- ディーラーからいろんなものを勧められるけど、ほんとに必要なのか判断できない
- 欲しい用品だけど、他で買ったほうが安いのではないかと不安
新車購入時、それほど車に詳しくない人は、このような疑問や不安を持つ人が多いです。カー用品にはディーラーで購入するのがいいものと、ディーラーで買うと価格が高く大きく損してしまうようなものがあります。
この記事では、新車購入時にディーラーから購入したいもの・購入してはいけないものについて元ディーラー整備士の管理人が答えます。
この記事を読んで、用品の購入や取付をお得に済ませましょう。
重要度が高い用品から説明し、後半では、新車におすすめのカー用品も紹介します。※2023年8月現在の情報です
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっています。(seibisi_net)
用品別ディーラー購入が良いもの
ディーラーで買ってはいけないものを整理すると以下のようになります。管理人の個人的な意見ですので参考程度にしてください。
◎:ディーラーが適
▲:条件による
✕:ディーラーは適さない
用品・サービス | ディーラー購入が適する |
---|---|
ドライブ レコーダー | ✕ |
ETC車載器 | ◎ |
メンテナンス パック | ▲ (必要か検討) |
ドアバイザー | ◎ |
フロアマット | ◎ |
スタッドレス タイヤ | ✕ |
カーナビ オーディオ | ◎ |
ボディ コーティング | ◎ (必要か検討) |
下廻り塗装 | ◎ (必要か検討) |
ドライブ・レコーダー
ドラレコは、ディーラーで買うと、価格が高い場合が多い
ドラレコは現在の必需品と言えます。せっかく購入した新車が当て逃げやいたずらの被害にあうのは誰でも落胆するはずです。
そのようなドラレコですが、私ならよっぽど良い条件でない限り、ディーラーからは購入しません。なぜなら、純正品のドラレコは価格の割に使いにくいと思うからです。
トヨタだと、モニターがなかったりします。(ナビと連動していてそれがウリですが、私には良いとも思えない)
ネット購入は取付に困ることもあり面倒もありますが、それでもドラレコの場合は、ネットで良いものを買って、どこかで取り付けてもらったほうが安上がりだと思います。ディーラーから買う前に、まずはコスパの高い人気のドラレコの値段を確認してください。
ドラレコは前後カメラを
ドライブレコーダーはフロントカメラだけではなく、リヤカメラも付いているものを購入することをおすすめします。フロントカメラだけでは、あおり運転対策にならないので、リヤカメラはマストです。
ドラレコの安い取り付け法
ネットで安く買って、ディーラーで無料で取り付けてもらうのがベスト
ディーラーに部品を持ち込むのは、ずうずうしいと思われるかもしれませんが、最初からそういう条件で新車を購入するということであれば、問題ありません。管理人の経験上も、そういう人も少なからずいます。「無料で」が難しい場合でも安く取り付けることが可能な場合が多いです。
但し、「事前に相談」が重要です。購入を決めてからそういうお願いをするとかなりの確率で嫌がられますので、注意してください。
ディーラーでのドラレコ持ち込みについては、こちらの記事で詳しく書いていますでのご参考に。
「通信ドラレコ」もおすすめ
通信ドラレコとは、常時ネット通信を行い、クラウドでデータ管理などができるサブスク型のドラレコです。2021年、カー用品大手のパイオニアから初めて通信ドラレコが市販され話題になりました。
通信ドラレコについてはこちらの記事で詳しく説明しています。近い将来は通信ドラレコが主流になる可能性があります。
ETC車載器
ETCはディーラーで購入するがおすすめ
ETCはアマゾンなどの大手ECサイトで購入しても、カー用品店で取り付けても、それほど値段が変わりません。
また、ETC購入時には車検証の情報がいることや、ネット購入は「取り付けをどうするか」を考えなければならないので、少々面倒が多いです。
ETCはディーラーで買ってきれいに取り付けてもらうことをおすすめします。
但し、値段はディーラーにもよると思いますので、一応ネット通販各社の値段を確認して比較してみてください。
これから購入するなら【ETC2.0 】がおすすめです。現在圏央道(関東)で2割引になります。関東を走る機会がない人は【ETC1.0 】でも十分ですが、将来使用できなくなる可能性があります。
ETC2.0と1.0の違いについてはこちらの記事を参考にしてください。
外部リンク>>>ETC総合ポータルサイト
今の車に付いているETCを取り付けることは可能か
ディーラーに相談すれば受け入れてくれることが多い
車両を購入する契約前に言えば、おそらく、快くOKしてくれると思います。後で言うと嫌がられて、有料と言われる可能性があります。
ETCは、それほど機能に違いは無いので、使えればなんでもいいと思う人も多いはずです。今までの車に付いていたものを外して新車に取り付けることはなんら問題ありません。自分ならそうします。
メンテナンスパック
車検整備付きのメンテナンスパックならメリットが大きいのでおすすめ
ディーラーで新車を購入する場合、メンテナンスパック、点検パックといった商品を必ず勧められます。これは将来の点検や車検の料金を、前払いすることで、割安で点検や車検を受けられるサービスです。
メンテナンスパックに入会するかどうかについては、迷われる人がとても多いですが、サービス内容に、3年後の初回車検時の整備料金が含まれている(36ヶ月)のであれば、入会を検討すべきです。
そうでなければ、メリットは小さいので私なら入会しません。慎重に検討してください。
メンテナンスパックについては、さらにこちらの記事で言及しています。悩む人はしっかり確認してください。
ドアバイザー(サイドバイザー)
ドアバイザーはディーラーの純正品を取り付けるのがベスト
- 新車時に取り付けることが重要(将来的に剥がれる事が少ない)
- 車にピッタリのものがかっこいい
- 社外品に粗悪品が多く、わずか数年で劣化し、ひどい姿になる場合がある
買うならディーラーの純正品一択です。長年、車のバイザーを見てきた整備士の意見です。参考にしてください。
ドア(サイド)バイザーは、わずかにガラスを下げて換気したい時に、雨除けになるものです。また、車両外観にも影響します。
日本では新車購入する人のほとんどが取り付けますが、最近取り付けない人が若干増えてきています。機能面では、雨天時の換気に役立ちますが、「そういう換気をあまりしたことが無い」という人には必要ありません。
車両の外観の好みで、ある方がよいか・無い方が良いかで購入を判断しても良い部品です。
フロアマット
フロアマットはディーラーの純正品を取り付けるのがベスト
- ジャストフィットしない社外品は、使用中ずれることが多い
- 社外品で純正品より良いものを見たことが無い
フロアマットは、特に運転席の乗車の度に踏まれ続けるものですが、純正品は10年間踏まれ続けても外観や性能を保てるように設計されています。
純正品は価格が高いイメージかも知れませんが、それなりの性能を備えています。
例えば、自宅の玄関マットでも10年間同じものを使用すれば、良いものと、粗悪品では差があることはイメージできると思います。同様にフロアマットにはそれなりの性能が必要です。
フロアマットは、性能の高純正品を購入することを強くおすすめします。
スタッドレス・タイヤセット
スタッドレス・タイヤセットはネット通販が圧倒的に安い
スタッドレス・タイヤセットこそが、ディーラーから買ってはいけないものです。
スタッドレス・タイヤセット(タイヤとホイール)が必要な地域に住む人の間でも、タイヤセットをディーラーから購入する人と、それ以外のところから購入する人に別れます。一般的に、お金に余裕のある人以外はディーラーから買わない傾向にあります。
その中でも「こだわりがある人」や「安く済ませたい人」はディーラーからは買わない傾向にあります。
買ってはいけない2つの理由
- ディーラーは値段が高い
- 街中に同じデザインのホイールが出回る
1.ディーラーは値段が高い
単純に同じホイールとタイヤだとしても、ネットで購入した方が安い場合が多いです。
2.街中に同じデザインのホイールが出回る
価格の安いスタッドレスタイヤ・セットを販売しているディーラーもあり、お得なこともありますが、街中に、同じディーラーから、同じように買ったと思われる、同じデザインのホイールを装着した同じ車をよく見かけることになります。特に軽自動車はそういうことがよく起こります。
メーカーのエンブレムが入ったホイールなら、同じでも全然問題ないですが、安そうな社外品なのに隣に並んだ車と同じホイールだったりすると、残念な気持ちになる人も多いです。「なんのこだわりもないし、安いものが良い」という人でも、ネットで買えば好きなデザインを選べますし、安いです。他の車と被ることもそうはありません。
そもそもディーラーから買うメリットがあまりありません。
スタッドレス・タイヤセットはインターネットで購入することをおすすめします。ホイールとタイヤを組んだ状態で送ってくれますので、手間もそれほどかかりません。スタッドレス・タイヤの費用を抑えて、他の所にお金を使いましょう。
新車購入にスタッドレスタイヤセットのお得な購入方法を詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。メリット・デメリットも解説しています。
カーナビ・ディスプレイオーディオ
こだわりがなければでディーラーで買うべき
- 比較的安価で、種類も選べる
- 性能は他で買うものと同等
- 取り付けた時に、きれいにスッキリおさまる
- ステアリングに付いているスイッチと連動する(音量調整など)→大事
ディーラーのナビはだいぶ安くなりました。また、ディスプレイ・オーディオも純正がおすすめです。
現在、ディスプレイ・オーディオやカーナビをディーラーで買わない人のほとんどが、それよりハイスペックなものを求めている人だと思います。
但し、ディーラーによって価格が大きく違いますので、ネット通販のカーナビやディスプレイオーディオの価格をチェックしてから購入を決めてください。
ネット購入の場合は取付工賃(1〜2万円程度)も発生しますので、考慮してください。
最も安い取り付け法
ネットで安く購入して、ディーラーで無料で取り付けてもらう
「やっぱりネットで好きなナビを買って取付けたい」という人は、契約時から持ち込み取付が可能かどうか、営業の方に聞いて、頼んでおきましょう。
ただし、次の点に注意してください。
- 早く部品を準備すること
- 取付に必要な部品を全てそろえること(車種別専用ハーネスなど)
取付に必要な部品が足りないことが実際によくあります。ディーラーに大きな迷惑がかかるだけでなく、納車日が遅れます。
ボディーコーティング
「少しでも効果あるなら高くても施工したい」という人であれば施工すべき。無理してまで施工する必要はない。
ボディー(ガラス)コーティングは、車のボディー表面に薬剤等でコーティングすることで、汚れや傷を付きにくくするものです。施工方法は上記写真のように、整備士が手で2〜3種類の薬品を重ねて塗っていきます。
特に、新車の時に実施することが大きな意味を持ちます。
近年さまざまな商品が登場し、施工する人も増える傾向にあり、仕上がりはとても美しいです。
ボディーコーティングに関しては、施工したほうが良いことに間違いはありません。問題は施工価格です。
相場は3〜10万円
ボディーが大きい車ほど価格が上がります。
また、仕上がりの美しさは間違いなく素晴らしいのですが、その効果がどれだけ持続するかについては、個人的には懐疑的に思っています。私が知っている限りのボディコーティングでは、1年も経てば、施工していない車と施工した車で目に見える差が無いことが多いです。数年後までの効果持続については、期待しないほうが良いかもしれません。
ボディコートの誇大広告に注意
- 一年に一度の洗車でOK
- 3年後も新車の輝き
このようなボディーコーティングのチラシをたまに見かけますが、私の経験からするとこれは言い過ぎかなと思います。
ディーラー以外の業者による施工
ボディーコーティングはディーラー以外の整備工場などでも実施可能です。専門業者も多数有り、ディーラーよりも高性能なコーティングを安価で提供するところもあります。
高級車ユーザーの間では「ボディーコーティングは必須」になっている傾向にあり、ネットで検索するといろいろ出てきます。興味のある人は検討してください。
検索する場合は、「ボディーコーティング」「ガラスコート」「カーコーティング」などのワードで検索してください。
自分で施工することも可能
ボディーコーティングの料金は、ほとんどが工賃で、施工に必要な部品(薬品)代はそんなに高くないです。また、特別な道具も必要ないので、自分で施工することで極端にコストを抑えることができます。
ボディーコーティングの施工については、車の手洗い洗車がしっかりできる人であれば、説明書を見ながら問題なく施工できます。
- ピカピカレイン 楽天市場、洗車・ケア用品ランキング1位常連のガラスコーティング剤
- ギガクリスタルMK-10H 女性の方でも簡単に施工することができる画期的なコーティング剤
ピカピカレインは昔からあり有名です。施工後はディーラーのものに遜色なく美しく仕上がります。
下回り塗装(アンダーコーティング)
「長く乗りたい」という人や「サビやすい環境条件」に当てはまる人は、新車時に施工するのがおすすめ
上記写真のように、車の下側に錆(サビ)止めの塗装を施すことを下廻り塗装(アンダーコーティング)と言います。これも、近年新車購入時によくディーラーから勧められる商品になりました。
下廻り塗装の目的は、最も過酷な条件にさらされる車の裏側に強力なサビ止めを施し、様々なパーツの保護をすることで、最終的には車の寿命を伸ばすことにあります。
車の裏側部分のサビ、腐食は一般の方にはわからない所ですが、10年以上経過した車はおそらくみなさんが思うよりも酷くサビています。自転車を屋外に10年間放置するとどうなるかを考えれば理解しやすいでしょう。
長く乗りたい人や、後述する「サビやすい環境条件」に当てはまる人は、施工するに越したことはありませんが、車を10年以内で乗り換える人には必要ないかもしれません。
下廻りの塗装は、新車時に行うのが最も効果的ですので、ディーラーで納車前に実施するのが良いです。
車がサビやすい環境条件
- 海辺で使用、駐車
- 積雪地の走行多い
- 未舗装地に露天駐車
上記の条件に当てはまる車は極端にサビが進行します。一つでも該当すれば、自分の車は錆びやすいと思ってください。
下廻り塗装の効果
近年の下廻り塗装の効果は絶大
整備士としての経験では、下廻り塗装を施した車は、3年後も、5年後も、7年後も、効果がはっきりと見て取れます。車検の度に確認できるので、整備士にはその効果がよく分かります。特に新車時に施工することに大きな意味を持ちます。
下廻り塗装の施工価格
3〜10万円くらいが相場
安くはないでかもしれませんが、下廻り塗装の作業は大変で自分では施工することができません。
具体的な作業内容は、車をリフトアップして、タイヤを外して、ボディーに塗料がかからないようにしっかり保護して、ガスマスクをつけて強力な薬品を噴射していきます。長い目で見れば、多少高い料金を支払っても、施工する価値はあります。
特に、上記サビやすい車の条件に当てはまる人は、前向きに施工を考えたほうがよい商品です。「長く乗らない」「車がサビやすい環境条件に当てはまらない」場合は、施工しなくとも全く問題ないと思います。
仕事で使う車に効果的
下廻り塗装は、ハイエース、軽バン、軽トラなど、仕事で使用する車に効果的で、明らかに寿命を延ばせます。
過酷な条件で使用する車であるほど、必要になってくるのが下廻り塗装です。
車は一部の部品が壊れた場合は、交換すれば直せますが、車のボディー全体がサビて腐ってくると、修理するのが難しく、一般的には寿命となります。物の全ての柱が腐っている状態から建物を直すことが難しいのと同じです。
人気・おすすめ・便利なカー用品
ここからは、ディーラーでは販売していないような、人気のあるカー用品、おすすめのカー用品、ちょっとした便利なカー用品を紹介します。
新車に取り付けるカー用品も楽しみながら、購入を検討してください。
空気清浄機
自動車の室内用空気清浄機は、10年以上前にデンソーがシャープと協力して制作・販売した商品が大ヒットし、その後カー用品の定番となりました。
花粉症の人には特におすすめです。車内の花粉の量は家の中の比較になりません。
定番は、やはりシャープのプラズマクラスターと、パナソニックのナノイーです。
車内消臭
近年は、匂いをつける芳香剤ではなく、「車内を消臭する」という考え方で消臭剤のほうが売れるようになっています。せっけんの香りや、ほんのり柑きつの香りなどするものも売れています。
タイヤ・チェーン
2018年のタイヤ・チェーン規制により、たくさんの人が車に積んでおくようになりました。これがないと、楽しい旅行で目的地につかない可能性が出てきます。
上記は軽自動車用。購入はタイヤサイズ適合確認と、チェーン規制対応かどうかの確認必要。
詳しくはこちらの記事に書きました。
ナンバープレート盗難防止
ナンバーを普通の工具では外せなくするものです。ナンバーの盗難はかなり面倒なことになるので、おすすめです。
タイヤ・ホイール盗難防止
高級車や高級ホイール装着車は特に必需品。タイヤは本当によく盗難されます。
ワイヤレス充電可能スマホ・ホルダー
新しい車にワイヤレス充電機能がついていたら真っ先に購入したいのがこちらです。
この商品はかなりロングセラーの有名品。
保温保冷対応車載ドリンクホルダー
シガーソケットから電源を取れば、温めたり冷やしたりできます。夏はコンビニアイスコーヒーを、冬はコンビニホットコーヒーを入れて使用します。
ラバーマット
ゴムのマットはフロアマットの汚れが気になる人や、室内を土禁にしたい人には必需品です。
ボディーカバー
いたずら防止、台風対策など、いろいろ役に立ちます。特に駐車場が遠い人や、普段それほど車に乗らない人はあったほうが良いです。
インバータ・コンバータ
これがあれば、車の中で普通の家電が使えます。
USBソケット
シガーソケットより、USBソケットのほうが何かと便利です。
車載工具セット
必ず役に立つ時が来ます。
まとめ
ディーラーで買ってはいけないものを整理すると以下のようになります。管理人の個人的な意見ですので参考程度にしてください。
用品・サービス | ディーラー購入が適するか |
---|---|
ドライブレコーダー | ✕ |
ETC車載器 | ◎ |
メンテナンスパック | ▲(必要か検討) |
ドアバイザー | ◎ |
フロアマット | ◎ |
スタッドレスタイヤ | ✕ |
カーナビ・オーディオ | ◎ |
ボディコーティング | ◎(必要か検討) |
下廻り塗装 | ◎(必要か検討) |
以上、新車に必須・おすすめのカー用品とディーラーで買ってはいけないものについての説明でした。