- カー用品の電源を取る方法を知りたい
- バッテリー端子から直接電源を取る方法を知りたい
- 車の中でとにかく電源が取りたい
何らかのカー用品を車に取り付けようとしていて、このような疑問を持つ人向け。
この記事では、カー用品を取り付ける際の電源の取り方・考え方について、一級自動車整備士の管理人が簡単に説明します。
※一般の方で、ほとんど自動車整備の知識が無い人のために書いた記事です。
また、ここでは具体的な方法については説明しませんので、別の記事を参考にしてください。
この記事は一般の専門知識の無い方の為に、わかりやすさを一番に考えて書いています。専門的に見ると、不適切な表現等がある可能性がありますがご容赦ください。
自動車の電源に関する基礎知識

例えば「車に家庭用の空気清浄機を取り付けたい」など、家庭用電化製品を車の中で使用したい場合について説明します。
まず、家庭と自動車の電源には違いがあり、そのままでは使用できません。
- 一般的な乗用車(小型):直流12V
- 一般的な貨物車(大型):直流24V
- 一般家庭:交流100V
電源が違うということは、それぞれの電装品をそのまま繋いでも作動しないことを意味します。つまり、車で炊飯器は使用できず、逆に家のコンセントでカーナビは作動しません。
例えば、家電を車の中で使用するには、直流を交流に変換する「車載インバーター」が必要となり、車載インバーターで変換したのちに、家電をつなげなければなりません。
家電の電源を取りたい場合は「車載インバーター」が必要です。
車載インバーターについては、アクセサリソケットに差し込むだけで使えるものが多いので、とても簡単です。
現在の自動車には、アウトドアブームなどで、最初からインバーターが装着されている車両もあり、特に電気自動車やSUV車に多いですね。
チェック
トレンドの理由は、アウトドアでめちゃくちゃ使えるのと、緊急時の非常用電源として備えになるところ。容量によって値段が違いますが、基本、容量はある程度大きくないとダメですね。
カー用品の電源を取りたい

初めから自動車用に作られたカー用品を、自動車に取り付ける場合の説明をします。
カー用品は初めから12Vや24Vで作動するように作られているため、AC・DCを変換する必要はありません。スマホの充電器も同様です。
最も簡易的に電源を取る方法は、車に最初から搭載されている「シガーソケット」又は「アクセサリーソケット」から電源を取る方法です。まさにスマホの充電器はほとんどがこの方法ですね。ワンタッチで使用することが出来ます。
例えば、ドライブレコーダーなどのカー用品にも、一般の人でも簡単に取り付けられるように、アクセサリーソケットで電源をとる簡単取付タイプと、別の場所から電源を取るタイプの製品があります。
しかし、アクセサリーソケットは個数に限りがあることや、見た目が悪かったり、付近が電線でごちゃごちゃしてしまうというデメリットがあります。なので、普段つけたり外したりするものでなければ、別のところから電源をとることが理想です。
プロの整備士がカー用品を取り付ける場合は、一般的にアクセサリーソケットではないところから電源を取ります。
それでは、アクセサリーソケットではない場所から電源を取る場合、プロの整備士はどこからどのように電源をとるのでしょうか。
カー用品の取付は説明書通りに

プロの整備士は説明書のとおりに取り付けます。
取付説明書には、具体的にどこに電源を割り込ませる等の指示がありますので、その通りに取り付けます。
安全面や確実性を考えれば当然のことです。
車の電装品を取り付けるということは、車両火災のリスクを伴うため、カー用品メーカーの取付説明書どおりに取り付けすることが重要です。特に、配線を切ったり繋いだりする場合には最善の注意が必要です。
説明書が無い場合や、オリジナルのものを取り付けるときには下記のような考え方で取り付けます。
説明書が無い場合や、オリジナルの用品を取り付ける場合
これには、二つの電源の違いを理解しなければなりません。
- 常時電源
- ACC電源(キー連動電源)
常時電源
常時電源とは、車の状態に関係なく作動させたい場合に使う電源です。バッテリーの端子から直接つなぐことと同じです。
例えば、ドライブレコーダーは走行中だけではなく、駐車中などでも作動しなければなりません。ドライバーが乗っていない場合や、エンジンが始動していない場合もです。
ということは、ドライブレコーダーには、常に電源を与えておかなければいけないので、常に電源がきていて、いかなる場合も電源が落ちないところから電源を取る必要があります。
つまり、
常時電源を取りたい場合は、常に電源がきている配線に割り込ませる事が必要です
具体的には、バックアップヒューズ下流の配線から割り込ませて取るのが一般的です。
では、バックアップヒューズ下流の配線はどこにあるかというと、ナビやオーディオに接続されている複数の配線の中のどれかです
「どれか」は車種によって違うので説明できません。
整備士は、サーキットテスターを使って、どの配線が常時電源なのかを探すか、車両ごとの「配線図(整備マニュアル)」を利用して探します。
常時電源を使用する場合、取り付ける用品の性能や、取り付け方法によってバッテリーが上がってしまう可能性があります。
配線を割り込ませる技術的な方法については下記ページで解説しています。
ACC電源(キー連動電源)
例えば、ETCの場合は走行中にだけ作動すれば良いので、常時電源を入れておく必要がありません。
ナビも同様です。
車の電源を落とせば、ナビの電源が落ちることからも、ACC電源で装着した電装品は車の電源が落ちると同時に電装品の電源も落ちることがわかります。
つまり、
ACC電源を取りたい場合は、鍵を回した時、エンジンを掛けた時に電源がきている配線に割り込ませる事が必要です
具体的には、ACCヒューズ下流の配線から割り込ませて取るのが一般的です。
では、ACCヒューズ下流の配線はどこにあるかというと、ナビやアクセサリーソケットに接続されている複数の配線の中のどれかです。
「どれか」は車種によって違うので説明できません。
整備士は、サーキットテスターを使って、どの配線がACC電源なのかを探すか、車両ごとの「配線図(整備マニュアル)」を利用して探します。
配線を割り込ませる技術的な方法については下記ページで解説しています。
バッテリーから直接電源をとることは少ない

自動車から電源を取る方法としてイメージしやすいのは、上記写真のようにバッテリーに直接電線をつなぐ方法かもしれませんが、カー用品を取り付ける場合、バッテリー端子に直接電線をつなぐことはほとんどありません。
自動車の故障や火災のリスクが高まります。
この方法は自動車や電気的な専門知識が必要なので、一般の方がチャレンジすることはおすすめできません。また、一般的なカー用品の取付に、この方法を取る必要がありません。
まとめ
カー用品の電源を取る場合、説明書の通りに取り付けることが重要です。プロも説明書どおりに取り付けます。もし、説明書に書いてあることが理解できない場合、整備士や経験者のサポートが必要です。
また、ある程度経験のある人は、電源には常時電源とACC電源があり使い分けることを理解すれば、基本的にどんなカー用品でも電源が取れるようになります。
ただし、カー用品の取り付けについては、本来、自動車の電気的な知識・技術が必要であるため、プロの整備士に依頼することをおすすめします。
以上、車のバッテリーから電源を取る方法でした。