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整備士資格の【一級】を取る2つの方法と受験資格まとめ

1級整備士の取り方 整備士になる
  • 1級自動車整備士の資格を取る方法が知りたい
  • 1級自動車整備士の受験資格が知りたい

一級整備士の資格を持つ人は周りにそれほど多くいないため、取得方法がよくわからない現役整備士の人も数多くいます。

また、現在高校生などで、自動車整備士最高峰の国家資格である「一級整備士」の資格取得を視野に入れて、専門学校への進学等を考えている人もいると思います。

この記事では、これまで長く自動車整備業界にたずさわり、自らも一級整備士の資格を持つ私がわかりやすく解説します。

この記事の内容

1級整備士の資格を取る方法と受験資格

チェック

一級自動車整備士とは正確には「一級小型自動車整備士」といいます。

今現在一級「大型」自動車整備士の資格試験は実施されていませんので、一級と言えば、一級小型のことを指します。

補足

この記事で書く「二級整備士」とは「二級ガソリン二2級ジーゼル」を指し、「二級二輪」には当てはまりません。一級小型自動車整備士を取得するためには、二輪の資格は必要なく、有利になることもありません。

自動車整備士資格がよくわかる記事

>>>自動車整備士の資格・免許/まとめ記事|種類・役割・試験・難易度・給料など

一級整備士試験には受験資格がある

一級小型自動車整備士の資格を取るためには、一級小型自動車整備士のそれぞれの「学科試験」と「実技試験」に合格する必要があります。ま学科試験には「筆記試験」と「口述試験」があります。

つまり、「学科試験(筆記試験と口述試験)」と「実技試験」の3つの試験に合格しなければなりません。

そして3つの試験は誰でも受験できる訳ではなく、受験資格が定められています。

1級整備士試験の受験資格

一級整備士の資格試験は、

1.筆記試験に合格→2.口述試験に合格→3.実技試験に合格

という順番が決められているため、初めに受験する筆記試験の受験資格が、実質的な一級の受験資格となっています。

受験資格

  1. 二級整備士合格後、3年以上の実務経験がある者
  2. 自動車整備専門学校「1級課程」卒業者

この2つの受験資格の違いというのは、分かりやすく言うと、次の二つに分けられます。

  1. 働きながら1級を取る方法
  2. 学校に通って1級を取る方法

なお、2.学校に通って1級を取る方法(自動車整備専門学校「1級課程」卒業者)は、「実技試験」が免除されます。(事実上実務経験も必要ありません)

それではこの二つの方法について、詳しく説明します。

働きながら一級を取る方法

実務経験

前述したとおり、働きながら一級整備士の筆記試験にチャレンジする場合、二級を取ってから3年間の実務経験が必要です。

受験する際には、「二級整備士の合格証」と「二級を取ってから、3年以上整備士の仕事をしていたことを証明する書類」を提出しなければなりません。

この場合の二級整備士とは、ガソリン・ジーゼルの種目はどちらでも良く、例えば二級ジーゼルしか持っていない場合でも、3年の実務経験があれば一級整備士の筆記試験を受験することができます。

また、3年の実務経験については、2級のように短縮規定がないため、どの大学や学校を卒業しても誰でも必ず3年の実務経験が必要です。

「2級を取ってから、3年以上整備士の仕事をしていたことを証明する書類」は働いている(いた)整備工場の経営者等より証明してもらうもので、「実務経験証明書」と呼ばれています。

関連記事>>>整備士資格の実務経験とは/証明書の書き方

実技試験の免除

前述の通り、働きながら一級整備士の資格を取得するためには、学科試験(筆記+口述)と実技試験に合格しなければなりません。

実はこの中の「実技試験」は免除される方法があります。

それは全国の整備振興会で講習を受ける方法です。

働きながら一級整備士の資格取得を目指す人の多くが、整備振興会の講習に通い実技試験の免除を受けています。私も整備振興会の講習に通い、一級整備士の資格を取りました。

注意

整備振興会の講習を受講する場合にも、受講資格が有り、多くの振興会で「2級ガソリンと2級ジーゼル」の両方の資格を取得していることが条件となっているようです。詳しくは各都道府県の自動車整備振興会にお問い合わせください。

「学科試験」についての免除規定はありませんので、誰でも必ず受験して合格しなければなりません。

ここで働きながら1級整備士の資格を取得する方法をまとめます。

  1. 2級整備士の資格を取ってから3年間働く
  2. 整備振興会の講習に通う(→実技試験免除)
  3. 学科試験(筆記・口述)に合格する
  4. 実技試験に合格する(講習に通わない場合)
  5. 両免申請(全部免除申請)をする
    ※2と3について、順序はどちらが先でも構いません

両面申請についてはこちらの記事を参考にしてください。

>>>【整備士資格】両面申請/全免(両免)申請/学科試験に合格後の手続き方法

学校に通って一級を取る方法

自動車整備専門学校等の「一級自動車整備士科」を終了すると「実技試験」が免除されます。また、同時に3年の実務経験も免除されます。

但し、専門学校に通っても「学科試験」は免除されないので、筆記試験と口述試験には合格する必要があります。

従って、学科試験に合格できない場合があるため、専門学校に通ったからといって、確実に一級整備士の資格が取れるわけではありません。

実際に専門学校に通って一級取得を目指していたのに、卒業後2年間の期限のうちに学科試験に合格できず、取得できない人も少なからずいます。

専門学校卒業者でも、一級の学科試験(筆記試験)の合格率は50~80%程度で、まじめに通わなければ合格できません。他の業種の国家試験に比べても非常に難易度の高い試験と言えます。

一級整備士の合格率についてはこちらの記事を参考にしてください。

>>>整備士の合格率や難易度を徹底解説【1級整備士】★筆記試験が難しい理由

一級整備士科入学方法

自動車整備専門学校「一級整備士科(4年間就学)」に入学(進学)する方法はおおよそ次の2つです。

  1. 高校を卒業した後、「一級整備士科(4年間就学)」に入学する方法
  2. 高校を卒業した後、「二級整備士科(2年間就学)」に入学し、卒業した後に進学する方法

2.は二級整備士課程を優秀に終了した者で、進学を希望する者を一級整備士課程に進学させている学校のことです。高等学校の「専攻科」のような取扱いに似ています。

すでに、二級整備士として働いている人が一級整備士科に入学するケースはあまり聞いたことがありませんが、専門学校のHPなどを見ると、一度働いて二級整備士の資格をとった後に、一級整備士科の3年生に編入できる学校もあるようです(3年次編入)。

一般的には「学校で一級を取得するのは、働いたことがない学生ばかり」だと思います。このあたりは、専門学校に問い合わせてください。

また、就学の期間は4年です。高校を卒業してすぐ専門学校に入学すれば、22歳で卒業と同時に一級整備士となることができます。

ここで、整備専門学校等で1級整備士の資格を取得する方法をまとめます。

  • 自動車専門学校「1級整備士科」に入学(無資格・未経験で可)
  • 4年間就学し卒業(→1級実技試験免除)
  • 学科試験(筆記試験・口述試験)に合格する
  • 両免申請(全部免除申請)をする

両面申請についてはこちらの記事を参考にしてください。

>>>【整備士資格】両面申請/全免(両免)申請/学科試験に合格後の手続き方法

なお、一級整備士科では、2年生の最後に二級整備士(ガソリン・ジーゼル)の資格を取得するため、万がいち、一級整備士の試験に落ちてしまっても、二級整備士として働くことができます。

働きながら一級を目指す場合、一級を取得するまで三級→二級→一級と、最低でも7~10年かかりますが、、専門学校では実務経験が必要ないため、一級を取るまでの時間が大幅にに短縮できるというメリットがあります。

整備士を目指す高校生は考えてみてもいいと思います。

以上、一級小型自動車整備士の資格取得方法と受験資格でした。

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