・パスタ吹付 5,000 円
・下廻りシャシブラック塗装 10,000 円
車検時の見積りなどで、このような内容が書いてある場合があります。
一般の方にはあまり馴染みのない用語だと思いますが、実は車検ではけっこう重要な項目です。
今回の記事は、元ディーラー整備士が「パスタ」や「シャシブラック」について、どういうものなのか、また、作業を依頼した方が良いのかについて解説します。
パスタ吹付け、シャシブラック塗装とは
パスタやシャシブラックとは車の下側(裏側)のサビ止め塗装のことです。
「パスタ」も「シャシブラック」も呼び名が会社や部品などで違うだけで、同じ、下廻りを黒く塗る塗装のことで、アンダーコーティングのことです。
スプレー缶などを噴射して塗装するので、「吹付け」や「塗装」という表現が使われます。
パスタ、シャシブラックの目的
一般の人は、車の下側を見ることはほとんどないのでわからないと思いますが、車の下側というのは思いのほかサビが発生していることがあります。
サビは金属を腐食させ、ひび割れ、剥離、破壊へとつながります。
自動車においても下廻りの金属部分のサビというのは、時に車の決定的なダメージとなります。それが原因で車検に通らなくなったりすることも多く、買い替えのきっかけになります。
・海辺で駐車、使用されている車両
海辺の車は潮風の塩分で、車全体のサビが極端に進行します
・積雪地で使用されている車両
積雪地での使用は、冬季間の道路にまかれる融雪剤の影響でサビが極端に進行します
このような車に対してサビを防いだり進行を防ぎ、車を長持ちさせる事がパスタやシャシブラックの目的です。
効果は明らか
効果について、おそらくほとんどの自動車整備士が「やらないよりやったほうがいい」と答えるでしょう。
下回りのコーティングは、そのまま車の寿命に直結します。
公園の遊具を定期的に塗装していることを考えるとわかりやすいです。
美観を保つためと、腐食を防いでいるためですよね。
シャシブラックは車検に必要?
あなたが必要無いと感じれば、「要りません」と断ってください。
シャシブラック塗装はあくまで車の寿命を延ばすためのメンテナンスであり、任意です。
では、なぜ車検の時にすすめられるのかというと、車検はシャシブラック塗装する絶好のチャンスだからです。
・車検の時は、作業前にエンジンルームや車の下廻りを洗うから
・リフトアップさせるから(下から塗装しやすい)
下廻り部分に泥やほこりが付着した状態で、その上から塗装しても、泥やほこりと共に塗装は剥がれてしまい効果が無くなってしまいます。塗装する場合は汚れを落としてからが基本ですね。
つまり、下廻りの汚れを落とす車検の時が、下廻り塗装の絶好のチャンスなのです。
逆に、車検以外でシャシブラックを施工するチャンスが無いとも言えます。
料金が安くないので、見積もりの金額を確認し、財布と相談してください。
また、車検のときに必ずシャシブラックをする人の割合は、積雪する地方で20〜50%程度でしょうか(私個人の感覚)。
パスタ、シャシブラックの種類
パスタ、シャシブラックには水性と油性があります。
それぞれ、特徴がありますので、気になる人はスタッフにどちらの種類か聞いてみてください。
特徴 | |
水性パスタ |
人体への悪影響が少ない 環境にやさしい 扱いやすい |
油性パスタ |
速乾性、耐久性が水性に勝る 匂いがきつい |
どうせ塗装するなら効果の高い油性が良いですが、油性を施工してくれる整備工場は年々減っています。
従業員の健康被害を無くしたいためですね。
パスタ、シャシブラックの料金
料金は自動車のサイズ、整備工場や塗料の部品代によって大きく異なります。
料金 | |
軽・小型車 | 4,000~10,000 円 |
ワンボックス・UV | 8,000~15,000 円 |
小型トラック | 10,000~20,000 円 |
もっと効果のある本格的なサビ止め商品
現在は、パスタよりも防サビ効果の大きい塗料の塗装がトレンドになっています。
特に車検の時よりも新車時に塗装することで、より効果を高める商品がディーラーをはじめたくさんの整備工場で販売されています。
「塩害ガード」や「防錆コーティング」という商品です。
で、検索すると山程出てきます。
もちろん、車検の時に塗装しても、パスタよりも効果が高いものです。興味のある人は、車検する際に問い合わせてください。
料金はパスタよりも高額です。
パスタ塗装は実施すべきか
答えは簡単
デメリットは全くないので財布と相談して決めてください。
特に長くその車に乗りたい場合や、海辺や積雪地で使用している場合は、実施することを強くおすすめします。
ちなみに私は毎回塗装しています。
以上、パスタ、シャシブラック塗装の意味についてでした。
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