【車の保証と保証継承とは?】プロの整備士が疑問を解決します

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あなたの車が新車で買ってから4年後に壊れてしまった場合、誰がどのように保証してくれるでしょうか。

あなたの購入した中古車がすぐに壊れてしまった場合、誰がどのように保証してくれるでしょうか。

購入した自動車の保証制度について、詳しく知る人はあまり多くはありません。

この記事はこのような自動車の保証制度の疑問に答えるため、1級整備士が詳しく解説します。

 

この記事の内容

・購入した自動車の保証の種類と内容

・保証継承について

・整備工場が行う保証の内容

※保証継承については自動車メーカーによっても取り扱いが違う可能性があります。実際にはメーカーディーラーに問い合わせてください。

 

車の保証は大きく分けて2種類

・自動車メーカーの保証

・整備工場の保証

「新しい車なのに壊れた」場合などについて知りたい人は自動車メーカーの保証、「車検した後に壊れた」場合などについては整備工場の保証が当てはまりますので、それぞれの部分をご覧ください。

 

自動車メーカーの保証

自動車メーカーの2つの保証

・一般保証

・特別保証

メーカー保証は上記2種類。

 

一般保証

保証内容:全ての部品に対する保証(消耗品以外)

保証期間:3年または60,000kmのどちらか早い時期まで

保証条件:

①メンテナンスを実施していること

②依頼者が保証書の名義人であること

 

保証内容

一般保証は、基本的に全ての部品が対象になります。ただし、消耗品は保証の対象になりません。

対象とならない消耗品

ブレーキパッド、ファンベルト、スパークプラグ、エアクリーナエレメント、ワイパーゴム、エンジンオイル、クーラント、バッテリーなど

 

 

保証期間

買ってから3年以内であり、なおかつ 60,000km 以上走っていないこと

60,000km走行していなくても買ってから3年経てば保証期間切れとなり、逆に買ってから3年経っていなくても、60,000km走行した時点で保証期間が切れるという意味です。

 

保証条件①:メンテナンスを実施していること

重要

「自動車の持ち主は、12ヶ月ごとに定期点検をしなければならない」と法令で定められています(乗用車の場合)。また、適切な時期に日常点検も必要です。もちろん、自動車メーカーでも12ヶ月ごとの点検を推奨しています。

こういった点検を実施していない自動車については、保証の対象外となります。

 

保証条件②:依頼者が保証書の名義人であること

重要

自動車メーカーは、新車購入時に保証書を発行しています。「保証書がない」「依頼者と保証書の名義人が違う」などの場合は、保証の対象外となります。

 

特別保証

保証内容:特別な部品に対する保証

保証期間:5年または100,000kmのどちらか早い時期まで

保証条件:

①メンテナンスを実施していること

②依頼者が保証書の名義人であること

 

保証内容

特別保証とは、エンジンやミッションなど、特別に保証期間を長く設定している部品に対する保証です。

 

保証期間

買ってから5年以内であり、なおかつ 100,000km 以上走っていないこと

 

保証条件

保証条件①:メンテナンスを実施していること

保証条件②:依頼者が保証書の名義人であること

上記保証条件は、一般保証と同じです。

 

 

一般保証と特別保証の違い

簡単に言うと、自動車には3年保証の部品と5年保証の部品があるということ

 

自動車メーカーの保証を受けるには

ディーラーに修理を依頼してください。ディーラー以外の整備工場では保証を受けることができません。

その故障や不具合が保証の対象となるのかどうかを判断するのは自動車メーカーです。

そして自動車メーカーは、保証に関わる整備作業の全てを、唯一信頼を置く整備工場であるディーラーに任せています。そのため、ディーラー以外の整備工場では、保証の対象になるのか判断できません。また、ディーラー以外での整備工場での、保証に関わる修理作業を認めていません。

 

私の経験

ディーラーで働いていた頃、実際に次のよう言ってきたお客さんが来ました。

「他の整備工場で修理したのですが、その整備工場の人に『この部品はメーカー保証の対象になると思うから、ディーラーに行けばお金を返してもらえるよ』と、言われたのできました。」

この場合、かわいそうですが対応できません。自動車メーカーは整備料金を補償するのではありません。部品や部品交換に関わる整備自体を保証するのです。

この件に関しては先に修理してしまった整備工場の人に責任がありますが、あなたも保証の対象になるかもしれないと感じたら、必ずディーラーに入庫してください。

 

【よくある】保証の対象とならないケース

壊れた部品が一般保証又は特別保証の対象になっていたとしても、保証が受けられないケースをご紹介します。

ケース1:メンテナンスをおこたった事で生じた故障に対する保証

 

保証条件のところで説明しましたが、自動車のメンテナンスをしていなければ、保証の対象となりません。

例えば、エンジン本体は5年100,000kmの特別保証ですが、3年以上オイル交換を実施せずエンジン本体を壊してしまった場合、エンジンの保証は受けられません。

オイル交換などのメンテナンスをしなければ、エンジンは当然壊れます。ユーザーがメンテナンスを怠って故障した場合は、自動車メーカーが責任をとるべき案件では無いという事です。

 

ケース2:保証書の名前と乗っている人が違う場合

 

新車で自動車を購入すると、自動車メーカーは保証書を発行します。

保証書を見たことが無い人もいると思いますが、メンテナンスノートと呼ばれるものに、保証書がついています。見たことが無い人は、メンテナンスノートを開き(おそらく車検証と一緒のケースに入っています)、一度確認することをおすすめします。

確認すべきは、保証書の名前が自分の名前になっているかどうかです。

保証書の名前が自分の名前でない場合、メーカー保証は受けられません。

特に中古車を購入した場合、保証書の名前が前の持ち主になっていることがありますので、注意が必要です。

 

中古車は自動車メーカーの保証が受けられない!?保証継承の謎

先に書いたように、自動車メーカーは新車登録時に、買った人に対して保証書を発行します。

転売すれば、保証書の名前と乗る人に違いが出てきますが、その場合には手続きを踏めば、保証書の名前を新所有者に変更してもらうことができます。

その手続きを自動車業界では保証継承と言います。

 

保証継承の手続きは、ディーラーで12ヶ月点検程度の点検をしてもらい、問題なければ保証書の名前を書き換えてくれます。

保証継承は有料です(1~2万円程度)

 

大規模中古車店の場合、販売する中古車のうち、保証期間が切れていない車は、全て保証継承を行ったのちに販売してくれる場合がありますが、保証継承をしないで販売する業者も数多くあります。

特に未使用車と呼ばれる車は要注意です。

未使用車は新車なのだから、メーカー保証が付いて当然と思いますが、未使用車の保証書の名前は、業者になっています。保証継承しなければ、いかに未使用車と言えど、メーカー保証は付いていません。

 

重要:中古車を買うときには

5年100,000kmを経たない、比較的新しい中古車を購入する場合は、購入時に保証継承をしてもらうこと

 

次に具体例で説明します。

例えば中古車を買った後に、保証対象となる部品が壊れてしまい、修理費が10,000円の整備をする場合のそれぞれのパターンを考えます。

1.保証継承が済んでいる中古車の場合

費用は0円です。

2.保証継承が済んでいない中古車の場合

10,000円で自腹修理する

中古車購入時は、保証継承をしてもらうことが重要です。

 

保証対象の部品なのに有料で修理している人がいます

さて、どの部品が3年保証で、どの部品が5年保証なのか、どんなケースで保証の対象となるのかといった保証内容については、一般の方が理解するのは難しく、本来は整備工場がお客様に説明・提案しなければなりません。

しかし、整備工場の整備士の知識がとぼしい場合があり、保証で直せる部品を有料で直してしまっているケースが時々あるようです。

その場合、誰も気付きません。もったいない限りです。

 

これを確実に防ぐためには、ディーラーで車検や定期点検を受けることです。

ディーラーで車の不具合を見つけた場合には、それが保証対象であるか確実に判断し、対象である場合にはもちろん無料で修理してくれます。

しかし、ディーラー以外の整備工場でも、ディーラーに保証で直せるかどうかを確認し適切に対応してくるところもたくさんありますので、やはり信頼できる整備工場を見つけることが大事です。

 

整備工場の保証

次に、新車の保証ではなく、整備工場が行う整備保証について説明します。整備工場の保証とは、車検などで整備した箇所に関して、整備を実施した整備工場が保証するものです。

これを業界では単に「整備保証」と言います。

整備保証は、ほとんど全ての整備工場が行っています。ディーラーでも他の整備工場でも同じように保証してくれます。

 

保証内容:整備した箇所に不具合が起きた場合

保証期間:6ヶ月または10,000kmどちらか早い時期まで

 

具体的に言うと、「車検の数日後に、ブレーキが効かなくなった」等の不具合が起きた場合、車検を実施した整備工場がブレーキを無償で修理してくれるというものです。

注意して欲しいのは、整備保証の対象になるのは、整備した箇所に関して不具合が起きた場合です。

整備した箇所以外は保証の対象になりません。

 

対象にならない例

「車検した翌日にエアコンが効かなくなった」

「車検した翌日にナビが壊れた」

これらは保証の対象になりません。なぜなら車検ではエアコンやナビの点検・整備をしないからです。

 

わたしがディーラーで働いていた時の経験でも、こういったケースはたくさんありました。

お客様:車検した次の日にエアコンが効かないのだから、当然直してくれるだろ?

整備工場:エアコンなんて点検してないし、こっちに責任あるわけないだろ。

たまたま不運にも車検の翌日に故障してしまった場合、こうなります。整備士ならみんな経験したことがある事案です。

 

こういう場合は、保証の対象になりません。整備工場に責任はありません。整備保証は整備した箇所に関して不具合が起きた場合だけです。

 

しかし、私の経験からいうと、「そこは整備してないから保証の対象にならないよ」と、整備工場側が突き返すことは難しく、「部品代だけ負担していただけませんか?」などと折り合いをつけることも多かったと思います。

対応は整備工場によって違うと思います。整備工場にとっては不運です。

 

まとめ

自動車の保証は、なかなかわかりにくいものです。

こういうときはやはりプロに聞くのが一番。信頼できる整備工場をもっていることが大事です。

もし、あなたが保証について何かトラブルを抱えているのであれば、この記事を読み返して冷静に対処して欲しいと思います。

以上、自動車の保証についてでした。

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