- タイヤを新品に交換したら異音がする
- 自分でタイヤを交換したら変な音がする
- 整備工場でタイヤ交換した後に異音がする
この記事では、タイヤ交換後に起きる「変な音」「異音」の原因について、一級整備士の管理人が解説します。
この記事の内容は、個人的な感覚や経験で書いていますので参考程度にしてください。確実な修理のためには、整備工場での点検が必要です。
この記事を書いた人:きりん
元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。X(旧twitter)でたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっています。(seibisi_net)
タイヤ交換後の異音発生4つの原因
- タイヤの取り付けが緩んでいる
- ブレーキ部品の干渉
- タイヤサイズの不適合
- 銘柄・種類によるタイヤ固有の音
タイヤ周りの異音の原因は他にもありますが、タイヤ交換直後の異音である場合、上記の原因である場合が多いです。管理人の経験では上から順に多いです。
1.タイヤの取り付けが緩んでいる

タイヤ交換後の異音で、最も多い原因はタイヤのナットが緩んでいる(締め付け不足)場合の異音です。
ホイールナットの緩みは走行中にタイヤが脱落する可能性があり、大変危険です。真っ先に確認してください。
特に、不慣れな人やプロでない人がタイヤ交換作業を実施した場合に、起こる可能性が高くなります。
タイヤ緩みの症状
- タイヤの周期に合わせて、低速でコトコト異音
- ブレーキ操作でコトコト異音
- わずかなハンドル操作で音が出たり出なかったり
- ハンドル操作に違和感
「タイヤの周期に合わせて」というのは、車のスピードに合わせて、音の間隔が速くなったり遅くなったりする症状です。
わずかなハンドル操作で異音というのは、ハンドルを右にきると異音が出て、左に切ると出ないなどの症状です。
なぜそういう異音が出るかについては、専門的なので説明を省略しますが、遠心力やタイヤ(ホイール)のずれ、車両の重心の変化などが関係しています。
タイヤの緩みは、とにかくたくさんの違和感が出ます。
タイヤ緩みの解決策
全てのタイヤの点検・締め直し
多くの場合では、タイヤを締め直すことで問題を解決できます。
しかし、緩んだ状態で長い距離を走行している場合などには、ホイールに変形や破損などのダメージが残ることがあります。ホイールにそのようなダメージがある場合には、基本的にホイールの交換が必要ですが、判断できない場合には整備工場の専門家に点検してもらうことをおすすめします。
整備工場でのタイヤの締め方
整備工場では、規定トルク(決められた力)でタイヤを締め付けることで、締付け不足・締め付けすぎにならないように確実な整備を行っています。なぜなら「タイヤの締め付け」は、人の命に関わるとても大事な作業だからです。
規定トルク(決められた力)でタイヤを締め付ける方法は「トルクレンチ」という工具を使うことで可能になります。それほど高額な工具ではないので、個人で購入して使用している人も多いです。
2.ブレーキ部品の干渉

これは、ディスクブレーキのバックプレートとディスクロータが干渉して、こすれている状態になって起こる症状です。
管理人の経験上、意外とかなり多いです。
ブレーキ部品干渉の症状
- 「カラカラ」「ガラガラ」「シャラシャラ」と、比較的軽い音
- 金属がこすれあうような音
- ハンドルを大きく左右に切ると、音が大きくなったり、出なくなったりする
なぜ、タイヤ交換後に起こるのかというと、タイヤを外すときに、ホイールをこのバックプレートにぶつけてしまって、変形させることがあるからです。
ブレーキ部品干渉の解決法
修理には知識と技術、経験が必要です。整備工場に依頼しましょう。
3.タイヤサイズの不適合

タイヤの交換時に家族の別の車のタイヤや、以前乗っていたタイヤを間違えて装着してしまうケースがあります。
- タイヤの外周が大きすぎる
- 前後のタイヤサイズが違う
タイヤやホイールサイズの違いによって、いろんな異音や不具合が起きます。
タイヤサイズ不適合の症状
- ハンドルを大きく切ったときに「ガンッ」と底付き音
- スピードを上げるにつれて「ゴー」という音とブルブル振動が大きくなる
タイヤサイズが合っていない場合、他にも車の種類によっていろいろ症状があります。
そのまま走行すると、大きな故障や事故の原因になる可能性があります。
タイヤサイズ不適合の解決法
タイヤサイズの確認をしてください。管理人の経験上、家族の車(別の車)のタイヤを間違えて装着してしまうケースが多いです。
レアケースですが、サイズ違いにより、バランス・ウェイトが干渉してしまって異音が発生する場合もあります。
4.銘柄・種類によるタイヤ固有の音

走行中のタイヤ音がメーカーや銘柄によって異なります。ロードノイズと言われ、そのタイヤが持っている固有の音です。
わかりやすいのは、スタットレスタイヤで乾燥路面を走行するとかなり大きなロードノイズが発生します。
比較的高価なタイヤは静粛性が高く、ロードノイズが少ない(静か)です。ロードノイズはタイヤによって異なります。
ロードノイズの症状
スピードを上げるにつれて「ゴー」という音がうるさくなる
車とタイヤの相性や、タイヤの性能によって若干変わりますが、基本的にはスピードに応じて音が大きくなります。
ロードノイズの解決法
基本的には静粛性の良いタイヤを装着すれば異音は解消します。
一般的に、スポーツ性能の高いタイヤ、スタッドレスタイヤ、安価な海外製のタイヤなどは、静粛性が低くロードノイズが大きい傾向があります。
ただし、このケースの場合は機能的には問題ないので、そのまま使用することが可能です。
まとめ
- タイヤの取り付けが緩んでいる
- ブレーキ部品の干渉
- タイヤサイズの不適合
- 銘柄・種類によるタイヤ固有の音
タイヤ交換後の異音の発生には、上記4つの原因があります。ひとつ一つ症状が異なるので、しっかりと確認してください。
また、タイヤの異音は非常に危険な状態になっている可能性があるため、軽視せずに、わからなければ整備工場で点検しましょう。
以上、タイヤ交換後の異音についての解説でした。参考程度にしてください。