- ディーラーの下取り価格が適正なのか知りたい
- ディーラーで下取りすることのメリットが知りたい
- ディーラーで下取り価格が0円と言われたけど、本当か知りたい
- 他の買取業者について知りたい
最近、このように思う人が増えているようです。それもそのはず、買取業者が増えて、利用者も増えているからです。
この記事では、ディーラーの下取り価格、安い理由、メリット・デメリット、他社の買取について、元ディーラー整備士の管理人が解説します。
ディーラー下取りに出す前に、必ずチェックしましょう。
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
ディーラーの下取り価格は安い
ディーラーの下取り価格は、大抵の場合、他社の買取金額より安いです
もちろん、ディーラーや車種、イベントやキャンペーンなどの場合によっては、そうとも限りませんが、私の長年のディーラー経験からしても、大抵の場合でディーラーの下取り価格は安いと言えます。
ディーラーの下取り価格が安い理由
中古車の販売能力が他の業者より低いから
他にもいろんな理由がありますが、根本的な理由はここにあります。
意外に思うかもしれませんが、トヨタやホンダのディーラーと呼ばれる車屋さんは、他の中古車専門業者・買取業者より、回転が悪く、販路も少ないので、中古車をうまく売りさばくことができません。
少し詳しく説明すると、ディーラーでは基本的に、下取りした車は自社の中古車として販売することになります。
ディーラーの中古車はしっかり整備して、保証などをしっかりつけて販売しなければなりませんので、中古車も専門業者に比べて価格が高くなりがちです。
ギリギリまで下取り価格を上げてしまえば、店頭に並べる中古車価格をさらに上げなければならなくなり、タダでさえ販売能力が低いディーラーでは、中古車を販売することが難しくなったり、赤字となって販売せざるを得なくなってしまうので、下取り価格を他の業者と同じように高くできない傾向にあります。
一方、現在の大規模中古車専門業者、買取専門業者は、インターネット販売などを利用し、全国を股にかけ中古車を販売しますので、回転が早く、薄利多売ができます。
さらに、販売が困難になった車でも、海外への輸出や、パーツを販売したりしますので、とにかく販路が多く、利益を取りやすい体制・システムが出来上がっています。
結果、中古車専門業者や買取専門業者はギリギリまで下取り価格・買取価格を高くできます。
ディーラーが安いというより、最近の買取業者の買取額が異常に高いと言ったほうが、適切な表現なのかもしれません。
ディーラー下取りのメリット
- 面倒がない
- 新車購入の交渉に使える
- 納車の日まで、ちゃんと乗れる
- 安心・信頼できる
もちろん、ディーラーの下取りには、価格だけでは無いメリットがありますので、確認しましょう。
1.面倒がない
新車を購入するディーラーの担当セールスマンとだけやり取りをすればよく、手続きや書類の準備など全てやってくれます。
車の売却方法としてはもっとも手間がかからず、楽な方法かもしれません。特に忙しい人には向いています。
2.新車購入の交渉に使える
ディーラーの下取りというのは、新車販売に付随するものなので、新車購入の交渉の幅が広がります。
実際に、下取りがあるお客さんと無いお客さんでは、全体として値引きできる幅が変わります。
- 「この新車が売れるなら、下取り車で利益を出せなくてもいいので、下取り価格を限界まで上げよう」
- 「会社のルールでここまでしか値引きできないので、下取り額を上げることで、実質値引きしよう」
ディーラーやセールスマンサイドでは、間違いなくこのようなことを考えていますので、下取りがある場合は、より交渉する価値が出てきます。
3.新車が納車する日まで、ちゃんと乗れる
下取りに出すということは、新車が来るまでは、その車を乗れるということ
当たり前のように感じるかもしれませんが、中古車業者や買取業者に依頼した場合は、即時売却を求められることがほとんどです。なぜなら、中古車市場は常に動いていて、車の値段は日に日に下がっていくからです。
中古車業者や買取業者は基本的に「今ならいくらで買取します」というスタンスですので、「2ヶ月後の新車納車のタイミングで売りたいけどいくらですか?」と聞いても、はっきり答えない可能性があります。
また、特に最近、世の中の不安定な情勢により、新車の納期(納車日)が遅れる傾向があるので、そういう契約自体をしない可能性が高いです。
ディーラーの場合は、新車を契約したときに下取りの契約も完了していて、例え納車が2ヶ月後だとしても、遅れてしまったとしても、下取り額が下がることはないので安心です。
4.安心・信頼できる
ディーラーと交わす契約や、アフターなどについては、ディーラーは基本的には安心できます。
もちろん、下取りと同時に新車を購入していますので、ディーラーサイドからすれば、これで終わりのお客さんではありません。その後も、良いお客さんとして、丁寧なお付き合いが続くのは間違いありません。
一方、買取業者には悪徳業者もあるため、時々いろんな被害を受けるケースがあります。
具体的には、買取に出した車の納税証明書が届くなどで、これについては後述します。
ディーラー下取りのデメリット
下取り価格が他社の買取金額より安い
デメリットはこれにつきます。
いくつか、最近の管理人の経験で具体例を出します。
ディーラーの下取り額 | 買取業者の買取額 | |
---|---|---|
T31エクストレイル | 55万円 | 85万円 |
LA100ムーブ | 22万円 | 41万円 |
E12ノート | 37万円 | 50万円 |
※どちらの金額も、交渉前の提示金額です。
車種、年式、走行距離などによって、もちろん異なりますが、基本的には買取業者の方が金額が高く、50万以下の下取り査定額であれば、倍額になることもめずらしくありません。
管理人がディーラーにいた頃にも、お客さんからよく相談されましたが、私がいたディーラーではどんなにがんばっても、買取業者の金額を提示することはできませんでした。
価格を比較することはマスト
ディーラーに下取りに出すことを決める前に、必ずディーラーの下取り価格と、他の買取業者の価格を比較する
上述の通り、下取り額が安いとしても、ディーラーに下取りを出すメリットがあるので、どちらがいいとは一概に言えません。
しかし、大きな損をしないために必ずやるべきことは、ディーラーの下取り額と、買取額を比較することです。
他の業者の買取価格がわかれば、下取りに出さないことはもちろんですが、ディーラーとの価格や条件交渉に使うこともできます。
とにかく選択肢を増やして、少しでも損しないように車を売りたい場合は、他の買取業者などと比較することがとても重要なことです。
ディーラーに下取りに出すメリットを、一蹴するような金額の差があれば、誰もが考え直すはずです。
そして、今はインターネットなどを使って、他の買取業者の買取価格をとても簡単に知ることができます。見積もりも無料です。
たくさんの人が「とりあえず買取業者で査定」という行動を取っている理由になっています。
ディーラーの下取り価格が0円・廃車でも
買取業者ではお金になる可能性が高いです
ディーラーで下取りがつかない・0円と言われた場合でも、買取業者の場合値段が付く場合がよくあります。
また、上述したように販路がたくさんあるので、中古車としての価値がないとしても、買取してくれますし、廃車専門の業者も存在します。
ディーラーの下取りが0円だとしても、買取業者に一度査定してもらうことが重要です。
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ディーラー以外の査定価格を知る3つの方法
- 大手買取業者に依頼する方法 →無難で手軽
- 一括査定 →最も高く売れるが、面倒とトラブルも
- オークション系 →一番おすすめ、でも売る前提かも
ネットで査定依頼する場合、主に上記3種類あります。
でも、特にデメリットが多く注意が必要なのは、最も高く売れる可能性が高い「一括査定系」です。詳しくは後述します。
1.大手買取業者に依頼する方法
買取業者を一社選んで、査定を依頼する方法
大手の車買取・査定業者には【カーセブン】などがあります。
車の買取業者といってもピンきりで、残念ながら悪徳業者も存在しますが、大手の業者であればある程度安心できます。まずは口コミや評判をチェックしましょう。
失敗しないコツは、必ず口コミ・評判を調べることです。必ず実施してください。
悪徳買い取り・査定業者
- 誇大広告
- キャンセルできない
- なかなか振り込みしない
- 常識のない担当者
- しつこい電話連絡
- 車を見ないで金額を提示
- いきなり車を持っていかれる
このような、中古車の買取時にトラブルになるケースが後をたちません。
そして、ネットで決める時も、かなり多くの誇大広告サイトがあるので、いきなり最初からネットの情報を鵜呑みにするのはよく有りません。
基本的な査定の流れと注意点
- こちらから申し込む
- どこかで車を業者に査定してもらう
- 買取価格を提示してもらう
- 売る・売らないはこっちが決める
これが買取業者による査定の流れです。この順番で進まなければ、あやしい業者かもしれないので、注意してください。
2.一括査定
一回の申し込みで、複数の業者に査定・見積もりを取る方法
一括査定は、多少面倒があるものの、1円でも高く車を売りたい人に向いています。
例えばカーセブン一社のみで査定するよりも、他の複数の業者でも査定すると、っと高く売れる可能性があります。
しかし、また他の業者を探して査定を依頼すれば手間が2倍になり、3倍になります。
そこで登場したのが一括査定サービスで、サービスに一度申し込めば、一気に複数の業者に情報が伝わり、それぞれに査定をしてもらって最も高い査定額を提示してくれた業者に売ることができるというものです。
近年車の売り方で多いのがこの方法で、最も車を高く売る方法と言われています。
- 楽天 無料愛車一括査定→楽天ポイント大量獲得
- 査定比較.com
一括査定のデメリット
すぐにたくさんの業者とやり取りが必要
一括査定に申し込むと、そのあとすぐに複数の業者があなたに連絡をしてきます。査定の日程調整や、いち早くあなたにアポを取りたがるためです。
確かに一括査定は、複数の業者から査定してもらって、最も査定額の高いところに売る事ができますが、あまりに多くの業者とやりとりするのには時間と手間がかかります。
また、すでに他の業者に決めてしまった後に別の業者から連絡がきたり、しつこく連絡されることもあります。
さらに、一括査定をするということは、多くの業者にあなたの個人情報が流れるということです。
こんなデメリットが嫌だと感じるなら、一括査定は辞めたほうがいいです。
ただし、最近の一括査定は、あなたが業者や業者の数を指定することができます。利用するのであれば、聞いたことがある業者2〜3社くらいを指定するといいです。
そして、このような一括査定のデメリットがなく、最近のトレンドになっているのが次に紹介するオークション系です。チェックしてください。
3.オークション系
最近登場したサービスで、こちら2つのサイトがよく話題に上がります。
一括査定のデメリットである、複数業者とのやり取りをなくしながら、最も高く売れるところをあなたの代わりに探すようなイメージです。
近年利用者が増えていて、楽天も参入しました。
ただし。オークション系は売ることが前提である可能性があります。迷っている状態であれば、査定をしてもらってから考えましょう。
詳しくは、それぞれのサイトでしっかりと確認してください。特に、キャンセルできるかについては必ず確認してください。
ディーラーの下取りが向いている人
- 楽に済ませたい人
- 絶対にトラブルに会いたくない人
- ディーラーとの関係をより深くしたい人
ディーラー下取り額が安いという、デメリットを考慮した上でも、上記のような人はディーラーでの下取りが向いています。
ディーラー以外の買取業者が向いている人
- 1円でも高く売りたい人
- 高く売るためなら、多少の労やリスクもいとわない人
上記のような人は、買取業者が向いています。
まとめ
ディーラーの下取り価格は、買取業者の買取価格より安いことが多いです。そして現在は、ディーラーの下取りを利用せず、買取業者に引き取って貰う人がとても増えています。
いずれにしても、まずは査定してもらって、買取業者の価格を知ることが一番大切です。価格を比べてあなたが決めればいいだけです。
- 大手買取業者に依頼する方法 →無難で手軽
- 一括査定 →最も高く売れるが、面倒とトラブルも
- オークション系 →一番おすすめ、でも売る前提かもリスト
車は一生のうちに何度かしかない、とても高価な買い物です。ディーラーに下取りしてしまってから、「損してしまった」と後悔しないように慎重に検討しましょう。
以上、ディーラーの下取り価格についてでした。
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