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発炎筒(発煙筒)の有効期限切れ/車検時に交換が必要なのか

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車検の時に、発煙筒の有効期限が切れていると、整備工場から交換をすすめられることがあります。

発煙筒なんて使ったことがない人がほとんどですので、「交換しなきゃダメなの?」「いらないよ」と思うのも当然だと思います。

この記事では、車検時に有効期限が切れている発煙筒は、必ず交換しなければならないのかについて、元ディーラー整備士が説明します。

3分で読める記事です。

※自動車のはつえんとうは、正しくは「発煙筒」ではなく、「発炎筒」と書きます。

この記事を書いた人:きりん

元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net

実際の車検については、車検を実施する整備工場や検査員・検査官の見解等により、取り扱いに若干の違いがある場合があり、必ずしもここに記載するものが全てではないことをご理解の上ご覧下さい。詳しくはこちらの記事に書きました。

目次

発炎筒は有効期限切れでも車検に通る

発炎筒2

発炎筒の有効期限切れは車検不合格となるのか。答えはNOです。

車検に発炎筒の有効期限は関係ありません。発炎筒が車の中にあれば車検に合格します。

車検に合格しないのは発炎筒が無い場合

JIS企画の発炎筒がすぐ使用できる位置に装備されていない

発炎筒が原因で車検に通らないケースは主にこれのみです。発炎筒の有効期限切れは、問題なく車検に合格です。

理由は、発炎筒の有効期間切れに関する取り扱いが、保安基準(法)に明記されていないから。

ページ下部に保安基準について詳しく書きましたが、保安基準では有効期間については全く触れていません。実際に国の検査場に車検の車を持ち込んでも、国の検査官が有効期間を確認するようなことは実施していません。

国の検査場では発炎筒があれば合格です。

しかし、実際に「有効期限切れなので交換しないと車検に通らない」と整備工場に言われてしまうことがあります。これはいったいなぜなのでしょうか。

なぜ交換を勧められる?

法解釈の違い・勘違い、またはその工場の独自ルールが原因

ネット上でもこの質問が数多くされていますが、やはり合格しないと認識している人(整備士さん)もいるようです。

私が以前勤めていた整備工場(ディーラー)でも、基本的に有効期間切れはお客様に納得のうえ、全数交換させてもらっていました。

私も働き始めの頃、有効期間切れは車検に合格できないと思っていました。そういう整備工場の整備士の中には、実際に合格できないと思っている人もいると思います。

要するに、整備工場独自ルール、または整備士さんの勘違いです。

車検時に発炎筒の交換をすすめられたとしても、交換しなくても車検には問題ないということは覚えておいてください。

では、本来合格できるのに、なぜそんなルールを持つ整備工場があるのでしょうか。

関連記事>>>車検に合格・不合格 工場によって違うのはなぜ!?不服、納得できない方へ

期限切れは実際に使えない可能性

発炎筒1

発炎筒とは本来、事故の二次的災害を防ぐためのその名のとおり非常信号用具です。

事故が起きた際に、近づいて来る車両に注意を促すわけですが、車検に通るからといって15年も交換しないでおいて、いざ必要な時に使えなくては本末転倒です。なので、整備工場としても、交換を勧めた方が良いと考えています。

そもそも、発炎筒はそれほど高いものでもないので、せっかくですので車検の機会に交換してもいいのではないでしょうか。

どうせ買うなら便利な発炎筒

私は整備士として10年間ディーラーに勤務していましたが、正直に言うと一度も使用したことがありません。みなさんがいらないと思うのも当然です。

しかし、どうせ交換を勧められたのなら、他に意味のあるものを選ぶのもいいのではないでしょうか。

最近の発炎筒にには魅力的なものがありますので、今回はそれをご紹介します。

LED発炎筒

LEDなので、何度でも使用でき、懐中電灯と同じように扱えますので、いざという時に大変便利です。

実際ほんとに便利です。「車の中に懐中電灯がある」というのは、当たり前の防災ですよね。

緊急脱出用ガラス破壊ハンマー付き発炎筒

続いて、緊急脱出用ガラス破壊ハンマー付き発炎筒です。これを使うときは無いことを祈りたいですが、備えあれば憂いなしです。

説明するまでもなく、発炎筒の角でガラスを叩くと、ガラスが割れるというものです。普通は、成人男性でも、素手でガラスを割ることはできません。

ちなみに普通の発炎筒を購入すると、600~800円ほどだと思います。どっちにしてもそんなに高いものではないですね。

発炎筒に関する法(保安基準)

さらに詳しく知りたい人のために、発炎筒に関しての保安基準(車検に合格する基準)を解説します。

第43条の2 非常信号用具

自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することができ、かつ、安全な運行を妨げないものとして、灯光の色、明るさ、備え付け場所等に関し、告示で定める基準に適合する非常信号用具を備え付けなければならない。

ただし、二輪自動車、側車付二輪自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車及び被牽引自動車にあっては、この限りではない。

ちょっと難しく感じるかもしれませんが、上記のような記載があります。

保安基準を簡単に説明すると

  • 4輪の自動車には必ず備えなければならない
  • 告示で定める基準に適合する非常信号用具でなければ、この基準を満たしません。

さて、発炎筒に関する保安基準の内容を簡単に説明すると上記のようになります。

2.に書いてある「告示で定める基準」はとはおおよそ下記のとおりです。

  • 夜間、200mの距離から確認できる赤色の灯光を発するものであること
  • 自発光式のものであること
  • 使用に便利な場所に備えられたものであること
  • 振動や衝撃などで損傷したり、誤作動したりしないものであること
  • JISの「自動車用緊急保安炎筒」の規格を有する発炎筒。

発炎筒を使用したことがある人は少ないと思いますが、高速道路等で二次的な事故を防ぐために設けられている日本の基準です。

保安基準では発炎筒を「非常信号用具」と定義しています。事故が起きたときに、周囲に危険を知らせる目的のものです。整備業界では発炎筒(非常信号用具)のことを「ハイフレヤー」と呼ぶ人もいます。

まとめ

発煙筒は無いと車検に合格しませんが、有効期限切れは問題なく車検に合格します。

でも、ほんとに必要なときに使えないと困るので、どうせなら、LEDがついているようなものを選べば備えになるのでオススメです。

以上、発炎筒の有効期限切れは、車検時に交換が必要なのかについて整備士ねっとチームの解説でした。

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