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女性が自動車整備士になれますか?不安・環境・強み・弱みを元デイーラーの一級整備士が解説

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  • 女性が自動車整備士になれますか
  • 女性整備士の実態はどうですか

この記事では、長らく自動車整備士としてディーラーに勤務した管理人の経験や、国土交通省が平成28~29年に行った女性整備士に対するアンケート調査(pdf)を紹介しながら、女性自動車整備士について詳しく解説します。

本気で整備士を目指す女性の方には必ず役に立つ情報です。ぜひ参考にしてください。

目次

女性でも自動車整備士になれるか(就職・転職できるか)

女性でも大きな問題なく自動車整備士になれます

日本における女性整備士(有資格者)の割合は、3.3%、10,930人となっています。(出典:令和3年度版自動車整備白書

決して多くはありませんが、求人もあり、実際に女性の自動車整備士はいます。

未経験・無資格でも整備士になれるのか(就職・転職できるか)

未経験でも、無資格でも自動車整備士になれます

専門学校などで資格を取ってからじゃないと、自動車整備士になれないと思っている人が多いですが、実はそんなことはありません。男性・女性に関係なく、未経験でも、無資格でも自動車整備士になることができます。

実際に、専門学校等に通わずに自動車整備士の仕事をしている人もたくさんいて、働きながら整備士の資格を取得する人も多い業界です。管理人の私も働きながら1級整備士の資格を取りました。

また、現在自動車整備士は人材不足の問題を抱えています。一度求人情報を見ていただくとわかりますが、「自動車整備士、未経験、歓迎」このような求人がたくさんあるはずです。

女性で、未経験で、無資格でも自動車整備士になるチャンスはあります。

働きながら資格を取る方法についてはこちらの記事に書きました。

関連記事>>>自動車整備士の資格を働きながら取る方法

実際の女性自動車整備士が感じている、強み・弱み

現役の女性整備士のアンケートでは、女性整備士としての「強み」と「弱み」を以下のように答えています。

女性整備士の強み

女性整備士

1位 女性客から支持される
車の知識があまりない女性のお客様に対して、同じ女性視点で分かりやすく説明できるため、親しみやすく思ってもらえます。

2位 女性ならではの気配り・配慮ができる
お客様への細やかな気配りや配慮が男性よりもできるため、お客様に喜ばれる。また、職場には男性が多いため、職場の雰囲気を良くすることができます。

3位 話しやすさ•人当たりがいい
女性というだけで、誰からでも話しかけられやすいです。

4位 腕が細いので奥まで手が届きやすい
男性の手が入らない箇所も手が入り、男性にはないきめ細やかな整備作業ができることがあります。

5位 覚えてもらえやすい
女性整備士自体が珍しいのでお客様にすぐ覚えて頂けます。会社の広告塔になれます。

女性整備士のネガティブなイメージを十分払拭できるほど、女性整備士は多くの強みをもっています。この強みは疑いようがなく、男性整備士から見てもとても羨ましい事に間違いありません。

女性整備士の弱み

1位 体力・筋力面で男性に劣る
エンジンやトランスミッションの脱着等、男性の力を借りないと体力・筋力的に一人では難しい作業があります。また、力がなく、力仕事では時間がかかる作業があります。

2位 信頼されにくい
特に若い頃は、男性のお客様に信頼されにくく、技術や知識面から見て頼りないと思われやすいです。

3位 女性特有のライフイベント等が理解されにくい
妊娠となった場合、初期の時点から安全を考えると作業は限られ、作業を外れないといけないものが多く、通常より作業ブランクができやすいです。また、子供ができると仕事と育児の両立が難しいです。

4位 一人で作業を完結できない
車体の大きい自動車(車高が高い等)の場合、手の届かない場所が出てくることがあります。重整備など、力を必要とする作業でも、どうしても男の人の力を借りなくてはい けないところがあります。

弱みについては、やはり体力面の問題が出てきます。しかし、案外整備技術や知識について弱みと感じている人はあまりいないことがわかりますね。

女性整備士を雇用する側のメリット

  • 作業場の掃除や整理整頓など、 作業環境の良化に貢献してくれ ています。 また、女性ならではの視点やセ ンスで貢献してくれています。
  • 女性が職場にいることで 、職場の雰囲気が良くなります。また、お客様対応が上手で、 周りの参考になっています。
  • 女性のお客様からは、女性の整備士がいることで接しやすいという評価を頂いています。

アンケートでは「女性整備士を雇用することで、たくさんのメリットがある」と、多くの整備事業者が答えています。事業者から見て、女性の自動車整備士を雇用することの、最も大きなメリットは「女性のお客様からの支持が得られること」にあるようです。

女性のお客さまにとって、男性の整備士より話しやすいことは間違いありません。

また、女性整備士自身も、整備内容・整備方法等の説明時に、他のものに例えるなど接客面で工夫をしている方も多く、周りの整備士の方の参 考にもなっているという評価が得られています。

但し、残念ですが、同じ条件であれば男性よりも就職・転職できる企業が少ない可能性が高いです。現在、日本の女性整備士の数は、整備士人口30~40万人のうち3~5%と言われており、実際に1万人ほどの女性整備士が働いています。

女性が就職できる整備工場が少ない理由

約半数の事業者(雇用者)が「体力面で不安」と答えている

また、他の技術職系の業界と同様に「出産・育児による長期休業や退職が不安」も、理由の一つになっていることは明らかです。

残念ながら、自動車整備業界の女性進出は、まだまだ遅れているのが現状です。

体力・筋力に対する不安について

女性の体力

それほど心配いらない

体力や筋力がないのは女性に限った話ではなく、とくに新入社員では本当に力のない男性もたくさん存在します。体力や筋力は、程度こそ違いますが、男性の間でもかなり差があります。

しかし、力が必要な場面では、周りにいる同僚に「手伝って」とお願いし、協力しながら作業することが簡単にできます。女性の場合は、お願いする頻度が多くなる可能性がありますが、どちらにしても、整備業界では男性でも日常的にある、あたりまえの話なので、気にするような事ではありません。

女性整備士が抱えている最も大きな不安は、やはり「体力面・筋力面で男性に劣る」という点です。

男性は工具や部品を手のみで持てる場合でも、女性は全身で持たなければならないことがあるなど、小さな一つ一つの作業において、身体的な負担が大きくなることがあります。また、力が必要な作業は男性よりも時間がかかるなど、作業効率が悪くなってしまう場合もあります。

このように、自動車整備士の仕事で体力や筋力が必要な作業は存在します。

但し、一部の作業において”であり、全ての作業において体力・筋力面で大変な訳ではありません。

整備工場には「バスやトラックなど大型の車の整備が多い工場」や「比較的小さな乗用車の整備が多い工場」など、整備する車両の特徴があります。

基本的に、大きな車を整備する場合にはそれなりの体力・筋力が必要な場合が多く、小さい車の整備にはそれほど必要ありません。逆に言うと、一般の乗用車のお客様がメインの整備工場においては、力が必要な場面はそれほど多くありません。

小型車の扱いが多いディーラーなどに就職することで、この問題を回避できます。

最も重要なのは考える力

自動車整備士にとって、最も重要な能力は”考える力”です。

電子制御され、多くのコンピュータが搭載された現代の自動車では、ますますこの傾向が強く、必要なのは力ではなく論理的に車を直せる力です。

「体力や筋力がいる仕事は誰かに任せて、もっと重要な仕事を受け持とう」くらいの感覚で良いのが現在の整備士です。

女性が必要と感じる設備

  • 男女別トイレ
  • 男女別更衣室
  • 男女別シャワールーム
  • 工場内の空調

アンケート結果にもあるとおり、女性整備士にとって、自動車整備工場にこれらの設備があるかどうかは重要です。

アンケート結果では、男女別のトイレと更衣室、工場内の空調関連の設備は、半数程度の整備工場に導入されています。しかし、男女別のシャワーについては、ほとんどの整備工場に無いという結果が出ています。

空調については地域性もあるのですが、設備があると言ってもスポットクーラーやジェットヒーターなどであり、工場全体を温めたり冷やしたりするものではありません。そのため、「夏は暑く、冬は寒い」という整備工場の環境が「整備士は過酷な職業だ」と言われる大きな原因になっています。

もちろんそれは男性にとっても同じくきついです。

女性が気になる制度・体制

  • 産休・育休の取りやすさ
  • 複数人で作業を分散する制度
  • 社内の部署移動
  • 柔軟な勤務時間体制
  • 転勤
  • 産休・育休後の復帰のしやすさ

どれも、どの業界でも女性が活躍する会社に必要な制度・体制ですが、残念ながら自動車整備業界では他の業界よりすすんでいません。もちろん会社にもよりますが、現状、良い制度がある会社は限りなく少ない現状です。

特に必要だと言われるのは「柔軟な勤務時間体制」です。

「夕方は早く帰りたい」「土日は休みたい」など、家庭を持っていれば誰もが当たり前に思うことや、さらに育児中であれば「子供が熱を出した」「子供の登下校の時間」など、柔軟に勤務時間を選びたいと思うことは当然であり、女性の社会進出のキーポイントとなっていることです。

しかし、この体制はまだまだ自動車整備業界には根付いていません。これまで女性整備士がそれほど多くなかった最大の原因もここにあると思います。特にディーラーで働く整備士は、基本的に土・日・祝日全て出勤で、残業が多いのが現状です。

また、自動車整備士の仕事は一度辞めてからの復職が難しいと言われています。料理人や保育士などとは違い、自動車の変化は著しく、10年も経ってしまえば整備する自動車が大きく変わってしまい、ついていけなくなる人がほとんどです。

また、過去に「暑い・寒い・きつい」環境の整備工場で働いていた人は、年を取ってから「また整備士をやろう」という気持ちになることが少なく、男性でも一度辞めてしまった人が復職することはそれほど多くありません。

これらの体制・制度については、就職する前に確実に確認しておくことをおすすめします。なるべく柔軟に対応してくれる会社を探しましょう。

自動車整備士の待遇・給料

自動車整備士の待遇の悪さは、近年SNSなどでとても話題になっています。

「残業の多さ」「薄給」「休みが取れない」など、ネガティブなイメージが定着しています。

SNSに書かれていることは、一部の極端なものがありますが、確かに自動車整備士は他の業種に比べてもあまり待遇の良い業種でないことは間違いありません。

ここで自動車整備士の待遇についてはこちらの記事を参考にしてください。

関連記事>>>整備士の給料・年収の実態【整備士の告白/明細説明】

一般的に言われている整備士の待遇

  • 収入・給料は他の職業に比べて多くはありません
  • 休日・休暇関係は会社によって違います
  • 残業関係は会社によって違います
  • 福利厚生は会社によって違います

また、女性整備士だとしても優遇も冷遇もされません。男性と同じ待遇です。

まとめ

就職・転職して女性整備士になることは、現在はそれほど難しくありません。自動車業界は女性整備士に対する理解が少しずつ進んでいることや、人材不足で多くの会社が悩んでいることも影響しています。

また、女性の自動車整備士にはたくさんの有利な点があります。それはこのアンケート結果からも明らかです。しかし、女性の整備士さんは、就職した後にたくさんの壁が出てくる可能性が高く、続けることが難しいのが現状だと思います。

就職した会社によっても環境が大きく違うため、もし本当に就職を考えるのであれば、事前にしっかりと応募する会社のことをリサーチしたり、慎重に選定する必要があります。しかし、よく考えれば、それは男性整備士でも同じことなのかもしれません。

以上、女性が自動車整備士になれるのかについてでした。

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