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車検前倒しのメリット・デメリット/中古車など得する場合や重量税・自賠責保険の取り扱い

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  • 車検が残っている中古車を買う時
  • 例年の車検の時期をずらしたい時
  • スケジュールの都合で、早めに車検に出したい時

こんな時には、車検の前倒しは有効です。車検の前倒しについては、相談される方が多いですが、普通に可能です。

この記事では、車検の前倒しは可能か、どんなメリット・デメリットがあるのかについて、整備士ねっとチームが解説します。

車検の前倒しとは

車検の前倒しとは、車検満了日の1ヶ月以上前に、早めに車検を受けることを指します。

目次

大前提:車検の前倒しは可能

制度上、車検はいつでも受けることが可能です。

しかし、実際には車検満了日前の1ヶ月間に車検を受ける人が圧倒的に多いです。

なぜなら、日本の車検制度では車検満了日前の1ヶ月間に受けないと(前倒しすると)、金銭的・経済的に損をする制度になっているからです。

しかし車検の前倒しは必ずしも損をする場合だけではなく、一部、前倒ししたほうが得をするケースが存在します。しかしこれはあまり一般の方には知られていません。

まずは、前倒しするとどのくらい損をするのか、デメリットから解説します。

車検前倒し2つのデメリット

メリット・デメリット
  1. 車検の期間が縮まる(サイクルが短くなる)
  2. 重量税を二重払い

1.車検の期間が縮まる

一例ですが、車検満了日が12月31日の車について、12/10に受けた場合と、11/10に前倒しして受けた場合の、次回の車検満了日は次のようになります。

車検を受けた日次回の車検満了日
一ヶ月以内で車検12/1012/31
11月に前倒し11/1011/9

例では、車検を一ヶ月早く受けると、次回の車検が、1ヶ月と3週間も早くきてしまいます。

制度上、「次回車検の満了日は、車検をした日の2年後」と決まっていますので、前倒しすれば、次回の車検満了日も前倒ししたことになります。

車検の前倒しは、次回の車検までもが早く来てしまうところが明らかな損です。車検の時には整備料金などのお金がかかり、長い目で見ても、車の維持費が、通常より多くかかることになってしまいます。

しかし、お金に余裕がある人や、同じ車に長く乗らない人など、車検期間が縮まることを大した損と思わない人にはデメリットにならないので、それよりも自分の好きなタイミングで受ける方が良いかもしれません。車検はいつでも受けられます。

車検の一ヶ月前ルール

車検は「車検満了日前の1ヶ月間で受ければ、次回の満了日を縮めない」という制度になっているため、満了日前1ヶ月間の期間中なら、いつ受けても次回の満了日が縮むことはありません。

1ヶ月以上前に車検を受けると、次回の車検満了日が縮まることとなり、事実上の「前倒し」となります。

2.重量税を二重払い

重量税をムダに収めたことになる

自動車ユーザーが収めている自動車重量税は、車検の時に、次の車検の時期の分まで(乗用車であれば2年分)収めています。

前倒しして車検を受けた場合でも、また次の車検の時期の分まで収めることになるので、車検を早めた分だけ重複して支払っている事になります。(3ヶ月前倒ししたら、3ヶ月分が重複する)

重複する分は本来支払うはずのない税金ですが、今の制度では、これを還付したりする制度はなく、実質、自動車重量税を二重払いしていることになります。

損してしまう金額は、車の重さや、何ヶ月間前倒ししたのかで変わりますが、数千円から数万円の損となる可能性があります。これも、明らかな損でデメリットです。

一方で、お金に余裕がある人など、数千円・数万円の損が気にならない人は、それよりも自分の好きなタイミングで受ける方が良いかもしれません。車検はいつでも受けられます。

自賠責保険は二重払いにならない

自賠責保険も重量税と同様に、車検時に次の車検までの期間の契約をするのが決まりですが、自賠責保険については、二重払いする必要はありません。

前倒し時に、現在加入している自賠責保険の保険証券があれば、足りない分を追加して加入すればいいので、いつもの車検よりも短い期間の保険料で済みます。

車検を前倒しする際の自賠責保険の取り扱いは、車検を受ける整備工場が教えてくれますので心配ありません。

車検の前倒しがメリットになる3つのケース

  • 車検が残っている中古車を買う時
  • 例年の車検の時期をずらしたい時
  • 重量税の税率や自賠責保険の料金改定のタイミング

1.車検が残っている中古車を買う時

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中古車購入時は車検を前倒しして、まるまる2年の車検付きにするのが得

中古車購入時の車検の前倒しは、デメリットが少なく、メリットが大きいので、購入先に積極的にお願いすることをおすすめします。

前述した前倒しのデメリットは、中古車を購入する側から考えるとデメリットにならず、逆に前倒しすることで、車検がまるまる2年付いて来ることになるので、前倒しは大きなメリットになります。

車検満了日がすぐ来てしまうような中古車を買う場合はぜひ検討してください。

もちろん、車検付きで購入することになれば、購入価格が上がる可能性が高いですが、提示された価格と車検付きのメリットを考慮して判断すれば得になる場合が多いと思います。

また、車検付きにしてもらったとしても、車検代をそっくり上乗せするような車屋さんは少ないので、数カ月後に自分で車検をするよりお得になる可能性が高いです。

車検付きで販売されている中古車の車検前倒しは、購入者に大きなデメリットはありません。

関連記事>>>車検はいつからいつまでに受けられる?/満了日の何日前に出すのが良いか

2.例年の車検の時期をずらしたい時

  • 年末はとにかく仕事が忙しいから、車検は毎回夏にしたい
  • 毎年2月はお金がないので、毎回ボーナスが入る12月に車検をしたい
  • 毎回冬に車検をするのが嫌なので、秋頃にしたい

これらの理由の場合は何も問題ありません。車検はいつからでも受けられますし、有効期間を切らさずに車検を実施していけばそれで良いのです。

いつも車検の時期が悪いなと感じる人は、思い切って期間を縮めてでも、ずらした方が良いと思います。

そして、車検の時期は、次の車を購入する時期でもあるので、車検の時期というのは案外大事な要素です。

3.重量税の税率や自賠責保険の料金改定のタイミング

重量税の税率や自賠責保険の料金は、時々変更されています。どちらも4月1日から変更されることが多く、頻繁に上がったり下がったりしています。

もし料金が大きく上がるタイミングであれば、車検を前倒ししたほうが、金額によっては得な場合があります。

得する場合の例

5月10日に車検の有効期間が切れる車を所有している場合、通常は4月10日頃からが車検の時期です。しかし4月1日から重量税が値上がりし、車検時にかかる経費が1万円高くなってしまうタイミングの場合、有効期間を縮めてしまってでも3月に車検を受けると、経費が1万円安く済みます。

もちろん、料金が値下がりする場合は、その逆もあり得ます。

車検をちょっと切らしてしまって、3月に車検の車を4月に受けることで、1万円安く済む場合です。

以前、重量税が大きく値上がりしたときに、4月や5月車検のお客さんの車を、どんどん3月に車検を受けさせたという経験があります。

しかし、重量税の税率改定や、自賠責保険の料金改定のことについては、車屋さんなどからそういう提案がないと、一般の人では判断が難しいです。

車検を遅らせるという選択肢

車検が切れても、運転しなければ問題ないので、遅らせることは可能

毎回、車検の時期が悪いなどの、時期的な問題で車検の時期をずらしたいというのであれば、車検を遅らせるという選択肢があります。

車検が切れていても、運転しなければもちろん罰せられることはありません。

ただし、いざ車検を受けようと思った時に、整備工場に運転・走行して行くことができないので、レッカー移動などの手配を整備工場に依頼しなければならないので、その分が余計に費用が掛かってしまう可能性があります。

ただ、地方部の整備工場では、車検が切れていても無料で整備工場が積載車で取りに来てくれる場合が多いので、大きなデメリットにならない可能性が高いです。都会では、車の引き取りは安くない費用が掛かる可能性が高いです。

関連記事>>>車検切れの車を運転するとどうなるか/事故やバレた時の罰則と対処方法

まとめ

車検前倒しのデメリットは次の通り。

  • 車検の期間が縮まる(サイクルが短くなる)
  • 重量税を二重払い

ただし、中古車購入時の前倒しは、得しますので積極的に検討(車屋さんに相談)してみましょう。

また、時期が悪いなどの理由で車検の時期をずらしたいのであれば、車検を遅らせる(切らして乗らない)という選択肢があります。いずれにしても、車検はいつでも受けられますので、なにか困ったことがあれば整備工場にそうだんしましょう。

以上、車検前倒しのメリット・デメリットについてでした。

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