車を知る

クーラント(冷却水)とウォッシャー液を入れ間違えた時の対応方法とその後の修理

クーラントとウォッシャ液を間違えた場合

ウィンドウ・ウォッシャー液を、間違えてクーラントのサブタンクやラジエータに入れてしまった。

残念ながら昔からある車のトラブルです。

こんな時にはどうすればいいのか、どうなってしまうのかについて元ディーラーの一級整備士が解説します。

対応方法によってはエンジンが破損し、大きな損害や事故に繋がりますので、慎重に対応してください。

チェック

この記事は、クーラントのタンクやラジエーターにウォッシャー液を入れてしまった場合の対応に関する記事です。

これとは逆に、ウォッシャータンクにクーラントを入れてしまった場合は、抜いて洗浄する必要がありますが、大きな問題にはなりません。その場合は整備工場に依頼し洗浄してもらう事をおすすめします。

自分で洗浄したい場合はこちらの記事をご覧ください。

>>>車のウォッシャー液の抜き方/3つの方法と注意点

この記事を書いた人:きりん

元ディーラーの一級整備士で整備士ねっと管理人です。自動車整備業界に長く携わり、現在は整備業界のコンサルなども行っています。twitterでたくさんの整備士さんや業界の人と繋がっているのでチェックしていただけるとうれしいです。(seibisi_net

ただちに整備工場へ連絡

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気付いた時点ですぐに整備工場に連絡してください

注意点は、絶対にエンジンを掛けないことです。

ウォッシャー液とクーラントが混ざってしまった場合でも、エンジンを始動しなければ、大したことはありません。

もし、既にエンジンを掛けてしまった場合でも、走行してしまった場合でも、それ以上はエンジンを掛けずに整備工場に修理依頼をしてください。

被害が拡大する可能性が高いです。

その後どうなるか

その後どうなるか、修理費(整備代)がどうなるかなどについて、気になる人が多いと思いますので、3つのパターンに分けて説明します。

  • エンジンを掛けていない場合→洗浄して終了
  • エンジンを掛けてしまった場合→エンジンへのダメージを点検
  • エンジンが故障してしまった場合→エンジン交換(費用大)

エンジンを掛けていない場合

間違えて、ウィンドウ・ウォッシャー液をクーラントのサブタンクに入れてしまった場合でも、エンジンを始動していなければ、エンジンが大きなダメージを受けることはなく、故障することはありません。

整備工場で実施する整備内容

  • サブタンクやラジエータに間違えて入れてしまったウォッシャー液を抜き取り、内部を洗浄
  • 正規のクーラントを適量補充・エア抜きして終了

整備料金

5千円~1万円程度(整備工場、車種により大きく異なる)

これを機にクーラントを全量交換した場合などには、追加で費用がかかります。もし、他にも追加整備を勧められた場合には説明をよく聞き、言われた通り実施することをおすすめします。

もし、その後にエンジンが壊れてしまった場合には、後述するような大きな損害が出るからです。

エンジンを掛けてしまった場合

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ウィンドウ・ウォッシャー液をクーラントのサブタンクやラジエーターに入れてしまった後に、エンジンを始動したり走行してしまった場合には、整備は難しくなります。

この場合は、エンジンにダメージがあるかないかをしっかりと点検する必要があります。

整備工場で実施する整備内容

  • サブタンクやラジエータに間違えて入れてしまったウォッシャー液を抜き取り、内部を洗浄
  • 正規のクーラントを入れたり捨てたりしながら、ウォッシャー液が入ってしまったエンジン内部の冷却水通路を洗浄
  • 走行テストや測定器、コンピュータなどを使って、エンジンにダメージがあるかを点検し、ダメージが無いことを確認

この結果、エンジンにダメージがあると認められた時は、後述するエンジンが故障してしまった場合にすすみます。

整備料金

1~2万円(整備工場、車種により大きく異なる)

エンジンにダメージが無いと判断された場合にはこれで終了です。

もし、他にも追加整備や部品の部分的な交換を勧められた場合には、説明をよく聞き、言われた通り実施することをおすすめします。

もし、その後にエンジンが壊れてしまった場合には、後述するような大きな損害が出るからです。

エンジンが故障してしまった場合

ウィンドウ・ウォッシャー液をクーラントのサブタンクに入れてしまった後に、走行し、エンスト、不調、力不足など、何らかの不具合が出てしまった場合には、エンジンにダメージがある可能性が高くなり、エンジンの整備をする必要が出てきます。

整備工場で実施する整備内容

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  1. エンジンへのダメージの程度を点検し、修理方法を検討
  2. エンジン交換、修理を実施

修理方法の検討とは、次のような方法について、お客さんの予算や希望に合わせて決めることです。

  • 修理可能かどうか
  • エンジン部品交換必要なら、部分的な交換かそっくり全部交換するか
  • 新品部品か、中古部品か、リビルト部品か

整備料金

エンジンに大きなダメージがある場合、一般的には、エンジンをそっくり全部交換することが多く、その場合安い軽自動車の中古部品を使ったとしても、最低15万円以上の整備料金が掛かることが多いです。

なお、整備料金は、整備工場、エンジンの排気量、車の値段などで大きく変わり、高級車では50万円以上になることも多いため、エンジンが壊れたら車を買い替える人が多い現実があります。

まとめ

  • エンジンを掛けていない場合→洗浄して終了
  • エンジンを掛けてしまった場合→エンジンへのダメージを点検
  • エンジンが故障してしまった場合→エンジン交換(費用大)

間違えてウィンドウ・ウォッシャー液をクーラントのサブタンクに入れてしまった場合、最悪の場合エンジン交換が必要になり、50万円以上の整備料金が発生するになる場合があります。

重要なポイントは気づいた時点ですぐに整備工場に連絡し、修理することです。損害を最小限に食い止めることができます。

以上、ウィンドウ・ウォッシャー液をクーラントのサブタンク、ラジエーターに入れてしまった場合の対応とその後の修理についてでした。

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