- バッテリーをインターネットで購入して、自分で交換したい
- 車屋さんに持っていくべきだろうか
この記事では、バッテリーの購入方法から、交換方法まで、一級整備士の管理人が実際に作業した様子を中心に詳しく紹介します。
この記事を順序よく実践すれば、バッテリ交換が可能です。
交換作業は自己責任でお願いします
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net)
STEP1 バッテリーの購入前にバッテリーサイズの確認
バッテリーを購入するためには、サイズや種類を実際の車で確認することが重要です。
サイズや種類を間違えてしまえば、取り付けることが出来なかったり、最悪の場合あなたの愛車が壊れてしまう可能性があります。
まずは、バッテリーサイズや種類を実際の車で確実に確認してください。
実際のサイズ確認が重必要な2つの理由
- ネット上の表の見方で間違える
- 自分で作業可能かどうか事前に判断できる
1.ネット上の表の見方で間違える
インターネットなどで調べても、その資料が絶対に間違えていないとは限りませんし、表がややこしくて勘違いや間違いが起こりやすい
確かにバッテリーのサイズや種類はいろんな方法で調べることができますが、バッテリーのサイズや種類は、メーカーや車種が同じでも(同じように見える車でも)、グレードや年式、2WDや4WD、寒冷地使用などよってそれぞれ違う場合が多く、整備士にとってもわかりにくく、ややこしいです。
管理人は10年間整備士として働いていましたが、絶対に間違えたくないので、可能な限り実際の車で確認するようにしていました。
2.自分で作業可能かどうか事前に判断できる
自分で交換作業が可能かどうか、どのくらいの作業時間がかかるかどうかを判断することができる
搭載場所によっては、取り外しが容易に出来なかったり、特殊な工具や技術が必要な車も存在します。
実際に自分の目でバッテリーの搭載位置や状態を確認し、明らかに「大変そう、無理そう」な場合は、この時点で自分で交換することをあきらめた方が良いです。
可能か不可能かの判断は難しいかもしれませんが、「どうやって取り外すのか検討もつかない、イメージできない」のであればやめた方が良さそうです。(車種別の交換方法を紹介しているサイトがあるかどうかを検索してみるのも一つの方法ですが、おそらくあまり期待できないかと思います)
「わざわざ実際の車で確認しなくても、インターネットで調べられないの?」と、思われる方もいると思いますが、自分でバッテリーの交換をしようとしている方には、実際の車で確認することを強くおすすめします。
バッテリーサイズの確認方法
ほとんどの国産車はボンネット内にバッテリーが搭載されていますので、ボンネットの中から確認します。
ボンネットを開けてエンジンルームの中を見渡してもバッテリーがない場合は、ラゲージルーム(トランクルーム)の中を確認します。
ボンネットの中やラゲージルームの中に無い場合は、シートの下を確認しましょう。例えば、トヨタのアクアの場合、後部座席右側(運転席の後ろの座席)の下に隠れています。
バッテリー搭載位置がどうしてもわからない場合は、車の取扱説明書やGoogleなどで検索してみるといいでしょう。
それでは実際の車でバッテリーを確認してみます。今回、バッテリーを交換する車両は、日産のエクストレイルです。
写真の〇印のところにありました。
取り外しも、スパナなどの一般的な工具で容易にできそうです。(バッテリーの上で邪魔になっている黒いダクトを外す必要がありそうですが、それも簡単に外れそうです)
次にバッテリーを確認します。バッテリー上部には必ずサイズや種類が表示してあります。ステッカーだったり、文字が浮き出ているのですぐわかると思います。
しかし、写真を見て頂くとわかりますが(クリックで拡大)、このバッテリーは、バッテリーを固定するためのステー(固定具)がバッテリーサイズの表示を隠してしまっています。
このステーをずらさないと確認できないため、ステーを緩めてずらしてみます。
サイズが確認できました。この車のバッテリーは、75D24Lです。
これと全く同じサイズのバッテリーを購入しましょう。
先ほどから私は「サイズや種類」などと言っていますが、この一連の型番のようなものを確認すれば大丈夫です。この型番がサイズや種類です。最初の文字から最後までしっかりメモを取ってください。
STEP2 バッテリーの購入とバッテリーの交換作業
写真は購入した新しいバッテリーです。箱を開ける前にやはり型番が同じであるか確認しましょう。
交換作業動画
動画で確認したい方はこちらです。(ダイハツムーブ)
さて、バッテリーを取り外します。ですがその前に、この車の場合は邪魔なダクトを取り外す必要があるので取り外します。
これでバッテリーの取り外しができそうです。
次にバッテリーの接続部分(ターミナルと言います)を外します。ターミナルにはプラス(+)とマイナス(-)があります。ここが最も重要な部分です。
必ずマイナス(-)側のターミナルから取り外すこと
プラス(+)側から外して車を壊した人がたくさんいます。これを守れば、絶対に事故はおきません。
プラス(+)マイナス(-)の判断の基準
- プラス側には「赤や黒のカバー」
- プラス側の方がターミナルが大きい
- バッテリー本体にに+-の表記がある
これらの情報で判断してください。
写真のように、マイナス(-)側ターミナルのナットをスパナなどの工具で緩めて、緩くなったら上に引っ張って外します。
続いてプラス(+)側も同様に外します。
プラス(+)側には赤や黒のカバーがかぶせてありますが、上に開くように引っ張ると、ターミナルが出てきます。
プラス(+)側に付いている赤や黒のカバーは、プラス(+)側ターミナルを外す直前まで開かず、また、作業完了後もターミナルを取り付けたらすぐにカバーをかぶせてください。
ターミナルを取り外したら、外したしたターミナルは邪魔にならないように出来るだけバッテリー端子から遠ざけておいてください。
次に、バッテリーがぐらぐらしないように固定しているステーを外します。
写真では見慣れない工具を使用していると思いますが、これもスパナなどで十分に外すことができます。この部分には、ほとんどの車で10mmのナットが使われています。
ステーを外せば、バッテリーが外せる状態になります。両手で持ち上げるだけです。とても重いので注意してください。
新しいバッテリーを箱から取り出し、サイズが合っているかもう一度確認します。
写真のようにターミナルに赤と青のキャップが付いている場合はこれも外してください。
この時、交換した日時や車の走行距離などをマジックペンなどで新しいバッテリーに書いておくと、後でいつ交換したのか確認できます。
あとは、取り外した順番と逆の順番でバッテリーを取り付けていきます。
ターミナルを取り付ける際はプラス側ターミナルから取り付けます。
それでは、プラス(+)側ターミナルを取り付けます。
この時、グリグリとターミナルを奥まで挿入してください。挿入が甘いと、走行中外れてしまう可能性があります。
挿入後ナットを締めます。締める力は、水道の蛇口をしめる程度の力で十分です。ターミナルをグラグラゆすってみて、外れなければ大丈夫です。締めすぎに注意して下さい。
プラス(+)側ターミナルを取り付けたら、マイナス(ー)側のターミナルを取り付ける前に、すぐにしっかりとカバーをしてください。これで感電やショート等の事故の可能性がずっと低くなります。
最後にステー、ターミナル、ターミナルキャップがしっかりと固定されていることを確認してください。
これでバッテリーの交換作業は終わりです。
以上、自動車用バッテリーの交換方法でした。