自動運転や自動ブレーキが装備されている車のガラス交換や、カメラやセンサーなどを整備する場合には、エーミングと呼ばれる特殊な整備作業が必要です。
エーミングは以前から馴染みのある整備内容ではないので、エーミングにかかる料金・工賃について気になる自動車ユーザーさんや整備士さんも多いです。
この記事では、エーミングにかかる料金について、整備士ねっとチームが詳しく解説します。
エーミングの料金
- 車種、作業、整備工場、地方によって大きく異なる
- 大衆車であれば30,000円くらいが上限か
車種 | 作業 | 料金 |
---|---|---|
ダイハツタント (LA650S) | フロントカメラエーミング | 10,000円~16,000円 |
トヨタRAV4 HV (AXAH52) | フロントミリ波レーダーエーミング | 6,600円~11,000円 |
スズキスイフト (ZD83S) | フロントカメラエーミング | 3,000円~5,000円 |
※全て標準作業点数表から算出
表の料金は整備工場によって異なりますので、参考程度にしてください。
エーミングとは、一般的にカメラやのセンサー等検知デバイスの調整のことを言い、作業内容は、この検知デバイスの種類や、車種などによって大きく異なるので、整備料金も大きく異なります。
正確に知りたい場合は、車種や年式をディーラーや整備工場に伝えて、見積もりを取るしか方法がありません。
エーミングを実施しないとどうなる
- 自動ブレーキなどが誤作動する可能性
- 車検が通らない可能性あり
自動ブレーキやクルーズコントロールなどの機能で、誤作動が起きる可能性があるため大変危険です。これは自分だけの問題ではなく、社会的責任を伴います。
また、メーターに自動ブレーキや車線逸脱防止装置等の警告灯が点灯している場合、車検に合格できませんので、いずれは修理が必要です。
整備工場に必要だと言われた場合は、料金が高いと感じても、必ずエーミングを実施するようにしましょう。
エーミングが実施できる整備工場
実施できない工場も多いので事前確認が重要
現状、エーミングを実施できる整備工場は限られています。
理由は、法律上、国から認められた整備工場(電子制御装置整備認証)でしか作業できないことや、必要な設備のあるなしが関係します。
必要な設備とは、車と通信するコンピュータ(スキャンスツール)や、ターゲット(物理的「的(まと)」)、実施方法が書いてあるマニュアルです。
また、「トヨタ・ダイハツ車はできるけど、スバル・ホンダ車はできない」など、同一の整備工場でも車種によって、できる・できないがあります。特に多くのディーラーでは他社メーカーのエーミングはできない場合が多いです。
さらに輸入車については、設備的な理由で作業できる整備工場にかなり限りがあります。輸入車ディーラーが中心になります。
もし、整備工場が自らエーミングが実施できない場合には、整備工場間で外注対応しますので、どこに頼んだとしても自動車ユーザーはそれほど心配いりませんが、外注している整備工場は料金が高くなる傾向にあります。
このことから、エーミングの作業依頼については、お乗りの車のメーカーディーラーに依頼するのが無難かもしれません。
エーミングの作業内容
- 車に対して正確な位置に専用ターゲット(的(まと))を置く
- コンピュータで読み込ませる
作業時間のほとんどが、「1.車に対して正確な位置に専用ターゲットを置く」の作業です。車種による料金(工賃)の違いは、ターゲットを置くまでの作業時間で大きく変わります。
整備工場では、自動車メーカー発行の整備マニュアルを見ながら、正確な位置にターゲットを置くことで、正確なエーミングを行います。
従って、整備工場によるエーミングの方法の違いは、基本的にありません。
まとめ
エーミングの料金は、車種、作業、整備工場、地方によって大きく異なるため、実際に整備工場で見積もりを取らなければわかりません。
但し、国産大衆車であれば30,000円以下である可能性が高いです。エーミングは費用が掛かっても、とても重要な作業ですので、必ず実施するようにしましょう。
以上、エーミングの料金・工賃はどのくらいか/やらないとどうなるかについてでした。