- 自動車の定期点検の案内が来たけど、どうすれば良いだろう
- 定期点検時期を過ぎてしまった場合、罰則などあるだろうか
- そもそも定期点検は受けなければならないだろうか
この記事では、マイカーを持つ方や会社の自動車を管理している方のために、わかりにくい自動車の定期点検(法定点検)について、整備士ねっとチームが解説します。
一度、自動車の定期点検について正確な情報を確認してください。
定期点検義務とは
自動車の使用者は、一定期間ごとに定められた点検をしなければなりません
道路運送車両法 第48条
自動車(小型特殊自動車を除く。以下この項、次条第一項及び第五十四条第四項において同じ。)の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、それぞれ当該各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。
道路運送車両法より
以下、省略。
自動車の定期点検は法に定められている点検なので、「法定点検」とも言われ、自動車の使用者の義務です。
一定期間とは
一般的な乗用車、軽自動車は1年ごと
点検時期 (新車から) | 点検内容 | 検査(車検) |
---|---|---|
1年後 | 12ヶ月点検 (27項目) | ー |
2年後 | 12ヶ月点検 (27項目) | ー |
3年後 | 24ヶ月点検 (57項目) | 有り |
4年後 | 12ヶ月点検 (27項目) | ー |
5年後 | 24ヶ月点検 (57項目) | 有り |
6年後移行は4年後5年後を繰り返します。
実施のタイミングは、3月に購入した新車の場合、翌年以降も3月に定期点検を受けていくのが理想です。
※上記表は、一般的な乗用車や軽自動車(3,5ナンバーなど)の場合です。車種や用途によって時期や内容が異なりますのでご注意ください。
期間が過ぎたらどうなる
特に罰則はない
3月に購入した新車の場合、翌年以降も3月に定期点検を受けていくのが理想ですが、実施時期が遅くなってしまっても、早くなってしまっても、特に罰則があるわけではありませんが、過ぎてしまった場合は、安全・安心のために早めに実施することをおすすめします。
自動車は一定期間ごとに点検を実施することに意味があるため、決まった期間に定期点検を実施する事が理想です。
実施しなかったらどうなる
- 特に罰則はない
- 保証が受けられないことも
1.特に罰則はない
特に罰則はありませんが、安全・安心を担保できなくなり、トラブルのリスクが高まります。
定期点検を実施するメリット・デメリットについては、後述しますので一度ご確認ください。
2.保証が受けられない?
新車には部品によって、3年60.000km、または5年100,000kmの新車保証があります。
定期点検を受けていないと、これらのメーカー保証が受けられなくなる可能性がありますので注意が必要です。そういう意味では、新しい車や走行距離の少ない車だとしても定期点検は必要です。
自動車メーカーにおいても、国で決められた定期点検などのメンテナンスを実施しないで起きた故障に対しては、責任は負わないということなので、当然と言えば当然かもしれません。
関連記事>>>車の保証と保証継承とは?知らないと損する可能性
参考:定期点検の実施率
50%以下(自家用乗用車)
近年行った調査が無いので正確な実施率はわかりませんが、少なければ20%程度、多く見積もっても50%に満たないと言われています。
使用者の定期点検義務は昔から法に定めてあるのですが、未実施でも罰則が設けられてないため、実施する人はそれほど多くありません。
義務だけど罰則なしの定期点検
自動車の定期点検は法定点検であり使用者の義務ですが、実施しなくても罰則がないので、事実上「任意点検」のように思われています。自動車業界では、官民一体となって、定期点検の周知や推進運動を活発に行なっています。
>>>自動車点検整備推進運動
定期点検実施2つのメリット
- 次回点検までの安全・安心が担保できる
- 不具合箇所の早期発見・修理
大切な人を乗せて走る車を、安心して運転できることは最大のメリットです。また、事故や著しい公害を未然に防ぐ定期点検は、使用者が果たすべき義務です。
さらに、不具合箇所の早期発見や修理をすることで、結果的にメンテナンス費用を抑える可能性が高く、車を長持ちさせることにも繋がるため、経済性においてもメリットが多いです。
定期点検実施のデメリット
手間と費用がかかる
多くの自動車ユーザーが定期点検を実施しない理由は、費用負担です。
費用がかかることはデメリットですが、上述のメリットと天秤に掛ける必要があり、事故や故障により、結果的に費用が余計に掛かってしまうことも少なくありません。
企業や団体の定期点検の考え方
社会的責任と社員の安全を考え、必ず実施を
営業車を運転する社員、同乗する取引先や関係者の安全を考えたら、やはり定期点検は重要です。
また、会社が保有する自動車が事故や公害を引き起こしてしまった時の、社会的責任や著しい企業イメージの低下を考えると、定期点検を実施しないことは、リスクが大きすぎるような気がします。
企業による通勤車のチェック
企業によっては、社内に「安全委員会」などの組織が設けられている場合があり、社員の通勤車の定期点検・車検の実施状況や、スタッドレスタイヤの装着状態などをチェックしている場合があります。定期点検未実施の場合は実施を促したり、何らかのペナルティを与える場合があります。
未実施が大きく影響する職業の人
社会的地位が高い人、政治家、公務員、士業の人、自動車業界の人
このような人が定期点検を実施していない場合、信頼関係に影響する可能性があります。
発覚すれば、時には世間から大きくバッシングを受けることがありますので、注意が必要です。
なお、公用車についての定期点検実施率は現在100%に近いと言われています。
関連記事>>>車の定期点検はどこで受けられるか/費用と所要時間・予約の方法など
定期点検時期の確認方法
フロントガラスのステッカーで確認します
次回の定期点検時期を表す丸ステッカーが、フロントガラス助手席側上部に内側から貼ってあることが多いです。
上記写真のステッカーは、令和4年の8月が次回の定期点検時期を表しています。
確認できない場合は、車検証または、フロントガラス中央に貼ってある車検ステッカーで車検の時期を確認してください。乗用車の定期点検は次回車検の12か月前ですの1ヶ月間です。
なお、この点検ステッカーは期限が過ぎたら剥がさなければならないと法律で決まっていますのでご注意を。
まとめ
自動車の定期点検は法定点検であり、自動車の使用者は必ず実施する義務がありますが、罰則のない義務であるため、実施していない人も多いのが現状となっています。
しかし、定期点検をを実施しないことによるデメリットは多く、「知らなかった」では済まされないこともあります。特に会社の車やあなたの職業によっても、大きなリスクを抱えることになるため、必ず実施することをおすすめします。
以上、車の定期点検期間を過ぎたらどうなるか、使用者の定期点検義務についてでした。