまめに交換する
- 車用クレベリンを施工する
- 車内用空気清浄機を使う
1.クリーンエア(エアコン)フィルタをこまめに交換する
まず一番目の対策として、ページ上部 ”車内に花粉を入れない対策” のところで説明した、クリーンエアフィルタの交換が同じく効果的です。
クリーンエアフィルタは外から花粉の侵入を防ぐことだけでなく、車内に侵入してしまった花粉を取り除く対策としても有効です。但し、交換せず放置しているフィルタでは逆効果になってしまいますので、必ず定期的に交換しましょう。
詳しくは、ページ上部の”クリーンエアフィルタをこまめに交換する”をご覧ください。
2.車用クレベリンを施工する
ラッパのマークの正露丸で有名な、大幸薬品の大ヒット商品がクレベリンです。そして、クレベリンを車内でも使用するためにデンソーと共同開発された商品が車両用クレベリンです。このサービスは主にディーラーなどで、比較的安価で実施されています。
クレベリンは主に「除菌・消臭」に効果があり、インフルエンザ対策や車内の臭いが気になる場合に最も効果があります。花粉を直接除去するような効果はありませんが、極度な花粉症の人に対しては症状を和らげる効果があるようです。詳しくは、ディーラーなど取り扱い店舗に問い合わせてください。
また、クレベリンを実施する際は、クリーンエアフィルタを一緒に交換するのが理想的です。車検や点検のときに一緒に実施してもらいましょう。
料金はクレベリンのみで3000円〜4000円程度、クリーンエアフィルタの交換と一緒で7000〜10000円程度となっています。
3.車内用空気清浄機を使う
車内にも空気清浄機が必要
家の中で空気清浄機を使用している家庭は、実に43%に上るというデータがあります。(2019・日本・二人以上世帯)そして「花粉対策のため」に空気清浄機を使用している人もとても多く、あなたもそのうちの一人ではないでしょうか。もはや空気清浄機は、日本人にとって必要不可欠な家電となっています。
そのような需要を受け、2009年デンソーがシャープと自動車用として共同開発し、大ヒットしたのが、車載用プラズマクラスターイオン発生器です。現在も売れ続けています。
写真は現在の車載用プラズマクラスターイオン発生器で、改良を続けた結果、現在の機能は次のとおりとなっています。
車載用プラズマクラスターイオン発生機の特徴
- USB電源使用可
- ターボ運転機能でイオン濃度3倍、消臭スピード2倍
- 花粉キャッチ
- 浮遊カビ菌を除菌
- 浮遊菌、浮遊ウイルスの作用抑制
- 付着臭、付着カビ臭を分解・除去
- 静電気を抑制
- お肌にツヤ効果
紹介動画(2分以下です)をご覧ください。
この車載用プラズマクラスターイオン発生器は女性に大変人気があるため、女性へのプレゼントとしても最適です。また、デート時の車内にこれがあったらきっと喜ぶ女性も多いはずです。整備士の私が自信をもっておすすめする花粉対策グッズです。
その他、おすすめ花粉対策グッズ
ここからは、上記以外の私のおすすめ花粉対策グッズについてまとめてみましたので、ぜひ検討してください。
車載式ナノイー
パナソニック版車載用空気清浄機です。
本気の車内空気清浄機
パワフルタイプの空気清浄機です。
拭くだけ簡単
大ヒットお掃除クロス
簡単モップ
大人気カーシャンプー
まとめ
- エアコン使用時には内気循環
- クリーンエアフィルタをこまめに交換
- 花粉を払ってから乗車
- こまめな洗車
- 車室用クレベリンを施工
- 車内用空気清浄機を使用
花粉症に悩む人にとって、車の中は家の中と同じように花粉対策が必要です。上記の対策をやるだけやってみて、最も効果のありそうな方法を継続してみてはいかがでしょうか。
まずは花粉を車内に入れないこと、その次に、入ってしまった花粉を除去すること、をしっかりと考えましょう。
以上、車の中の花粉対策でした。