2級整備士筆記試験合格率(令和3年10月実施分)
種目 | 合格率 |
---|---|
二級ガソリン | 55.8 % |
二級ジーゼル | 47.1 % |
これから2級自動車整備士の資格取得を目指す人にとって、筆記試験の合格率や難易度ついて、どうしても気になりますね。
上記は令和3年10月に実施された試験の合格率ですが、この数字は全くあてになりません。詳しくはこのまま読み続けてください。
この記事では、2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車整備士の試験(筆記試験)の合格率と難易度、合格のコツについて、一級整備士の資格を持つ筆者が詳しく解説します。
2級整備士取得を目指す人は必見です。
※令和4年1月現在の内容です。
- 2級整備士の合格率
- 2級整備士の合格基準
- 2級整備士の難易度
- 2級整備士合格のコツ
2級自動車整備士(ガソリン・ジーゼル)の試験は、学科試験と実技試験があります。この記事はその中の学科試験(筆記試験)についての解説記事です。実技試験の合格率はこちらをご覧下さい。
>>>【自動車整備士】実技試験の実施状況や合格率を徹底解説
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
2級整備士筆記試験の合格率詳細
近年の2級ガソリン自動車整備士、及び2級ジーゼル自動車整備士の筆記試験の合格率をまとめるとこんな感じです。
結論:合格率65%程度で年々上昇しています
合格率から、難しいと感じるかどうかは人それぞれですね。
以下、種目別に詳しくご紹介します。
2級ガソリンの合格率
合格率:68.0%(過去10回平均)
試験年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
R3年10月 | 2,391 人 | 1,333人 | 55.8% |
R3年3月 | 10,359人 | 9,306人 | 89.8% |
R2年10月 | 1,983人 | 1,024人 | 51.6% |
R2年3月 | 10,154人 | 8,543人 | 84.1% |
R1年10月 | 2,276人 | 1,135人 | 49.9% |
H31年3月 | 10,624人 | 9,270人 | 87.3% |
H30年10月 | 2,281人 | 1,031 人 | 45.2% |
H30年3月 | 11,540人 | 10,183人 | 88.2% |
H29年10月 | 2,610人 | 1,107人 | 42.4% |
H29年3月 | 12,057人 | 10.362人 | 85.9% |
平均 | 68.0% |
2級ジーゼルの合格率
合格率:66.6%(過去10回平均)
試験年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
R3年10月 | 454 人 | 214人 | 47.1% |
R3年3月 | 7,720人 | 7,374人 | 95.5% |
R2年10月 | 520人 | 224人 | 43.1% |
R2年3月 | 7,738人 | 6,967人 | 90.0% |
R1年10月 | 422人 | 195人 | 46.2% |
H31年3月 | 8,277人 | 7,732人 | 93.4% |
H30年10月 | 455人 | 166人 | 36.5% |
H30年3月 | 9,011人 | 8,280人 | 91.9% |
H29年10月 | 401人 | 116人 | 28.9% |
H29年3月 | 9,412人 | 8,818人 | 93.7% |
平均 | 66.6% |
3月と10月の合格率が違う理由
2級ガソリン、2級ジーゼルの筆記試験は、共に3月と10月の毎年2回実施されています。
実施月別データ(2級ガソリン)
3月の試験 | 10月の試験 | |
---|---|---|
合格率平均 | 92.9 % | 40.4 % |
受験者数平均 | 8,432人 | 450人 |
実施年月別にデータを見ていくと、どちらの試験も3月に実施されたものと、10月に実施されたものの合格率に大きな差があることがわかります。
これは、決して3月の試験が簡単な訳ではありません。
また、受験者の数にも大きな違いがあります。
なぜこのように3月の試験と10月の試験の合格率に差がでるのかというと、「3月と10月の試験では受験者が違うから」です。詳しくは後述します。
受験者の属性による合格率の違い
前述した合格率は、試験の運営をしている(一社)日本自動車整備振興会が公開している正確な合格率なのですが、このデータではわからないことがあります。
それは受験者の種別(属性)による合格率の違いです。
専門学校等の2級課程卒業した人の合格率と、一度社会人となって働きながら受験する人の合格率が大きく違うという事実があり、それがこのデータからはわからないのです。
ここで言う受験者は3パターン
- 専門学校等で2級整備士課程を卒業した人
- 働きながら整備振興会の講習を受けた人
- どこの講習所にも通わず、自分で勉強した人
この中で、最も合格率が高いのが、「専門学校等で2級整備士課程を卒業した人」です。つまり学生ですね。
学生の合格率は高く平均値を大幅に引き上げています。
専門学校等で2級整備士課程を卒業した人の合格率
専門学校卒業者の合格率は95~97%
ガソリン、ジーゼルの両方において、100%に近い合格率となっています。
専門学校等の2級整備士課程では、2年間就学することで2級ガソリン、ジーゼル両方の資格取得を目指します。2年間学校で集中して勉強し、徹底的に試験対策をしますので、合格率が高いのです。
専門学校に通い、2級取得できない人はとても少なく、受験しなかった人や、学校にもろくに出席しなかった人が大半を占めます。
そして、2級の筆記試験を受ける受験者の65%くらいの受験者が、専門学校や大学の2級整備士課程を卒業した人です。
働きながら整備振興会の講習を受けた人の合格率

働きながら整備振興会の講習を受けた人の合格率は60~90%
整備振興会の講習は、働きながら、半年程度、週1回程度の講習ですので、専門学校卒業の受験者よりも、合格率が低くなってしまいます。
それでも整備振興会では専門学校同様に、2級筆記試験合格のノウハウをかなり持っていますので、まじめに通っている人は大抵の場合、合格します。
そして、2級の筆記試験を受ける受験者の2割くらいの受験者が、働きながら整備振興会の講習を受けた受験者です。
どこの講習所にも通わず自分で勉強した人の合格率
どこの講習所にも通わず自分で勉強した人の合格率は20~40%
どこの講習も受けいてない受験者は、当然、他の受験者よりも合格率がかなり低くなってしまいます。
2級の筆記試験を受ける受験者の1~2割くらいの受験者が、専門学校にも、振興会の講習にも通わず、自分で勉強していた受験者です。
3月実施の試験の合格率が高い理由
3月の試験の合格率が高い理由は、合格率がほぼ100%の専門学校を卒業した受験者の割合が高くなるから
専門学校のサイクルでは、全員が3月に受験するため3月の受験者数が大きく増えます。
そして、その受験者のほぼ全員が合格します。なので、3月実施の試験の合格率を跳ね上げるのです。現役の学生は10月の試験を受験しません。
一方で、10月の受験者数は、学生がいない分かなり少なくなり、次のような受験者の割合が高くなります。
- 整備振興会の講習を受けた人
- どこの講習にも通わず受験する人
- 専門学校を卒業したが、3月の試験に不合格になってしまった人
これらの人が受験する10月の試験は、どうしても合格率が下がってしまいます。
- 学生の多い3月→合格率高い
- 学生の少ない10月→合格率低い
チェック
試験問題の難易度を考える場合に、合格率で難易度を考えるのは上記理由から難しいです。試験の難易度は毎回それほど変わらないのに、合格率は毎回変わってしまいます。
試験の出題形式と合格基準
また、分野ごとに責任点(必ず取らなければならない点数)が設定されており、全ての分野で40%以上となっています。
2級自動車整備士の難易度と合格のコツ

合格率については、今まで書いた通りですが、難易度についてはどうでしょうか。
合格率 = 難易度ではない
と、前述しましたが、具体的に知りたい方に向けて、ここからはあくまでも私個人の見解で、難易度を説明させてもらいます。
2級整備士の資格を取得し、その後1級整備士の資格を取得した私の経験から、言えそうなことだけまとめてみましたので、参考にしてください。
2級整備士試験の難易度の指標と合格のコツ
是非参考にしてみてください。
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まとめ
- 専門学校等を卒業した人の合格率は、ガソリン・ジーゼルともに95%以上
- 整備振興会の講習を受けた人の合格率は、ガソリン・ジーゼルともに60~90%
- どこの講習所にも通わず自分で勉強した人の合格率は20~40%
- 3月と10月の試験で合格率が違うのは、学生が多いか少ないかであり、3月の試験が簡単なわけではない
- 試験は勉強しないと、合格できない
- 過去問を勉強する事が合格への近道
以上、2級整備士資格の難易度や合格率でした。参考にしてください。